動画

The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars
David Bowie
- Five Years
- Soul Love
- Moonage Daydream
- Starman
- It Ain’t Easy
- Lady Stardust
曲情報
「Starman」(スターマン)は、イギリスのミュージシャン、デヴィッド・ボウイによる楽曲である。1972年4月28日にRCAレコードからシングルとしてリリースされ、同年のアルバム『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)』のリードシングルとして収録された。ケン・スコットとの共同プロデュースにより、1972年2月4日にロンドンのトライデント・スタジオで録音された。バックバンドのスパイダーズ・フロム・マーズ(ミック・ロンソン、トレヴァー・ボルダー、ミック・ウッドマンジー)とともに制作され、本曲はレコード会社RCAの要望に応える形でアルバムに急遽追加された。元々収録される予定だったチャック・ベリーのカバー「Round and Round」に代わって収録された。歌詞では、異星人「スターマン」が地球の若者に向けてラジオを通して希望のメッセージを届ける様子が描かれている。サビ部分はジュディ・ガーランドが歌った「Over the Rainbow」から着想を得ており、T・レックスやザ・スプリームスからの影響も見られる。
リリース当初、「Starman」は好調な売れ行きを示し、批評家からも好意的に受け入れられた。BBCのテレビ番組『Top of the Pops』でのパフォーマンスをきっかけにUKシングルチャートで10位に到達し、アルバムも5位にランクインした。この曲は、1969年の「Space Oddity」以来となるボウイの大きなヒット曲となった。『Top of the Pops』での演奏は大きな話題となり、視聴者の多くは後に音楽界で活躍することになる。スージー・スー、ボノ、ロバート・スミス、ボーイ・ジョージ、モリッシーらがその影響を公言している。後年には、ボウイの代表曲のひとつとして広く評価されている。
歌詞
歌詞は、異星人「スターマン」が地球の若者にラジオを通して救済のメッセージを届けるという物語であり、語り手はそのラジオを実際に聴いた若者の一人という設定である。この曲はキリストの再臨を示唆するものとして解釈されることもあれば、映画『未知との遭遇』(1977年)のプロットを正確に予言しているとする見方もある。
アルバム収録曲「Moonage Daydream」と同様に、アメリカ的なスラングが多数使われており、「boogie」「Hey, that’s far out」「Don’t tell your papa」「Some cat was layin’ down some rock ‘n’ roll」などがある。これらの語彙はイギリス的感性と混ざり合い、異質ながらも美しいハイブリッドな言語表現を生み出している。
1973年に『Rolling Stone』誌でウィリアム・バロウズと語ったインタビューの中で、ボウイは歌詞について次のように語っている。
「ジギーは夢の中で“インフィニット(infinites)”と呼ばれる存在から、スターマンの到来を予言するよう助言を受け、『Starman』を書く。それは人々が初めて耳にする希望のニュースであり、瞬く間に注目を集める。スターマンたちは“インフィニット”で、ブラックホール・ジャンプを行う存在だ。彼らはジギーが語っていた、地球を救いにやってくる宇宙人で、グリニッジ・ヴィレッジに現れる。彼らは何の心配も持たず、我々にとって役に立つ存在ではない。ただ偶然ブラックホールをジャンプして我々の宇宙に現れた旅人なのだ。彼らの存在目的は、宇宙間を旅することだけ。ステージショーでは、彼らのうち1人はマーロン・ブランドのような姿をし、もう1人は黒人ニューヨーカー、そして“クイーニー・ジ・インフィニット・フォックス”という名のキャラクターも登場する」
ニコラス・ペッグによれば、「ブラックホール・ジャンプ」という設定は、BBCのSFドラマ『Doctor Who』の10周年記念エピソード「The Three Doctors」と類似しており、この回は1973年初頭に放送された。この時期、ボウイは次作『Aladdin Sane』の録音を行っていた。
歌詞の意味
この曲は、偶然に宇宙からの信号を受け取った語り手が、その不思議な体験に胸を躍らせながら、世界に広がっていく希望と解放の感覚を描いている。日常の中で何気なく耳にした音が次第に異質な輝きを帯び、やがて地球の外にいる存在からのメッセージだと気付く瞬間には、恐れよりもワクワク感があふれている。
空の向こうで待っている存在は、人類を驚かせすぎてしまうことを恐れつつも、地上の未来を信じ、特に若い世代が自由に創造し、解き放たれることを願っている。語り手はその言葉に強く打たれ、友人とその秘密を共有しながら、夜空の光に目を凝らして彼の訪れを待ち望む。
家庭の規範や大人の恐れに縛られた世界から一歩抜け出し、子どもたちが想像力と歓喜を存分に発揮できる場を信じるメッセージが、曲全体にやさしく広がっている。宇宙からの存在は、恐怖ではなく希望の象徴として描かれ、夢見ることを忘れない心こそが未来を照らすという物語になっている。
その他の動画
ライブアルバム『Glastonbury 2000』(グラストンベリー 2000)にも収録されているバージョン


