【曲解説】Iron Maiden – Aces High

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曲情報

「Aces High」(邦題:撃墜王の孤独)は、イングランドのヘヴィメタル・バンド、アイアン・メイデンの楽曲であり、スティーヴ・ハリスによって作詞作曲された。バンドにとって11枚目のシングルであり、5作目のスタジオ・アルバム『Powerslave』(1984年)からの2枚目のシングルとして発表された。

コンセプト

歌詞はバトル・オブ・ブリテン(1940年)において戦うイギリス空軍パイロットの視点から描かれている。シングルのアートワークには、バンドのマスコットであるエディがスーパーマリン・スピットファイアの操縦席に座る姿が描かれている。

レガシー

「Aces High」はアイアン・メイデンの代表的な楽曲のひとつであり、数多くのアーティストにカヴァーされている。また、『Madden NFL 10』や『Carmageddon II: Carpocalypse Now』といったビデオゲーム、MTVの『Nitro Circus』、スティーヴ・ピート出演のマウンテンバイク映画『New World Disorder III』などでも使用された。

ミュージックビデオ

ミュージック・ビデオは1984年9月のワールド・スレイヴリー・ツアーのポーランド公演で撮影され、ジム・ユキッチが監督を務めた。ビデオにはバトル・オブ・ブリテンのニュース映像が挿入されており、この演出は以降のアイアン・メイデンのライヴでのオープニング映像にも流用されている。

ライヴ演奏

「Aces High」はアイアン・メイデンのライヴで頻繁にオープニング曲として使用されている。『Live After Death』や『Iron Maiden: Flight 666』などの映像作品でも、ウィンストン・チャーチルの「我らは浜辺で戦う」演説と飛行機の効果音を伴って始まり、その後演奏されるのが定番となっている。この演説はミュージック・ビデオの冒頭にも収録された。

2014年の『Q』誌のインタビューで、ジェラルド・ウェイは『Live After Death』に収録されたライヴ版「Aces High」が自身にライヴパフォーマンスへの関心を持たせた楽曲だと語っている。

この曲はこれまでに6回のアイアン・メイデンのツアーで演奏されており、ワールド・スレイヴリー・ツアー、エド・ハンター・ツアー、サムウェア・バック・イン・タイム・ワールド・ツアー、レガシー・オブ・ザ・ビースト・ワールド・ツアーではオープニング曲として演奏され、メイデン・イングランド・ワールド・ツアーとラン・フォー・ユア・ライヴズ・ワールド・ツアーではアンコールの1曲目として披露された。

歌詞の意味

「Aces High」とは?

「Aces High」の基本的な意味はトランプ・ポーカーの用語で「A(エース)が一番強い」という意味や「エースが高い → 最高評価」「とても優れている」という意味である。しかし、この曲では軍事スラング的な意味合いでバトル・オブ・ブリテンを戦うエース・パイロットのことを指している。

ちなみにWW2の「ace(エース)」は5機以上撃墜したパイロットに与えられる称号である。

つまり、「aces high」=「エースたちが高みを飛ぶ」→「撃墜王たちの勇姿」「エース・パイロットたちが空を翔ける」のようなニュアンスになる。

横転とは?

航空用語ではRoll(ロール運動)とは機体の縦軸(機首から尾にかけての軸)まわりの回転のこと。訳としては 「横転」 や 「ロール」 となる。戦闘機では「横転」や「バレルロール」的な回避機動を意味することが多い。

メッサーシュミットBf109、スピットファイアとは?

Messerschmitt Bf 109」(メッサーシュミットBf109)とは第二次世界大戦中に活躍したドイツの主力戦闘機のこと。

Spitfire」(スピットファイア)とは第二次世界大戦中に活躍した英国の主力戦闘機「Supermarine Spitfire」(スーパーマリン・スピットファイア)のこと。

この曲では、語り手がスピットファイアのパイロットで、メッサーシュミットBf109が敵側として登場している。

▼「Spitfire」が登場する曲

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