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曲情報
「Si seulement je pouvais lui manquer」(シ・スルモン・ジュ・プヴェ・リュイ・マンケ)は、フランスの歌手カロジェロが2004年に発表した楽曲で、彼の3作目のスタジオ・アルバム『3』に収録されている。本作からの3枚目のシングルであり、カロジェロにとって通算10枚目のシングルとなる。この曲は、キャリアの中で2番目に大きな成功を収め、ベルギー(ワロン地域)とフランスでトップ10入りを果たした。
楽曲情報
歌詞はミシェル・ジュルダンとジュリー・ダイメ(彼女はパトリシア・カースにも楽曲提供していた)が手掛け、音楽はカロジェロと彼の兄弟ジョアキーノが作曲した。ポップ/バラード調の楽曲で、父親の不在とその存在を恋しく思う気持ちが歌われている。歌詞の中で、父と関係を持てたならどれほど嬉しいかが表現されている。
「Si seulement je pouvais lui manquer」は2005年に発売された多くのフランスのコンピレーション・アルバム(『Hits For Teens』『Les Plus Belles Voix 4』『Hit Connection – Best of 2005』『Hits Superstars 2005』『Only Hits 2005』『Les Plus Belles Ballades』など)に収録された。またチャリティー・アルバム『Solidarité Asie』にも収録された。カロジェロの初のコンサート・ツアーでも披露され、ライヴ・アルバム『Live 1.0』にも収録されている。カバーも存在し、2007年にはアメル・ベント、フランシス・カブレル、ジャン=ジャック・ゴールドマン、ラファエルが参加したレ・アンフォレのアルバム『La Caravane des Enfoirés』で、2008年にはヴォックス・アンジェリがセルフタイトル・アルバムで歌っている。
チャート成績と受賞
フランスでは2004年11月7日に95位でチャート入りし、発売3日後には7位まで急上昇。その後はほぼ毎週下降したが、トップ10に3週間、トップ50に14週間、トップ100に22週間滞在し、年間チャートでは61位となった。ラジオでのエアプレイは少なく、年間エアプレイ・チャートでは65位であった。
ベルギー(ワロン地域)では2004年11月27日に17位で初登場し、その後6位まで上昇し、5週連続でその位置を維持。合計15週間チャートに滞在した。2004年の年間チャートでは94位となった。
スイスのシングル・チャートでは2004年11月28日から25週間ランクインし、最高位は25位で、9週間トップ50に留まった。
2005年、この曲は『ヴィクトワール・ド・ラ・ミュージック』にて年間最優秀オリジナル曲賞を受賞した。
▼Calogeroのオリジナルバージョン
Vox Angeli
「Vox Angeli」(ヴォックス・アンジュリ)は、2008年に結成され2011年に解散したフランスのジュニア・ヴォーカル・グループである。グループはソニー・ミュージック・エンタテインメントに所属し、イギリスでサイモン・コーウェルがプロデュースした6人組の子供グループ「Angelis」(2006年から2007年に活動)に触発されて結成された。ただし、Vox Angeliはフランス語の楽曲を中心に歌っていた。
イギリスのオリジナルグループよりも商業的に成功を収め、シャルル・アズナヴールやカロジェロといったフランスの著名アーティストと共演・録音を果たした。2014年には活動を再開し、『Amour et Paix』というタイトルの新アルバムを発表している。
歌詞の意味
この曲は父に会えないまま育った主人公が、心の奥でずっと抱えてきた寂しさや願いを吐き出すように綴られてる。自分の人生の出発点にいるはずの人がそばにいないことへの戸惑いと、たった一度でもいいから呼んでほしい、気にかけてほしいという切実な想いが中心になってる。
幼い頃の記憶や空白の時間を思い返しながら、その沈黙をどう埋めればいいのか分からず、それでも自分なりに強くなろうと日々戦っている姿が描かれる。父が自分を必要としてくれたら、それだけで大きく救われるのに、という渇望が痛いほど伝わる。
表向きは大丈夫だと装っていても、愛情の欠落は心に深い影を落としていて、それを“罪”のように感じるほど苦しんでいる。けれど、その孤独に吞まれず自分の世界を支えながら生きていこうとする強さもにじむ。
全体として、届かない相手に向けて放たれる静かな叫びと、愛されたいという普遍的な願いが胸に迫る曲になってる。


