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曲情報
「Symmetry」(シンメトリー)は、イギリスのシンガーソングライター、Ed Sheeran(エド・シーラン)の曲。この曲は、エド・シーランの第7作目のスタジオ・アルバム『Play』の収録曲として2025年9月12日にリリースされた。
歌詞の意味
この曲は「対になるふたりが、夜の中で完全にシンクロしていく瞬間」を描いた作品で、タイトルの“Symmetry(対称/調和)”が象徴しているのは、肉体的な親密さよりも“存在同士の一致”に近い、深い一体感のイメージ。インド語の反復フレーズが挟まれることで、理性や言語よりも“感覚”が前面に出た陶酔感が強調されている。
曲全体の中心にあるのは「夜が終わるまで時間を忘れ、ふたりが同じ形・同じ軌跡になる」という感覚。特定の出来事を語るというより、視線、触れ方、呼吸の速さ、感情の高まりといった“抽象的で身体的な動き”がモチーフになっていて、色や炎、影のような比喩が多用されるのは、理屈では説明できない魅了状態を描くため。
「絵画を描く」というモチーフは、ふたりで作り上げる形=Symmetry を象徴している。横顔にも見えるキャンドルの炎、二人の輪郭、陰影の重なりなど、ふたりの存在がひとつの形になる様子を暗示している。輪郭が曖昧になり、相手と自分の境界が溶けていくような心理的合一のイメージが核にある。
夜の時間が止まったような描写は、現実のルールや制御が外れ、“コントロールを殺す”ことで得られる解放・陶酔を表している。Symmetry は「似ている」という意味ではなく、むしろ「あなたと私が一致する瞬間」のメタファーであり、身体的にも感情的にも“ちょうど重なる軌道”を示す言葉として機能している。
ブリッジの反復は、トランス的な没入感を高めるための音楽的演出で、天井を押し上げるという表現は、密室的な空気から感情の爆発へ向かっていく高揚を抽象化している。
全体としてこの曲は、出会いの物語ではなく「完全に二人が同期する一夜の感覚」を美術的・感覚的な比喩で描いた作品。身体的接触や夜の空気を利用しつつ、「対称になる=心が同じ方向を向くこと」というテーマを、抽象的で官能的なイメージとして表現している。
シンメトリーとは?
「シンメトリー(Symmetry)」という言葉には、数学・美術・自然科学などで使われる 「対称」「均整」「釣り合い」 の意味がある。
この曲の文脈でいう「Symmetry」は、単なる形の対称性ではなく、二人の心や身体が互いに重なり合って一体になることを表していると解釈できる。
- 「二人のシルエットが触れ合う」
- 「心を重ね合わせる」
- 「キャンドルスタンドにも二つの顔にも見える絵を描く」
といった表現は、まさに「左右対称」のように、二人でひとつの完全な形をつくる ことを描いている。

