【曲解説】Iron Maiden – 2 Minutes To Midnight

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曲情報

「2 Minutes to Midnight」(トゥー・ミニッツ・トゥ・ミッドナイト、邦題:悪夢の最終兵器(絶滅2分前))は、イングランドのヘヴィメタル・バンド、アイアン・メイデンの楽曲で、5作目のスタジオ・アルバム『Powerslave』(1984年)に収録されている。1984年8月6日にアルバムからの最初のシングルとしてリリースされ、全英シングルチャートで11位、ビルボード・トップ・アルバム・トラックスで25位を記録した。5分を超える初のシングルであり、1989年11月に「Infinite Dreams」が発表されるまで最も長いシングルであった。

概要

「2 Minutes to Midnight」は核戦争と軍拡競争に対する抗議歌であり、エイドリアン・スミスとブルース・ディッキンソンによって作曲された。歌詞は戦争の商業化とそれによって世界経済が支えられていること(“The golden goose is on the loose and never out of season”)、政治家が戦争で利益を得ていること(“as the reasons for the carnage cut their meat and lick the gravy”)、戦争が終わっても状況は悪化し、さらに強力な兵器の開発や未来の戦争につながること(“to the tune of starving millions to make a better kind of gun”)を批判している。

曲名は、原子力科学者会報が世界的な破局の危機を象徴する「終末時計」に由来している。1953年9月にはアメリカとソ連が9か月以内に水爆実験を行い、時計は20世紀で最も危険な「真夜中2分前」に設定された。1972年には12分前まで戻ったが、その後米ソ間の緊張により1984年には再び3分前となり、本曲が発表された当時は1953年以来最も危険な状態とされていた。ディッキンソンによると、この曲は冷戦というよりも「戦争のロマンス」一般を批判しているとされる。

偶然にも、このシングルは1945年8月6日の広島への原爆投下から39年後の同日にリリースされた。

B面曲

「Rainbow’s Gold」

最初のB面曲は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、ベケットが1974年に発表したセルフタイトル・アルバム収録曲「Rainbow’s Gold」のカヴァーである。オリジナルは「A Rainbow’s Gold」と表記されている。アイアン・メイデンのメンバーはベケットのメンバーと友人関係にあり、マネージャーのロッド・スモールウッドも過去にベケットのエージェントを務めていた。

「Mission from ‘Arry」

もう一つのB面曲「Mission from ‘Arry」は、1983年のワールド・ピース・ツアー中にアレンタウン(ペンシルベニア州)で発生したスティーヴ・ハリスとニコ・マクブレインの口論を録音したものである。公演中にハリスの機材が故障し、ドラムソロを延長するよう指示がうまく伝わらな

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