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曲情報
「Only You(And You Alone)」(通称「Only You」)は、プラターズのマネージャーであるバック・ラムが作曲したドゥーワップの楽曲で、プラターズがアメリカ、イギリス、ベルギーでヒットさせたことで広く知られるようになった。プラターズでのリードボーカルはトニー・ウィリアムズ。
他にもルイ・アームストロング、ヒルトッパーズ、フランク・プゥルセル、リンゴ・スターなどがカバーしており、アメリカのカントリーミュージック界ではトラヴィス・トリット、リーバ・マッケンタイア、ボビー・ハットフィールド、スタトラー・ブラザーズらがバージョンを発表している。イギリスでは、プラターズ、リンゴ・スター、チャイルド、俳優ジョン・アルフォードのバージョンが広く知られている。ノルウェーではシュタイン・インゲブリクセンがノルウェー語でカバーし、ベルギーではブレンダ・リーのバージョンがヒットした。
プラターズは、1954年5月20日にFederal Recordsで初めてこの曲を録音したが、当時は未発表に終わった。翌1955年、Mercury Recordsに移籍後、4月26日に再録音し、5月にリリースされたことで大ヒットを記録した。同年11月、Federal Recordsが未発表のバージョンをシングルとして発売したが(B面は「You Made Me Cry」)、販売は振るわなかった。
ベース歌手のハーブ・リードによると、曲の成功は偶然の産物だったという。「車の中で練習していたとき、車が急に揺れて、トニーが『O-oHHHH-nly you』と歌った。それが面白くて笑ったけど、その瞬間にこれはいけると思った」と語っている。バック・ラムも、トニー・ウィリアムズの声がリハーサル中に「裏返った」ものをそのまま採用したと説明している。この曲は、ラムがピアノ演奏に参加した唯一のプラターズの録音でもある。
この曲は米R&Bチャートで7週連続1位を獲得し、ビルボードTop 100では最高5位、通算30週間チャートに滞在した。同時期にヒルトッパーズもカバーをリリースしたが、プラターズ版の方が上回った。イギリスで「The Great Pretender」がリリースされる際には「Only You」がB面に収録され、1956年の映画『Rock Around the Clock』にも両曲ともに登場している。
1966年には、Musicor Recordsでやや長めの再録バージョンが録音され、『I Love You 1,000 Times』に収録された。
1955年版の録音は1999年にグラミーの殿堂入りを果たした。
歌詞の意味
この曲は、特定の相手が語り手の世界を変える絶対的な存在として描かれ、その人物への深い献身と恋情を中心に据えている。語り手は、相手の存在が自分の心を満たし、人生に明るさと意味をもたらしていると感じており、その関係が自身に起きた内面的変化の源であることを強調する。相手と触れ合う瞬間に特別な力が働いていると受け取り、それが運命的なつながりであるという確信へと結びついている。曲全体は、恋愛感情がもたらす理想化と高揚感を一貫して描写し、相手を唯一無二の存在として捉えるロマンティックな心情を象徴的に表現している。


