【曲解説】Boyz II Men – Water Runs Dry

動画

ミュージックビデオ

オーディオ

曲情報

「Water Runs Dry」(ウォーター・ランズ・ドライ)は、アメリカのボーカルハーモニーグループ、Boyz II Menの楽曲であり、ベイビーフェイスによって作詞作曲およびプロデュースされた。アルバム『II』からの4枚目のシングルとしてリリースされ、Billboard Hot 100では最高2位、カナダでは最高4位を記録した。また、このシングルには、同じアルバムに収録された「I’ll Make Love to You」の別バージョンが収録されている。さらに、スペイン語バージョン「No dejemos que muera el amor」も録音され、US Latin Pop Airplayチャートで最高10位を獲得した。

ミュージックビデオ

2019年のレコーディング・アカデミーのインタビューにおいて、Boyz II Menのメンバー、ネイサン・モリスは、この楽曲のミュージックビデオがグループの歴代のビデオの中でもお気に入りの一つであると語った。ビデオはウェイン・イシャムが監督を務め、ニューメキシコ州のホワイトサンズ国立公園で撮影された。

評価

Essence誌は、1995年のミュージックビデオを振り返る記事で、「白一色のセットが多用されているが、これはまるでEssenceフェスティバルのようだ」とジョークを交えつつ、「90年代らしさに満ちたビデオ」と評した。ポップカルチャーサイトVultureは、このビデオでBoyz II Menが着用した衣装を、彼らのキャリアの中でも特に統一感のあるファッションの一つとして取り上げ、「彼らの音楽と同じように、衣装も調和している」とコメントした。

このミュージックビデオは、1995年のMTVビデオ・ミュージック・アワードにおいて、最優秀撮影賞および最優秀R&Bビデオ賞にノミネートされたが、受賞には至らなかった。また、1996年のソウル・トレイン・ミュージック・アワードでは最優秀R&B/ソウル・シングル(グループ、バンドまたはデュオ部門)にノミネートされたが、TLCの「Waterfalls」に敗れた。

ライブパフォーマンス

Boyz II Menは、1995年のMTVムービー・アワードにおいて「Water Runs Dry」のアコースティックバージョンを披露した。また、同年7月から8月にかけて開催された「バドワイザー・スーパーフェスト」コンサートツアーで、本楽曲をセットリストに加え、各公演で披露した。

2018年には、ブルーノ・マーズの「24K Magic World Tour」北米第2レグ(9月~10月の5公演)でオープニングアクトを務め、その際にもこの楽曲を披露した。

歌詞の意味

この曲は、関係が冷え切った状態にありながら、それでもまだ修復の可能性が残っていると語り手が信じ、手遅れになる前に向き合おうと呼びかける内容になっている。会話が途絶え、愛情表現も禁じられたような空気が漂うなかで、互いに痛みを抱えている事実を否認し続けてきたことが関係悪化の核心として示される。外側からは涙が見えるほど壊れているにもかかわらず、それを正面から扱わない姿勢が、関係をさらに傷つけているという認識が語られている。

水が枯れるという比喩は、愛情やつながりが完全に失われる時点を指し、その前に取り戻す努力をしなければ一生の後悔につながるという警告として機能する。語り手は愛を遠ざけてしまう理由を問い直し、変わることの難しさを認めながらも、それでも避けられない破局に向かう前に行動を起こすべきだと強調する。

全体として、関係の崩壊を目前にしながら、それでもまだ向き合えると信じる語り手の切迫感と希望が、静かで真摯な言葉として積み重ねられている。

water runs dry とは?

water runs dry とは、直訳すると「水が枯れる」という意味になるが、恋愛や人間関係の文脈においては、比喩的に「愛が枯れる」「関係が終わる」といった意味で使われることがある。

error: Content is protected !!