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曲情報
「I’m Yours」(アイム・ユアーズ)は、アメリカのシンガーソングライター、ジェイソン・ムラーズが制作・録音した楽曲で、2008年に3作目のスタジオ・アルバム『We Sing. We Dance. We Steal Things.』からのリードシングルとして発売された。2005年には、2作目のアルバム『Mr. A–Z』を宣伝するために制作された限定版EP『Extra Credit』にデモ音源が収録されており、2004年から2005年のライブでも披露されてファンに人気を得ていた。第51回グラミー賞では「年間最優秀楽曲」と「最優秀男性ポップ・ボーカル・パフォーマンス」にノミネートされた。
この曲はアメリカで大きな商業的成功を収め、Billboard Hot 100で最高6位を記録。76週連続チャートインを果たし、当時の最長記録を更新した(それまでの記録はリアン・ライムスの「How Do I Live」の69週)。その後この記録は更新されたが、2023年時点でもアメリカで最も多く認定されたレゲエ楽曲となっている。2013年1月時点で全米600万ダウンロード以上、世界で1,220万枚を売り上げており、2021年7月にはSpotifyで10億回再生を突破した。
背景と構成
2008年、カリフォルニア州カールスバッドのLa Costa Resort and Spaでの「Sunset Sessions」で初披露され、その後『セサミストリート』で「Outdoors」という替え歌も披露された。さらに、リル・ウェインとジャー・キュアを迎えたリミックス版も発表された。
楽曲はハ長調で書かれており、テンポは1分間に70拍。コード進行はB-F#-G♯m-Eとされる。
チャート成績
発売後は徐々にエアプレイとデジタルセールスが増加し、Billboard Hot 100で6位、Pop 100で5位を記録。Billboard Hot Adult Top 40 Tracksでは通算9週間1位を獲得し、その後Mainstream Top 40、Adult Contemporaryなど、主要ラジオチャートでも1位を獲得した。最終的に76週チャートインという異例のロングヒットとなり、2014年4月時点でアメリカ国内で683万枚を売り上げている。世界的にもスウェーデン、ノルウェー、ニュージーランドなどで1位を獲得し、イギリスでは最高11位、合計84週にわたってチャート入りした。
ミュージックビデオ
2008年3月14日に公開された公式ミュージックビデオは、ハワイ(オアフ島とカウアイ島)で撮影され、ダレン・ドーンが監督を務めた。2024年9月時点でYouTubeでの再生回数は8億2千万回を超えている。
歌詞の意味
この曲は、好きな相手に向かってもう迷わず心を開くと宣言する、軽やかで前向きなラブソング。相手に触れた瞬間に惹かれてしまった気持ちや、素直になりきれずに揺れる自分を正直に描きながら、最終的には流れに逆らわず想いに従おう、という決意が流れている。
前半では、相手の存在に圧倒されつつも、運命に任せてもう一度気持ちを伝えようとする姿が描かれる。恋に対して肩肘張らず、勝ち負けでも計算でもなく、経験として受け止めようとする開放的なスタンスがにじむ。
中盤では、心を解放すれば世界はもっと自由で、周りの人々も同じように繋がっているという温かいメッセージが広がる。音楽が象徴する“今この瞬間”の楽しさや、一体感の中で愛を自然に感じられるという世界観が特徴。
後半では、自分自身を過剰に飾らず、季節の流れのように肩の力を抜いて生きればいい、と自分に言い聞かせるような描写が続く。相手に寄り添いたいという気持ちと、自分らしく在ることを大切にしたい思いが同時に表れている。
全体として、恋の高揚感や迷い、そして最終的な解放と肯定を、柔らかい言葉と軽快な雰囲気で紡いだ曲。相手に向かって、自分はすでに心を決めていると伝える、まっすぐでポジティブなラブメッセージになっている。


