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オーディオ
エド・サリヴァン・ショーでのパフォーマンス
曲情報
「I’m Henery the Eighth, I Am」(「I’m Henery the VIII, I Am」「I’m Henry VIII, I Am」とも表記される、邦題:ヘンリー8世君)は、1910年にフレッド・マリーとR. P. ウェストンによって書かれたイギリスのミュージックホールの楽曲であり、イギリスのミュージックホールのスター、ハリー・チャンピオンの代表曲であった。「Henery」と綴られるが、コックニー訛りでは「’Enery」と発音される。
1965年にはハーマンズ・ハーミッツによってリバイバルされ、当時史上最速の売り上げを記録し、全米ビルボード・ホット100でザ・ローリング・ストーンズの「(I Can’t Get No)Satisfaction」を退けて1位を獲得した。これはバンドにとって2枚目の全米1位シングルとなったが、イギリスではシングルとしてリリースされなかった。ハーマンズ・ハーミッツ版は非常に短く、全米で1位を記録した曲としては最も短いものの一つとなっている。
ハーマンズ・ハーミッツ版
ロックンロール調にアレンジされたこの曲は、1965年にハーマンズ・ハーミッツにとって2枚目の全米1位ヒットとなった。ブラウン版と同様にオリジナルの3つのヴァースは省略され、サビだけで構成されているため、曲の長さはわずか1分50秒で、ビルボードシングルチャートで1位を獲得した曲としては最短級である。その短く速い演奏スタイルはギターとベースがプロトパンクと評され、ラモーンズに直接的な影響を与えた。実際、ラモーンズの「Judy Is A Punk」には「Second verse, same as the first」というフレーズが登場するが、これはハーマンズ版を引用したものである。リードギタリストのデレク・レッケンビーによるブレイクの高速ギタープレイはチャック・ベリー(例:「Johnny B. Goode」)を想起させ、その後印象的にメロディを引用する。『ビルボード』はこの曲を「強力なダンスビートとボーカルパフォーマンス」と称賛した。
この曲は『Hullabaloo』や『エド・サリヴァン・ショー』でも演奏された。また『The Jimmy Dean Show』第3シーズン初回では、ジミー・ディーンとジム・ヘンソンのキャラクター、ロルフ・ザ・ドッグがかつらをかぶって共演し、サリヴァン出演から3か月後に披露された。
歌詞の意味
この曲は、何度も同じタイプの男性と結婚してきた未亡人の“八番目の夫”になった主人公が、その境遇を愉快に歌い上げるコミカルな内容になっている。主人公の名前が以前の夫たちと同じであることを強調しつつ、自分が選ばれたのは偶然ではなく「彼女は別の名前の男は選ばない」というおもしろいこだわりを茶化すように語っていく。
曲の魅力は、軽快でクセのある語り口と、同じフレーズを何度も繰り返す陽気なノリにある。物語自体は単純だが、その単純さが逆に笑いを誘い、主人公の得意げな様子や開き直った明るさが際立つ。
全体として、ユーモアと勢いを楽しむための陽気なミュージックホール風ナンバーで、主人公の自虐と誇りが絶妙に混ざった、軽やかでくすっと笑える曲になっている。


