【曲解説】Iron Maiden – Prowler

音源

オーディオ

オーディオ(Prowler ’88)

曲情報

「Prowler」(プロウラー、邦題:プローラー)は、イングランドのヘヴィメタル・バンド、アイアン・メイデンのデビュー・スタジオ・アルバムに収録された楽曲。このアルバムは1980年4月11日にEMIレコードからイギリスで発売され、アメリカではハーヴェストとキャピトル・レコードからリリースされた。

「Prowler」はIron Maidenの最も初期の楽曲のひとつであり、彼らに大きな転機をもたらした曲でもある。1977年と1978年にライブで演奏され、最初のレコーディング・セッションでもデモとして録音された。このセッションは1978年12月30日と31日にケンブリッジのSpacewardというスタジオで行われたもので、大晦日近くは他に誰も録音を希望しなかったため、格安でスタジオを借りることができた。「Iron Maiden」「Strange World」「Invasion」とともに、彼らがデモテープとして仕上げた4曲のひとつが「Prowler」だった。

この4曲のうち、ツインギターのアタックを見せつける「Prowler」がDJニール・ケイの目に留まった。ケイはメタル曲のチャートを作成し、イギリスの音楽誌『Sounds』に掲載していた人物で、この曲をオンエアし、自身のチャートに載せた。そして1979年4月21日のチャートでは、「Prowler」は1位を獲得した。

これはバンドにとって大きな飛躍だったが、意外なことに彼らがレコード契約を得たのは数か月後、EMIと契約したときだった。1980年4月にセルフタイトルのデビューアルバムをリリースする頃には、すでにバンドは経験を積み、イギリス国内で大きなファン層を築いていた。そしてその評判通り、彼らはニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタルを代表する存在となった。

「Prowler」は、Iron Maidenのベーシストでありリーダーのスティーヴ・ハリスによって書かれた。当時のリードシンガーはポール・ディアノで、彼はしばしばハリスと衝突した。ディアノは2枚のアルバムを残して1981年にバンドを脱退し、後任としてブルース・ディッキンソンが加入した。

歌詞の意味

アイアン・メイデンは、デビューアルバムの1曲目「Prowler」で、かなりいかがわしい人物について歌っている。この男は茂みに潜み、女性たちをこそこそと見張っている。

初期のメイデンの曲に登場するキャラクターの多くは、社会に適応できていない者たちで、デビュー作には他にも「Charlotte the Harlot」(娼婦を題材にした曲)や「Iron Maiden」(男を処刑器具〈鉄の処女〉に誘い込む女を描いた曲)が収録されている。

looking oh so pretty

冒頭の「looking oh so pretty」は直訳すると「とてもきれいに見える」「すごくイカして見える」となるが、話者自身のことを指して「俺がカッコよく歩いてる」とも、周囲(街や人々)が「きれいに見える」とも解釈できる。

bush のダブルミーニング

bush」は俗語で「女性器」や「陰毛」の意味もあり、ここでは街で茂みをかき分け這う変態男と、実際に女をゲットして行為に及んでいる描写のダブルミーニングになっている。

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