動画
歌詞&翻訳
It was a cold and wet December day
冷たく湿った十二月のある日
When we touched the ground at JFK
俺たちはJFK空港に降り立った
The snow was melting on the ground
地面の雪は溶けかけ
On BLS I heard the sound
BLSから聴こえてきたのは
Of an angel
天使のような響き
New York like a Christmas tree
ニューヨークはまるでクリスマスツリー
Tonight this city belongs to me
今夜、この街は俺のもの
Angel
天使よ
Soul love
魂の愛
Well, this love won’t let me go
この愛が俺を離さない
So long
さよなら
Angel of Harlem
ハーレムの天使
Birdland on Fifty-Three
53丁目のバードランド
The street sounds like a symphony
街の音はまるで交響曲
We got John Coltrane and A Love Supreme
ジョン・コルトレーンと『至上の愛』
Miles says she’s got to be an angel
マイルスは言う「彼女はきっと天使だ」
Lady Day got diamond eyes
レディ・デイの瞳はダイヤモンドのように輝いていた
She sees the truth behind the lies
嘘の奥にある真実を見抜いている
Angel
天使よ
Soul love
魂の愛
Well, this love won’t let me go
この愛が俺を離さない
So long
さよなら
Angel of Harlem
ハーレムの天使
Angel of Harlem, yeah
ハーレムの天使よ Yeah
She says it’s heart, heart and soul
彼女は言う「それは心、心と魂よ」
Yeah yeah, yeah yeah
Yeah yeah, yeah yeah
Yeah yeah, right now
Yeah yeah 今すぐに
Blue light on the avenue
青い光が大通りを照らす
God knows they got to you
神よ、アルコールとドラッグが彼女を蝕んでしまった
Empty glass, the lady sings
空になったグラスを前に、女が歌う
Eyes swollen like a bee-sting
蜂に刺されたように腫れた瞳
Blinded, you lost your way
視界を奪われ、行き場をなくした
In the side streets and the alleyways
路地裏の迷宮の中で
Like a star exploding in the night
まるで夜空で爆発する星のように
Falling to the city in broad daylight
昼間の街に堕ちていく
Angel in devil’s shoes
悪魔の靴を履いた天使
Salvation in the blues
ブルースの中の救済
You never looked like an angel
君は決して天使には見えなかった
Yeah, yeah
Yeah, yeah
Angel of Harlem
ハーレムの天使よ
Angel, angel of Harlem
天使よ、ハーレムの天使よ
Angel, angel of Harlem
天使よ、ハーレムの天使よ
Angel, angel of Harlem
天使よ、ハーレムの天使よ
Angel, angel of Harlem
天使よ、ハーレムの天使よ
(Alright, that’s alright, that’s alright)
(大丈夫、それでいいんだ、それでいい)
(Angel of Harlem)
(ハーレムの天使よ)
曲情報
「Angel of Harlem」(エンジェル・オブ・ハーレム)は、アイルランドのロックバンドU2(ユーツー)の楽曲であり、1988年のアルバム『Rattle and Hum』の10曲目に収録され、同年12月にアルバムから2枚目のシングルとしてリリースされた。カナダとニュージーランドのチャートで首位を獲得し、イギリスのシングルチャートでは9位、オランダのトップ40では8位、アメリカのBillboard Hot 100では14位、Mainstream Rock Tracksチャートでは1位を記録した。ビリー・ホリデイへのオマージュとして書かれたこの曲は、2種類の異なるB面を持つシングルとしてリリースされた。一つはU2のオリジナル楽曲「A Room at the Heartbreak Hotel」、もう一つは『Rattle and Hum』収録曲「Love Rescue Me」のライブバージョンである。
