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ミュージックビデオ
ダンスゲームのシリーズ『Just Dance』における「Y.M.C.A.」ダンス動画
曲情報
「Y.M.C.A.」(ワイ・エム・シー・エー)は、アメリカのディスコ・グループ、ヴィレッジ・ピープルの楽曲で、ジャック・モラリ(プロデューサー)とシンガーのヴィクター・ウィリスによって作曲され、1978年10月にカサブランカ・レコードからシングルとして発売された。グループの3枚目のスタジオ・アルバム『Cruisin’』に収録されている。シングルは全米ビルボード・ホット100で2位を記録し、全英シングルチャートでは1979年に1位を獲得、世界で1200万枚を売り上げたベストセラーの一つとなった。2020年にはグラミー殿堂入りを果たし、米国議会図書館の全米録音登録簿にも選定されている。
歴史
アメリカでは19世紀末からYMCAが都市部で働く男性のための住居施設を提供していたが、1970年代にはホームレスや問題を抱えた若者の利用が増えていた。モラリはウィリスにYMCAについて尋ねた際、楽曲にすることを着想し、その場で共同で作曲した。楽曲の発表当初、YMCA側は商標侵害で訴える構えを見せたが、後に和解し、この歌が団体への賛辞であると評価するようになった。
楽曲と歌詞
歌詞は表面的にはキリスト教青年会(YMCA)の利点を称えるものだが、ゲイ・カルチャーではYMCAが出会いの場として知られていたため、暗黙のうちにゲイ・アンセムとして受け止められることも多かった。共同制作者のモラリはゲイであり、当初はゲイの聴衆を意識していたが、楽曲はやがて主流の人気を獲得した。作詞を担当したウィリスは、ゲイ・アンセムとして書いたわけではないと主張しつつも、二重の意味を持つ表現を好んでいたと述べている。
音楽性
楽曲は変ト長調で書かれ、ディスコ特有のパルスとブラス・リフが特徴である。冒頭は「Young man!」という呼びかけで始まり、ウィリスのリード・ボーカルとバック・ボーカルが交互に登場する構成となっている。多様な楽器を使用してオーケストラ的な雰囲気を醸し出している。
ミュージック・ビデオ
1978年7月にニューヨークで撮影され、バンドが街中やYMCAの建物で歌い踊る映像が収録されている。最後はエンパイア・ステート・ビルにズームインする映像で締めくくられる。
YMCAダンス
曲のサビに合わせて両腕でY・M・C・Aの文字を形作るダンスが有名である。1979年1月6日に『アメリカン・バンドスタンド』で披露された際、観客が自然発生的に手で文字を作ったことがきっかけで定着した。現在ではスポーツイベントなどで観客が一斉に踊る定番曲となっている。
影響と評価
VH1の「20世紀のダンス・ソング100」で7位に選出され、ローリング・ストーン誌やBillboardなどでも歴史的評価を受けている。2008年にはテキサス州エルパソのサンボウルで約4万人が同時にダンスを行い、ギネス世界記録を樹立した。今日でも結婚式やスポーツイベントで広く演奏され続ける楽曲である。


