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「It’s Still Rock and Roll to Me」(イッツ・スティル・ロックンロール・トゥ・ミー、邦題:ロックンロールが最高さ)は、ビリー・ジョエルが作詞・作曲・演奏した楽曲で、アルバム『Glass Houses(グラス・ハウス)』に収録されている。1980年にシングルとしてリリースされ、同年7月19日から8月1日まで2週連続でBillboard Hot 100の1位を獲得し、ジョエルにとってアメリカで初のナンバーワン・ヒットとなった。この曲はトップ10に11週滞在し、『American Top 40』によれば1980年の年間第7位のヒット曲である。
この曲では音楽業界と音楽評論に対するジョエルの批判が込められており、当時のニューウェーブなどの新しい音楽スタイルを、古い音楽の焼き直しにすぎないと皮肉っている。また、時代の流行や価値観の変化にも言及している。
このシングルはアメリカで100万枚以上を売り上げ、RIAAからプラチナ認定を受けている。
制作背景と作曲
ジョエルは、しばしば自身の音楽がアダルト・コンテンポラリーや中庸なポップと評されることに反発し、この曲を書いた。彼は新しい音楽スタイルもマーケティングの違いにすぎず、実際は過去のスタイルと大差ないと感じていた。特にニューウェーブはパワーポップやロックンロールと似ていると考えており、『Rolling Stone』誌のインタビューでは、「ニューウェーブの曲は大体2分半以内でなきゃいけないし、使える楽器も限られている。録音に使える音数やプロダクションも限られていて、ガレージで聴こえる程度の音でなければならない。今流行ってるのは、そういう音への回帰にすぎないんだ」と語っている。
曲の拍子は4/4拍子でテンポは144BPM、キーはハ長調(Cメジャー)である。最後のヴァースの前にはサックスソロが挿入されている。ドラマーのリバティ・デヴィットによると、この曲のレコーディングでは、エンジニアが彼のスネアドラムを極端に低くチューニングさせ、「叩いた時に“フロップ”と鳴る」音を出させたという。
歌詞に出てくる「ミラクル・マイル」とは、ロングアイランドのマンハセットやグレートネックにある商店街の通りを指している。また、「ホワイトウォールタイヤ」はBest Tireという店舗のことであり、「新しいスピーカー」はBerliner Stereoというステレオショップを指している。いずれもジョエルが幼少期を過ごした地域に実在した店である。
歌詞の意味
タイトル「It’s Still Rock and Roll to Me」の意味
タイトルの「It’s Still Rock and Roll to Me」というフレーズは「それでも僕はロックの方が他のジャンルより好きだ」と言っているわけではなく、「(新しいものが出てきても)全部ロックに聞こえる」という意味のフレーズである。
実際、ビリー・ジョエル本人は当時のインタビューで「New Waveは、再発見された過去への反応にすぎない」「あれこれ言わないでくれ、全部ロックンロールなんだから」と語っている。ジャンルの名前が変わっても、やっていることは本質的に変わらないというのが彼の主張だった。


