【曲解説】The Police – King Of Pain

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曲情報

「キング・オブ・ペイン」は、イギリスのロックバンド、ポリスの曲で、彼らの5枚目にして最後のスタジオアルバム『シンクロニシティ』(1983年)からの2枚目のシングルとしてリリースされた。バンドのリードシンガー兼ベーシストのスティングが、妻との別居後に書いた曲で、「キング・オブ・ペイン」は痛みの象徴を思い起こさせ、それを男性の魂と関連付けている。A&Mレコードは「キング・オブ・ペイン」をイギリスではアルバムの4枚目のシングルとしてリリースしたが、他の多くの国では2枚目のシングルとしてリリースされた。

この曲は音楽評論家から絶賛され、その多くがスティングの歌詞を賞賛し、この曲を『シンクロニシティ』のハイライトとして挙げた。この曲は1983年10月に米国のビルボード・ホット100チャートで第3位に達し、 1983年8月にはビルボード・トップ・トラック・チャートで5週間第1位を獲得した。イギリスでは1984年1月に第17位に達し、バンド最後のイギリス・トップ20ヒットとなった。

歌詞の意味

この曲は語り手が自らの痛みや孤独を自然界の異様で不吉なイメージに重ね合わせて語る構成になっている。繰り返し提示される黒い染みや壊れた生き物の姿は、語り手の内面に沈殿する絶望や停滞の象徴として扱われ、世界が同じ苦悩を反復しているように感じられる心情が強調される。雨の中で立ち尽くす自己像は、終わらない苦しみの循環に閉じ込められた状態を示し、外部の誰かがその支配を終わらせてくれることへの期待と、結局は自分が痛みを背負い続ける運命であるという諦念が共存する。

動物、化石、自然現象などの断片的な映像は、逃れられない喪失や損壊の象徴として積み重ねられ、語り手が自らを世界の様々な悲劇的断片に投影している構造が明確になる。王、盲目の人物、飢えた骸骨といった比喩は、権力や富すら無力化する痛みの普遍性を示し、語り手が抱える孤独の深さを際立たせる。

全体として、自己の苦悩を広大な世界の象徴へ拡張し、痛みが自らの不可避な本質であるという認識を詩的に表現した作品になっている。

「spring tide」の別名

歌詞に登場する「spring tide」(大潮)は一般に「King Tide」としても知られ、新月と満月のときに潮の満ち引きによる水位の差が大きい状態のことを言う。

その他の映像

レディ・ガガと共演したバージョン

オフィシャル・ミュージック・ビデオ(ライブバージョン)

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