【曲解説】Red Hot Chili Peppers – Parallel Universe

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曲情報

「パラレル・ユニバース」は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの1999年のアルバム『カリフォルニケーション』からのラジオ・プロモーション・シングルであり、アルバムからの6枚目かつ最後のシングルとして2001年にリリースされた(CDシングルとしては発売されなかった)。

歌詞の意味

この曲は、現実と非現実の境界があいまいになった“平行世界”を漂うような、幻想的でサイケデリックなイメージに満ちている。水中のように思考が自由に呼吸し、星や宇宙が人の心の中に縮尺を変えて存在している――そんな比喩を重ねながら、世界そのものが歪んで見える感覚を描いている。

「サイドワインダー」「カリフォルニア・キング」と言った象徴的な言葉は、自分が広大で奇妙な世界の一部であり、同時にその全体を包んでいるような、相反する自己イメージを表しているようにも響く。「それはどこにでもあって、すべてなんだ」というリフレインは、世界の混沌も愛も痛みも、すべてがひとつに溶け合う感覚を示す。

心の中で生じる“サイキック・チェンジ(心理的変化)”や“緊張の崩壊”は、他者との共感や共有された孤独によって癒されていくものとして描かれ、「その歌が聴こえたら、私はあなたとともにいる」という穏やかなフレーズが象徴するように、混乱の中で寄り添う存在への静かな愛が感じられる。

全体として、宇宙や海のメタファーを通して、内面的な変化・孤独・つながりを描く、夢のように浮遊感のある詩世界になっている。

サイドワインダーとは?カリフォルニアキングとは?

サイドワインダーはアメリカ西部に生息するヨコバイガラガラヘビ(Crotalus cerastes)の俗称。このヘビはまっすぐ進めず、横に滑るように移動することからこの名がつけられた。そこから転じて、正道を歩むことができない人間、社会の規範に従わない人間、信用できない危険人物を指して使われる。

カリフォルニアキングもアメリカ西部に生息するカリフォルニアキングスネーク(Lampropeltis californiae)のことだと思われる。

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