【曲解説】Boyz II Men – On Bended Knee

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曲情報

「On Bended Knee」(オン・ベンデッド・ニー)は、アメリカのR&BグループBoyz II MenがMotownレーベルからリリースした楽曲である。ジミー・ジャム&テリー・ルイスによって作詞作曲およびプロデュースされ、1994年11月にアルバム『II』のセカンドシングルとして発表された。この曲はBillboard Hot 100 Airplayチャートで1位、Billboard Hot Singles Salesチャートで2位を記録し、1994年12月3日にはBillboard Hot 100で1位を獲得、合計6週にわたりトップの座を維持した。

このシングルは、Boyz II Menの前作「I’ll Make Love to You」に代わってBillboard Hot 100の1位を獲得した点で特筆すべきである。これは、ザ・ビートルズ以来、同じアーティストが自身の楽曲で1位を置き換えた初のケースとなった。歌詞では、主人公が「跪いて(On Bended Knee)」元恋人に復縁を懇願し、過ちを謝罪する内容となっている。

作曲

「On Bended Knee」の楽譜によると、この楽曲はテンポ60BPMのスローバラードである。イントロは変イ長調(A♭メジャー)で始まり、大部分は変ホ長調(E♭メジャー)で進行するが、サードコーラスではホ長調(Eメジャー)、ファイナルコーラスではヘ長調(Fメジャー)、アウトロでは変ロ長調(B♭メジャー)へと転調する。

評価

New Sunday Timesのジェラルド・マルティネスは、「On Bended Knee」と「I’ll Make Love to You」について「『End of the Road』の魔法を再現しようとしており、その試みは成功に近い」と評価した。また、Rolling Stoneのポール・エヴァンスは、「Boyz II Menのコアファンが求める、豊かなスウーン&クルーンのバラード」と評した。

ミュージックビデオ

「On Bended Knee」のミュージックビデオは、ライオネル・C・マーティンによって監督され、グループメンバーと4人の著名な女優が出演している。出演者にはキム・フィールズ、レネ・ジョーンズ、ラーク・ヴーヒーズ、ビクトリア・ロウェルが名を連ねている。撮影はルイジアナ州ニューオーリンズで行われ、オードゥボン・パーク、市電、フレンチ・クォーターの風景が映し出されている。

あらすじ

ビデオは、ワンヤ・モリスの恋人(ヴーヒーズ)が、彼がスーパーで他の女性を見たと非難し、車を降りて去るシーンから始まる。彼は最終的に彼女を探し出し、観客席で座っている彼女と仲直りする。ショーン・ストックマンは、公園で犬を連れた女性(ロウェル)と出会い、一目惚れする。マイケル・マッケリーは、誕生日に恋人(ジョーンズ)と口論し、一人で彼女の絵を描いているが、彼女が戻ってくる。ネイサン・モリスは、音楽制作に没頭しすぎて恋人(フィールズ)との時間を疎かにしてしまい、彼女は鏡に別れのメモを残して去るが、最終的には彼の元に戻る。ビデオの中でグループは地下鉄や雨の中で歌う場面も含まれている。

歌詞の意味

この曲は愛が崩れてしまった理由を見つけられないまま、ただ相手に戻ってきてほしいとひざまずいて懇願する切実な想いを描いている。かつて強く結ばれていたはずの関係がどこで狂ってしまったのか自分でも分からず、胸を締めつける後悔に押しつぶされながら、もう一度だけやり直す機会を願い続けている。
ひとりになった夜には相手を夢に見て、目覚めるたびに現実の孤独を突きつけられ、時間のすべてが永遠のように感じられる。過ちを認め、誇りを捨て、責任を背負い、相手との新しい未来をつくりたいと必死に訴える声には、愛を失った人間の弱さと純粋さがそのまま滲む。
結局この曲は、壊れた関係を諦められない心が、どれほど深く後悔し、どれほど強く愛を求めているのかをまっすぐに歌った、喪失と祈りのバラード。

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