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曲情報
Bon Jovi(ボン・ジョヴィ)の楽曲「Always(オールウェイズ)」は、1994年9月にマーキュリー・レコードよりリリースされたパワー・バラードであり、バンド初の公式ベストアルバム『Cross Road』からのシングルである。本曲は全米で100万枚、世界中で300万枚以上を売り上げ、バンドにとって最も売れたシングルの一つとなった。
アメリカではBillboard Hot 100で4位を記録し、ボン・ジョヴィにとって通算11曲目、そして最後のトップ10ヒットとなった。ベルギー、カナダ、アイルランド、スイスでは1位、オーストラリアとイギリスでは2位、ドイツでは4位を記録するなど、世界的なヒットとなった。ミュージックビデオはマーティ・コールナーが監督を務めた。「Always」はベーシストのアレック・ジョン・サッチが脱退する直前に参加した最後のシングルでもある。
楽曲の起源
「Always」は元々、1993年の映画『ロミオ・イズ・ブリーディング』のサウンドトラック用にジョン・ボン・ジョヴィが書き下ろした楽曲である。主演はゲイリー・オールドマンで、堕落した警官かつマフィアの手先という役柄だったが、映画は批評・興行ともに失敗に終わった。ジョン・ボン・ジョヴィは試写会を観たうえで「脚本は素晴らしかったが、映画はダメだった」と述べ、楽曲を提供しないことを決めた。
その後、楽曲は棚上げにされたままだったが、友人でA&R担当のジョン・カロドナーが発見し、再録音してリリースするよう説得したことで、日の目を見ることとなった。
評価
『Billboard』誌のラリー・フリックは「リッチー・サンボラのクリアなギターワークと、ジョン・ボン・ジョヴィの親しみあるラズ声が生む心地よい曲」と評し、マイケル・ケイメンによる豪華なオーケストレーションと緩急のある展開によって「バンド史上最も興味深い楽曲のひとつ」と評価した。
『Music Week』のアラン・ジョーンズは5点満点中4点をつけ、「弦楽器とピアノがグループのサウンドを豊かにし、ジョン・ボン・ジョヴィのリードも力強くスタイリッシュ」と述べ、「ブリッジがやや弱いのが惜しいが、『Top of the Pops』への出演も決まっておりヒットは確実」として「Pick of the Week」に選出した。
一方、『NME』のトミー・ウドは「これはまさに“ソフティ・ロック”だ」とし、「高音で力を込めて歌う感情的なバラードで、ブライアン・アダムスと双璧をなす」と評しつつも、「ケビン・コスナー主演の駄作映画のテーマ曲のようだ」と皮肉った。同誌の別の編集者ポール・ムーディも「この曲はあまりにブライアン・アダムスっぽくて、迷子になるたびに彼の家の玄関にたどり着く」とユーモラスに批評。『Spin』誌のジョナサン・バーンスタインは「カラオケ版ブライアン・アダムス」と断じた。
ミュージックビデオ
楽曲のミュージックビデオは、アメリカのテレビディレクターであるマーティ・コールナーが監督を務めた。ジャック・ノーズワージー、カーラ・グジーノ、ジェイソン・ワイルズ、ケリ・ラッセルが出演している。別バージョンとして、バンドのみが演奏する映像も存在する。
オリジナルバージョンのビデオは、2024年3月にYouTubeで再生回数10億回を突破し、バンドとしては3作目の10億超え動画となった。
歌詞の意味
この曲は失われた愛を前にしてもなお消えない想いを、永遠の誓いとして叫ぶように描いたラブバラード。強がり続けてきた主人公が、恋人を失った瞬間に心の支えをすべてなくし、どれほど時間が経っても忘れられない痛みと渇望に沈んでいく姿が中心にある。
写真や思い出に触れるたび、共に笑い泣きした日々が胸を締めつけ、取り返しのつかない過ちと後悔に押しつぶされそうになりながらも、それでも「ずっと愛している」と誓わずにはいられない。
彼女のそばに別の誰かがいる現実を受け入れられないまま、願わくばもう一度だけチャンスが欲しいと祈り、たとえ命を差し出すとしても失った愛を取り戻したいという切実な気持ちが溢れ出す。
結局この曲は、終わった恋を諦められない弱さと、それでも最後の瞬間まで相手を想い続ける強さの両方を抱えた、純粋で痛切な永遠の愛の告白。


