動画
歌詞&翻訳
“What’s the frequency, Kenneth?” is your Benzedrine, uh-huh
「周波数は何だ?ケネス」それがお前のベンゼドリンなんだな ああ
I was brain-dead, locked out, numb, not up to speed
俺は脳が死んで、締め出されて、感覚もなく、ついていけなかった
I thought I’d pegged you an idiot’s dream
お前をただの馬鹿げた夢だって決めつけていた
Tunnel vision from the outsider’s screen
外側のスクリーンから見たトンネル・ビジョン
I never understood the frequency, uh-huh
俺には周波数なんてわからなかった ああ
You wore our expectations like an armored suit, uh-huh
お前は俺たちの期待を鎧みたいに身にまとっていた ああ
I’d studied your cartoons, radio, music, TV, movies, magazines
お前の描いた漫画やラジオ、音楽、テレビ、映画、雑誌を研究してきた
Richard said, “Withdrawal in disgust is not the same as apathy”
リチャードは言った「嫌悪からの撤退は無関心とは違う」って
A smile like the cartoon, tooth for a tooth
その漫画みたいな笑み やられたらやり返す
You said that irony was the shackles of youth
お前は言った アイロニーは若者を縛りつける鎖だって
You wore a shirt of violent green, uh-huh
お前は毒々しい緑のシャツを着ていた ああ
I never understood the frequency, uh-huh
俺には周波数なんてわからなかった ああ
“What’s the frequency, Kenneth?” is your Benzedrine, uh-huh
「周波数は何だ?ケネス」それがお前のベンゼドリンなんだな ああ
Butterfly decal, rear-view mirror, dogging the scene
蝶のステッカーを貼ったバックミラーで、シーンを追い回す
You smile like the cartoon, tooth for a tooth
漫画みたいに笑い やられたらやり返す
You said that irony was the shackles of youth
お前は言った アイロニーは若者を縛りつける鎖だって
You wore a shirt of violent green, uh-huh
お前は毒々しい緑のシャツを着ていた ああ
I never understood the frequency, uh-huh
俺には周波数なんてわからなかった ああ
You wore our expectations like an armored suit, uh-huh
お前は俺たちの期待を鎧みたいに身にまとっていた ああ
I couldn’t understand
俺には理解できなかった
You said that irony was the shackles of youth, uh-huh
お前は言った アイロニーは若者を縛りつける鎖だって ああ
I couldn’t understand
俺には理解できなかった
You wore a shirt of violent green, uh-huh
お前は毒々しい緑のシャツを着ていた ああ
I couldn’t understand
俺には理解できなかった
I never understood, don’t fuck with me, uh-huh
俺には全然理解できなかった ふざけるなよ ああ
曲情報
「What’s the Frequency, Kenneth?(ホワッツ・ザ・フリクエンシー、ケネス?)」は、アメリカのオルタナティヴ・ロックバンド、R.E.M.が1994年に発表した9作目のスタジオアルバム『Monster』に収録された楽曲である。曲名は1986年にニューヨークでジャーナリストのダン・ラザーが見知らぬ2人組に襲撃され、その際に「ケネス、周波数は?」と繰り返し叫ばれた事件に由来している。
