動画
ミュージックビデオ(3:55)
オーディオ(5:42)
歌詞&翻訳
以下の歌詞と和訳はオーディオの歌詞構成に基づいています。
Ooh he-heh, aw
What we’re livin’ in?
俺たちが生きてるこの世界は何なんだ?
Let me tell ya
話してやろう
Yeah, it’s a wonder man can eat at all
ああ、まったく、人間がまともに食っていけてるだけでも不思議だよ
When things are big that should be small
取るに足らないはずのものが大きな問題になってしまってる
Who can tell what magic spells we’ll be doin’ for us?
俺たちにどんな呪文がかけられてるのか誰がわかる?
And I’m givin’ all my love to this world
俺はこの世界にすべての愛を注いできた
Only to be told
なのに返ってくるのは
I can’t see, I can’t breathe
「見えない」「息もできない」
No more will we be
「もう俺たちは終わりだ」って言葉だけ
And nothin’s going to change the way we live
それに俺たちの生き方も全然変わらない
‘Cause we can always take, but never give
いつだって奪うばかりで、与えることをしないからさ
And now that things are changing for the worse, see
しかも今や物事は悪い方向へ変わっていってる
Woah, it’s a crazy world we’re livin’ in
狂った世界に生きてるんだ
And I just can’t see that half of us immersed in sin
信じられないよ 人類の半分が罪に沈んでるなんて
Is all we have to give these
それが俺たちの差し出せる唯一のものだって?
Futures made of virtual insanity
未来はヴァーチャルな狂気でできてる
Now always seem to be governed by this love we have
そして今やその未来は、俺たちが持つこの愛によって常に支配されてるように思える
For useless twisting of our new technology
新しいテクノロジーを無意味にねじ曲げて使うことへの愛に
Oh, now there is no sound
ああ、もう音なんて存在しない
For we all live underground
だって俺たちみんな、地下に生きてるから
And I’m thinkin’, what a mess we’re in
思うんだ、俺たちはなんてひどい有様なんだろうって
Hard to know where to begin
どこから手をつければいいのかわからないよ
If I could slip the sickly ties that earthly man has made
人間が作り出した病んだ絆を断ち切れたらいいのに
And now every mother can choose the colour
Of her child
今や母親は子どもの肌の色まで選べるんだ
That’s not nature’s way
そんなの自然のやり方じゃないって
Well, that’s what they said yesterday
昨日まではそう言われていたのに
There’s nothin’ left to do but pray
もう残された選択肢は祈ることだけ
I think it’s time to find a new religion
新しい宗教を見つける時なんじゃないかって思うよ
Whoa, it’s so insane
ああ、まったく狂気の沙汰だ
To synthesize another strain
別の種を合成するなんて
There’s something in these futures that we have to be told
このままだととんでもない未来が待ってる そのことを誰かが警告すべきなんだ
Futures made of virtual insanity
未来はヴァーチャルな狂気でできてる
Now always seem to be governed by this love we have
そして今やその未来は、俺たちが持つこの愛によって常に支配されてるように思える
For useless twisting of our new technology
新しいテクノロジーを無意味にねじ曲げて使うことへの愛に
Oh, now there is no sound
ああ、もう音なんて存在しない
For we all live underground, whoa!
