【曲解説】YES – Owner of a Lonely Heart

動画

ミュージックビデオ

オーディオ

曲情報

「Owner of a Lonely Heart」(オーナー・オブ・ア・ロンリー・ハート)は、イギリスのプログレッシブ・ロック・バンド、イエスの楽曲で、11作目のスタジオ・アルバム『90125』(1983年)の1曲目および先行シングルとして、1983年10月24日にリリースされた。主にギタリスト兼シンガーのトレヴァー・ラビンが作曲し、シンガーのジョン・アンダーソン、ベーシストのクリス・スクワイア、プロデューサーのトレヴァー・ホーンも最終的な完成形に貢献している。

この楽曲はアメリカで商業的成功を収め、バンド唯一の全米ビルボード・ホット100およびホット・メインストリーム・ロック・トラックスでの1位を獲得したシングルとなった。1984年の年間チャートでは全米第8位にランクイン。1980年代から1990年代にかけて、さまざまなリミックスやB面を伴って再発された。

ミュージック・ビデオ

本作のミュージック・ビデオはMTVで頻繁に放送され、新たなメンバー構成とサウンドを、従来のプログレッシブ・ロック・スタイルを知らない新しい世代のファンに紹介するきっかけとなった。ビデオはグラフィックデザイナーのストーム・トーガソンが監督を務めた。彼はヒプノシスの一員として、以前にイエスのアルバム『Going for the One』や『Tormato』のカバーアートを手がけていた。

キーボード奏者のトニー・ケイは撮影時に一時的に離脱しており、代役としてエディ・ジョブソンが参加していた。ビデオ冒頭のバンドシーンや屋上シーンに短く登場するが、メンバーが動物に変身するシーンには含まれず、編集で彼の出演は極力削られている。最終的にケイが復帰し、ジョブソンはバンドで音源を残すことはなかった。

撮影はロンドン各地で行われ、屋上などでの演奏シーンも含まれている。ビデオのストーリーは、秘密警察と思われる組織に逮捕され尋問を受ける男を描いている。俳優ダニー・ウェブが主人公を演じ、彼は連行される中でさまざまな犠牲者に出会い、動物の幻覚を見る。最終的に地下の工場のような場所で敵と戦って脱出し、屋上に登るが、そこでバンドメンバーに扮した男たちに対峙する。最後に彼はビルから飛び降りて猛禽類に変身するが、シーンは群衆の中で行進する日常へと戻り、全てが彼の想像だったことが示唆される。

歌詞の意味

この曲は 自分の人生を他人任せにせず、主体的に選び取ることの大切さを語ってる。未来を思い悩むより、自分の判断で動き、成功も失敗も自分で受け止めながら前へ進む姿勢が軸になってる。孤独を抱える心に向けて、その状態をただ嘆くんじゃなく、自分の意志を信じて一歩踏み出せと背中を押すような流れになってる。

過去の傷にとらわれて挑戦を恐れる気持ちも示されるけど、高く舞う鷲のように自由であることを思い出し、自分自身を抑圧しないようにと呼びかける。孤独もまた自分の選択しだいで成長のきっかけになる、という前向きなメッセージが貫かれてる。

迷いや決断の葛藤を経て、自分の意思を裏切らずに進むことで新しい始まりが訪れるという希望も込められてる。自由意志を信じ、ためらいを振り払い、自分で未来を切り開いていく精神を描いた曲になってる。

error: Content is protected !!