内容
この曲の歌詞には、ニューヨーク市周辺のランドマークが登場する。ジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)、ラジオ局WBLS、ハーレムが言及されている。また、ジョン・コルトレーンや『A Love Supreme』、バードランド・クラブ、マイルス・デイヴィス、そしてビリー・ホリデイ(「Lady Day」)といったジャズ関連の歴史も引用されている。
制作の背景
「Angel of Harlem」は、1987年の『The Joshua Tree Tour』中に書かれた楽曲であり、U2が「アメリカン・ルーツ・ミュージックのさまざまな側面」に没頭し、実験的な時期を過ごしていた時期に生まれた。U2のリードシンガーであるボノは、この曲の着想について次のように語っている。
「JFKに到着して、リムジンに迎えられたんだ。それまでリムジンに乗ったことがなかったから、パンクロックの余韻がまだ耳に残る中、ちょっとした罪悪感を感じながら乗り込んだ。でも、すぐにこれは楽しいと認めざるを得なかった。トライボロー橋を渡り、マンハッタンのスカイラインが見えてきた。運転手は黒人で、ラジオをWBLSという黒人向けの音楽局に合わせていた。そのときビリー・ホリデイが流れてきた。そしてそこには、まばゆい光の街、ネオンの心があった。ちょうど1年前のロンドンと同じように、僕らのような者を歓迎する広告が空に掲げられていたんだ。」
『Rattle and Hum』の映画に収録された「Angel of Harlem」のスタジオパフォーマンスは、『The Joshua Tree Tour』の第3レグの後半に、メンフィスのサン・スタジオで録音されたものである。
『Cash Box』誌はこの曲について、「彼らの最もインスピレーションを感じさせる楽曲ではないが、そのサウンドには馴染みやすさがあり、ラジオ向けの楽曲として適している」と評した。
ライブ演奏
この曲は、2009年の『U2 360° Tour』でも披露され、マイケル・ジャクソンへの献辞として「Man in the Mirror」や「Don’t Stop ‘til You Get Enough」の一節が挿入されることがあった。また、同ツアーのベルリン公演では、チェコ共和国のプラハから来た3人の若いファンが「Angel of Harlemを一緒に演奏させてください」と書かれたプラカードを掲げており、ボノは彼らをステージに招待した。バンドは彼らに楽器を貸し、共に演奏した。
この曲は、2015年の『Innocence + Experience Tour』や2019年の『The Joshua Tree Tour 2019』でも時折演奏され、さらに2023年から2024年にかけて行われた『U2:UV Achtung Baby Live at Sphere』の全40公演のうち16公演で演奏された。
歌詞の意味
BLSとは?
BLSとは、ニューヨークのラジオ局WBLSのことで、R&Bやソウルミュージックを中心に放送している局である。特に1980年代にはブラックミュージックの重要な情報源として知られていた。
Birdland on Fifty-Three(53丁目のバードランド)とは?
Birdland on Fifty-Three(53丁目のバードランド)とは、ニューヨークにあるジャズクラブ「バードランド」を指し、1950年代のジャズシーンで有名なスポットの一つだった。現在は53丁目に移転しているが、かつては52丁目にあり、多くのジャズミュージシャンが出演した。
John Coltrane(ジョン・コルトレーン)とは?
We got John Coltrane and A Love Supreme
ジョン・コルトレーンと『至上の愛』
John Coltrane(ジョン・コルトレーン)とは、アメリカのジャズサックス奏者で、モダンジャズやフリージャズの発展に大きな影響を与えた人物。革新的な演奏スタイルとスピリチュアルな表現で知られ、『A Love Supreme』(『至上の愛』)などのアルバムが代表作として挙げられる。
A Love Supreme(『至上の愛』)とは?
A Love Supreme(『至上の愛』)とは、ジョン・コルトレーンが1964年に発表したアルバムで、彼の宗教的な探求を音楽に昇華させた作品。スピリチュアルジャズの代表作とされ、ジャズ史においても重要なアルバムの一つとされている。
Lady Day(レディ・デイ)とは?
Lady Dayとは、ビリー・ホリデイの愛称で、アメリカの伝説的なジャズシンガー。独特の歌声と表現力で知られ、「Strange Fruit」や「God Bless the Child」などの楽曲が代表作に挙げられる。ヘロイン中毒だったことで知られている。