シングルは1994年9月5日にワーナー・ブラザースからリリースされ、全米Billboard Hot 100で最高21位を記録。Billboard Modern Rock Tracksチャートでは史上初の初登場1位を獲得した。カナダで2位、ニュージーランドで4位、全英シングルチャートで9位、アイスランドでは4週連続1位を記録するなど、国際的にも成功を収めた。MVはピーター・ケアが監督し、カラフルな点滅ライトの下で演奏するバンドを描いている。
この曲はベスト盤『In Time: The Best of R.E.M. 1988–2003』(2003年)や『Part Lies, Part Heart, Part Truth, Part Garbage 1982–2011』(2011年)にも収録された唯一の『Monster』収録曲であり、ライヴでも人気が高く、2008年のAccelerateツアーでは毎回演奏された。
制作背景
R.E.M.は1993年8月に『Monster』の制作を開始し、10月にニューオーリンズのKingsway Studioで本曲をレコーディングした。マイケル・スタイプは歌詞を「現代メディアに翻弄されるX世代を理解しようとする年長批評家」というキャラクター視点で書いたと説明している。ギタリストのピーター・バックによれば、曲の終盤でテンポが落ちるのはベーシストのマイク・ミルズが虫垂炎に襲われたためで、そのまま録り直されなかったという。
発表後
本曲は1994年11月12日、『サタデー・ナイト・ライヴ』でテレビ初披露され、その後「Bang and Blame」「I Don’t Sleep, I Dream」と共に演奏された。1995年6月22日にはマディソン・スクエア・ガーデンでのリハーサルにダン・ラザー本人が登場し、その映像が翌日の『レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン』で放送された。
評価
批評家からは総じて好意的に受け止められた。『Cash Box』は「クラシックなギターロックをアップデートした爆発的なオープニング」と評し、『Melody Maker』は「軽快で陽気な1曲で、サイケデリックな逆再生ギターソロが輝く」と絶賛した。『Music & Media』は「R.E.M.が過去のアコースティック路線を破り、ヘヴィなMonsterサウンドを提示した」と述べた。『Rolling Stone』のポール・エヴァンスは「R.E.M.で最もタフなシングル」と評している。
ミュージックビデオ
MVは1994年8月にハリウッドで撮影され、監督はピーター・ケア。スタイプは当初おとなしく歌うが、サビで踊り出す姿が描かれる。ピーター・バックはカート・コバーンの死後、コートニー・ラヴから贈られたジャグスタングを逆さにして演奏している。スタイプの剃髪姿、マイク・ミルズの長髪とヌーディスーツ姿は1995年のワールドツアーでも大きな話題となった。映像で使用されたスーツはグラム・パーソンズが所有していたものである。
このMVはベスト盤DVD『In View: The Best of R.E.M. 1988–2003』にも収録されている。
歌詞の意味
ダン・ラザー襲撃事件
事件の概要
- 日時:1986年10月4日
- 場所:ニューヨーク、パークアベニュー
- 被害者:CBSニュースのアンカーマン、ダン・ラザー
- 内容:ラザーが自宅に歩いて帰る途中、背後から男に殴られ「Kenneth, what is the frequency?(ケネス、周波数は何だ?)」と何度も繰り返し叫ばれた。もう一人の共犯者も加わり暴行を受けた。
ラザー本人は「わけがわからない、誰がなぜやったのか全然心当たりがない」と後に語っている。
その後の文化的影響
- この奇妙なフレーズが一種の流行語・ポップカルチャーの引用になった。
- 1994年にはR.E.M.がこの事件をモチーフにした曲 「What’s the Frequency, Kenneth?」 をリリース。
- コミックや小説などでもこの言葉が引用された。
- 事件を皮肉る形でラザー自身が、後にR.E.M.と一緒にステージで歌ったこともある。
犯人の特定
- 1997年、ウィリアム・テイガー(William Tager) が犯人と特定。
- 彼は1994年にNBCの舞台係を射殺し、逮捕・有罪判決を受けたことで明らかになった。
- テイガーは「テレビ局が脳に電波を送り込んでいる」と信じ込んでおり、その周波数(frequency)を突き止めて遮断しようとしたと供述した。
- 2010年に仮釈放されている。
ベンゼドリンとは?
ベンゼドリンとは、アンフェタミン硫酸塩を成分とする商品名で、1930年代に鼻づまり用吸入器として発売され、その後は覚醒剤的作用から乱用が広まり規制された薬である。
トンネル・ビジョンとは?
トンネル・ビジョンとは、視野が狭まり中心しか見えなくなる状態を指し、比喩的には一つのことに囚われて他が見えなくなる心の偏りを意味する。