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曲情報
「Oye(オイエ)」は、キューバ系アメリカ人シンガー、グロリア・エステファンの楽曲。1998年、8作目のスタジオアルバム『gloria!』からの2枚目のシングルとしてEpicよりリリースされた。作詞はエステファン、夫のエミリオ・エステファン・ジュニア、ランドール・バーロウ、アンジー・チリーノによる共同作業で、プロデュースはエステファン・ジュニア、バーロウ、トニー・モランが手がけた。
このシングルは全米Billboardダンス・クラブ・ソングスチャートおよびスペインで1位を獲得し、ビルボード・ラテン・ミュージック・アワードにおいて「最優秀ラテン・クラブ・ダンストラック賞」を受賞した。
2022年6月3日には、「Oye」の英語版EPおよびスペイン語版EPがデジタル配信およびストリーミングでリリースされた。
評価
『The Baltimore Sun』のJ.D.コンシダインは、「Oye」を「ラテンとディスコが最も効果的に融合する楽曲」とし、「テクノとサルサの融合によって、アフロ・キューバンのリズムが魂を解放し、電子音の一定のリズムが踊りを自然に誘発する」と評した。
『Beaver County Times』のベン・ウェナーは、この楽曲の「跳ねるようなアフロ・キューバンの装飾音」に注目した。
『Billboard』のラリー・フリックは、前作「Heaven’s What I Feel」がディスコ調だったのに対し、「Oye」は打楽器を主体としたサルサ風味で、バイリンガルなパフォーマンスに「燃えるような官能性」が宿っていると述べた。また、マイアミ・サウンド・マシーン時代の「Conga」を想起させるアレンジが施されており、「クラシックなパーティー感を求めているなら、この曲がまさにそれだ」と評した。
『Houston Chronicle』のジョーイ・ゲラは、この曲がアルバム中で最もインパクトがある1曲であり、リッキー・マーティンの国際的ヒット「María」を彷彿とさせる「灼熱のバイリンガル曲」と述べた。
一方、『NME』のヴィクトリア・シーガルは、「Oye」のような楽曲は「退屈という国際共通語を話している」と辛辣に評した。
『Vibe』誌のフリックは、エステファンが「これまでにない激しいエネルギーとボーカルの火花」を発揮していると評価した。
ミュージックビデオ
「Oye」のミュージックビデオは、アルゼンチン出身の監督グスタボ・ガルソンによって制作され、ナイトクラブでパフォーマンスするエステファンの姿が描かれている。
歌詞の意味
この曲は灼熱のサルサのリズムに身を委ね、身体の欲求と高揚感をそのまま物語化した内容となっている。反復される叫びは、音楽がもたらす衝動的なダンスへの欲望を象徴し、相手との距離が縮まるにつれて官能的な熱気が高まっていく構図が描かれる。音楽と身体の動きが完全に連動し、思考よりも感覚が主導権を握る世界観が貫かれている。相手を誘う場面では、ダンスがコミュニケーション手段として機能し、瞬間的な魅力と相互の引力が強調される。全体として、躊躇を捨てて音楽と情熱に身を投じる喜びを前面に押し出し、サルサが象徴する解放感と官能性をダイレクトに表現した楽曲となっている。


