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曲情報
「You Really Got Me」(ユー・リアリー・ゴット・ミー)は、イングランドのロック・バンド、キンクスが1964年に発表した楽曲で、レイ・デイヴィスによって作詞・作曲された。バンドにとって3枚目のシングルであり、ブレイクのきっかけとなった作品で、アメリカにおけるブリティッシュ・インヴェイジョンの代表的な楽曲のひとつとして知られている。パワーコードとディストーションを駆使したギター・リフは革新的であり、後のハードロックやパンク、さらにはヘヴィメタルにまで大きな影響を与えたとされる。楽曲は2021年版『ローリング・ストーンの選ぶ史上最高の500曲』で14位に選ばれている。
音楽的特徴と歌詞
楽曲は、全体が特徴的なギターリフを基盤として構成されている。このリフは「即座に識別できる」と評され、アメリカの音楽学者ロバート・ウォルサーは「パワーコードを基盤にした最初のヒット曲」と位置づけている。評論家デニス・サリヴァンは「『You Really Got Me』はハードロックやヘヴィメタルの設計図のような曲」と評している。一方、デイヴ・デイヴィスは「ヘヴィメタルという言葉は好きじゃない。ただの強烈なギターリフ・ロックだ」と語っている。歌詞は欲望やセックスについて描かれており、デイヴは「純粋なストリート・キッズのラブソング」と表現している。
ヴァン・ヘイレンによるカバー
アメリカのハードロック・バンド、ヴァン・ヘイレンは1978年のデビュー・アルバム『Van Halen』において「You Really Got Me」をカバーし、デビューシングルとして発表した。このカバーはラジオヒットとなり、彼らのキャリアを押し上げる役割を果たした。エディ・ヴァン・ヘイレンによる「ヒステリック」と形容されるギター演奏とデイヴィッド・リー・ロスの派手なヴォーカルが特徴である。このバージョンはしばしばアルバム収録のインストゥルメンタル「Eruption」と続けて演奏され、ラジオでもその形で流されることが多い。
リリースは偶然の競争の結果でもあった。ヴァン・ヘイレンのデモを聴いたバンドAngelが同曲をカバーしようとしていると知り、急遽シングルとして発売された経緯がある。エディは後に「最初のシングルがカバー曲なのは残念だった」と語っている。
キンクスのデイヴ・デイヴィスはヴァン・ヘイレン版を好ましく思っていないと発言し、「酔っている時の方が良い演奏をしているだろう」と揶揄した。一方、レイ・デイヴィスはそのユーモラスさを評価し、「笑えるから好きだ」と述べている。


