動画
歌詞&翻訳
Dirty old river, must you keep rolling
古い汚れた川よ、お前はどうして絶えず流れ続け
Flowing into the night?
夜の中へと流れていくんだ?
People so busy, make me feel dizzy
人々があまりにもせわしなく生きてるから、僕は目が回ってしまう
Taxi light shines so bright
タクシーのライトが眩しく輝いてる
But I don’t need no friends
でも友達なんていらないんだ
As long as I gaze on Waterloo sunset
ウォータールーの夕日を見つめていられるなら
I am in paradise
僕は楽園にいるから
(Sha-la-la)
(シャラララ)
Every day I look at the world from my window
毎日、窓から世界を眺めるんだ
(Sha-la-la)
(シャラララ)
But chilly, chilly is the evening time
でも夜は少し肌寒くて
Waterloo sunset’s fine (Waterloo sunset’s fine)
ウォータールーの夕日は本当にいいね
Terry meets Julie, Waterloo station
テリーはジュリーに会う ウォータールー駅で
Every Friday night
毎週金曜の夜に
But I am so lazy, don’t want to wander
でも僕は怠け者で、歩き回りたくなくて
I stay at home at night
夜は家にいるんだ
But I don’t feel afraid
でも不安は感じないよ
As long as I gaze on Waterloo sunset
ウォータールーの夕日を見つめていられるなら
I am in paradise
僕は楽園にいるから
(Sha-la-la)
(シャラララ)
Every day I look at the world from my window
毎日、窓から世界を眺めるんだ
(Sha-la-la)
(シャラララ)
But chilly, chilly is the evening time
でも夜は少し肌寒くて
Waterloo sunset’s fine (Waterloo sunset’s fine)
ウォータールーの夕日は本当にいいね
Millions of people swarming like flies ‘round
何百万もの人々がハエのように群がって
Waterloo underground
ウォータールー駅の地下へと吸い込まれていく
But Terry and Julie cross over the river
でもテリーとジュリーは川を渡って
Where they feel safe and sound
安らげる場所へ行く
And they don’t need no friends
そして二人には友達なんていらないんだ
As long as they gaze on Waterloo sunset
ウォータールーの夕日を見つめていられるなら
They are in paradise
彼らは楽園にいるから
Waterloo sunset’s fine (Waterloo sunset’s fine, Waterloo sunset’s fine)
ウォータールーの夕日は本当にいいね
曲情報
「Waterloo Sunset」(ウォータールー・サンセット)は、イギリスのロックバンド、キンクスの楽曲。1967年5月5日にシングルとして発売され、同年にリリースされたアルバム『Something Else by the Kinks』にも収録された。キンクスのフロントマン、レイ・デイヴィスが作詞・作曲およびプロデュースを手がけた楽曲であり、バンドを代表する曲のひとつとされている。2021年の『ローリング・ストーン』誌「史上最も偉大な500曲」において第14位に選ばれている。キンクスにとって初めてトゥルー・ステレオでリリースされたシングルでもある。
「Waterloo Sunset」は1967年半ばに全英チャート2位を記録し、オーストラリアやニュージーランド、ヨーロッパ各国でもトップ10入りを果たした。一方、北米でもシングルとして発売されたが、チャート入りは果たせなかった。
歴史
レイ・デイヴィスは1967年5月のインタビューで、本曲のメロディーを「2、3年前から頭の中で考えていた」と述べている。当初は「Liverpool Sunset」というタイトルを考えていたが、ビートルズの「Penny Lane」がリリースされたことを受けてリヴァプールのテーマは破棄された。
歌詞は、孤独な語り手が橋を渡る恋人たちを眺め(あるいは想像し)、彼らとテムズ川、そしてウォータールー駅に思いを巡らせるという内容になっている。デイヴィスは2010年の発言で、この曲は自身の人生における重要な場所であるウォータールー周辺の記憶を反映したものであると語っている。13歳の時に気管切開を受けて入院したセント・トーマス病院で、看護師に運ばれて見た川の景色や、1951年のイギリス博覧会に訪れた経験、また戦後の世代の希望や、自身の初婚当時の夢などが込められている。歌詞に登場する恋人たちはテリーとジュリーという名で描かれているが、レイは後年、これは当時人気だった俳優テレンス・スタンプとジュリー・クリスティを指すものではなく、実際には1964年にオーストラリアへ移住した自身の姉をモデルにしたと説明している。
この曲は、長年のプロデューサーであったシェル・タルミとの契約終了後、レイ・デイヴィス単独でプロデュースを担当した最初のキンクス作品となった。録音には複雑なアレンジが必要とされ、セッションは10時間にも及んだ。ギタリストのデイヴ・デイヴィスはテープディレイ・エコーを用いた独特のギターサウンドについて語っており、当時のスモール・フェイセズのスティーヴ・マリオットもその音作りに関心を寄せたという。
B面曲「Act Nice and Gentle」
シングルのB面「Act Nice and Gentle」は、このシングルのための独占曲であり、「礼儀正しさ」を求める内容の楽曲とされる。カントリー・ウェスタン的な要素を持ち、後の『Muswell Hillbillies』を予感させるものとなっている。1998年の『Something Else by the Kinks』再発盤にボーナストラックとして収録された。
評価と影響
「Waterloo Sunset」は一般にレイ・デイヴィスの最高傑作とされ、1960年代スウィンギング・ロンドンの象徴的な楽曲としても評価されている。その音楽的・詩的な価値の高さから、大学の芸術関連コースで研究対象とされることも多い。デイヴィス自身は過度の称賛を退け、歌詞を修正したいと語ることもあったが、多くの批評家は彼を優れたソングライターとして評価している。
音楽評論家ロバート・クリストガウは本曲を「英語における最も美しい歌」と評し、ザ・フーのピート・タウンゼントは「神聖」「傑作」と称賛している。1972年には『レコード・ワールド』誌が「キンクスの最高傑作かもしれない」と述べた。ブラーのデーモン・アルバーンは「自分が書きたかった曲」と語り、最も完璧な歌と評価している。AllMusicのスティーヴン・トマス・アールワインも「ロック時代で最も美しい曲のひとつ」と評している。『ローリング・ストーン』誌は2004年の「史上最も偉大な500曲」で第42位に選出し、2021年の改訂版では第14位に順位を上げた。
レイ・デイヴィスは2012年ロンドンオリンピック閉会式で「Waterloo Sunset」を披露しており、その後のシングル再発は全英チャートで47位にランクインした。
カバー
デヴィッド・ボウイ
エリオット・スミス