だって俺たちみんな、地下に生きてるから
Now there is no sound
もう音なんて存在しない
If we all live underground
もし俺たちが地下に生き続けるなら
And now it’s virtual insanity
そして今やそれは「ヴァーチャル・インサニティ」だ
Forget your virtual reality
「ヴァーチャル・リアリティ」なんて忘れろ
Oh, there’s nothin’ so bad
最悪なのは
As a man-made’ man
「人間が作り出した人間」だ
Oh yeah, I know, yeah (take it to the dance floor)
ああ、わかってるんだ(さあ、このビートをダンスフロアへ持っていけ)
I know I can’t go on
わかってる 俺はもうやっていけない
Of this virtual insanity we’re living in
こんな「ヴァーチャル・インサニティ」の中で生きてるなんて
Has got to change, yeah
変わらなきゃいけないんだ
Things will never be the same
何もかも同じままじゃいられないから
And I can’t go on
俺はもうやっていけない
Where we’re living in
こんな世界で生きてるなんて
Oh, oh, virtual insanity
ああ、ああ、ヴァーチャル・インサニティ
Oh, this world
ああ、こんな世界は
Has got to change
変わらなきゃいけないんだ
‘Cause I just
だって俺は
I just can’t keep going on in this virtual, virtual insanity
もう、この「ヴァーチャル・インサニティ」の中で生き続けることなんてできないから
That we’re living in, that we’re living in
けれど俺たちはまさにその中で生きてるんだ
And that virtual insanity is what is, yeah
そう、この「ヴァーチャル・インサニティ」こそが現実なんだ
Oooooooh…
ウーーー…
Futures made of virtual insanity
未来はヴァーチャルな狂気でできてる
Now always seem to be governed by this love we have
そして今やその未来は、俺たちが持つこの愛によって常に支配されてるように思える
For useless twisting of our new technology
新しいテクノロジーを無意味にねじ曲げて使うことへの愛に
Oh, now there is no sound
ああ、もう音なんて存在しない
For we all live underground
だって俺たちみんな、地下に生きてるから
Oh, futures made of, now, virtual insanity
未来はヴァーチャルな狂気でできてる
Now we all, we seem to be governed by a love
そして今やその未来は、俺たちが持つこの愛によって常に支配されてるように思える
For these useless twisting of our new technology
新しいテクノロジーを無意味にねじ曲げて使うことへの愛に
And now there is no sound, for we all live underground
ああ、もう音なんて存在しない だって俺たちみんな、地下に生きてるから
Yes, we do, oh
そう、俺たちみんなさ
Oh, now this life that we live in
ああ、ほら、俺たちが生きてるこの人生は
(Virtual insanity)
(ヴァーチャル・インサニティ)
It’s all goin’ wrong
すべてが狂っていて
Out of window (living in), you know
虚しく窓の外へ消え去っていく、わかるだろ
There is nothing worse than a meddling man
いじくり回す人間ほどタチの悪いものはない
(Virtual insanity)
(ヴァーチャル・インサニティ)
There is nothing worse than (living in) a foolish man
愚かな人間と一緒に生きることほど最悪なことはない
(Virtual insanity) Hey!
(ヴァーチャル・インサニティ)ヘイ!
Virtual insanity is what we’re livin’ in, yeah
俺たちが生きてるのは「ヴァーチャル・インサニティ」なんだ
Well…it’s alright
まあ…いいか
曲情報
「Virtual Insanity」(ヴァーチャル・インサニティ)は、イギリスのファンク/アシッドジャズバンド、ジャミロクワイの楽曲。1996年8月19日にソニー・ソーホー・スクエアから、3枚目のスタジオアルバム『Travelling Without Moving』からの2枚目のシングルとして発売された。作詞作曲はジェイ・ケイとトビー・スミス、プロデュースはアル・ストーンによる。ミュージックビデオはジョナサン・グレイザーが監督を務め、1996年9月に公開され、1997年のMTVビデオ・ミュージック・アワードでビデオ・オブ・ザ・イヤーを含む4部門を受賞した。その後、この映像はインターネット・ミームとしても知られるようになった。
「Virtual Insanity」はアイスランドで1位、イギリスのシングルチャートで3位を記録し、フィンランド、アイルランド、イタリアでもトップ10入りを果たした。また、アメリカのビルボード・モダン・ロック・トラックスでは38位に達し、同国での代表的なヒットの一つとなった。この曲でバンドはグラミー賞「最優秀ポップ・ボーカル・パフォーマンス(デュオまたはグループ部門)」を受賞している。
作曲と歌詞
歌詞の着想は、ジェイ・ケイとディジュリドゥ奏者ウォリス・ブキャナンが日本・仙台の地下街を歩いた体験に基づく。ケイは「すべて雪に覆われ、誰もいなかった。階段を下ると、日本の街並みのように色彩や喧騒に満ちた地下都市が広がっていた」と述べている。曲名は「バーチャル・リアリティ(仮想現実)」をもじったものである。
最初はラフなデモ録音だったが、レーベルからシングルのリクエストがあり、正式に録音されたのはアルバム制作の最後だった。曲はピアノのイントロから始まり、「弾むようなキーボードと高揚感あるストリングス」が特徴で、そのリフは曲全体を通して繰り返される。
歌詞のテーマは、過剰人口、遺伝子操作や優生学、人類の生態系破壊といった問題を扱っている。
B面
シングルの1つ目のB面曲は、M-Beatとのコラボレーションによる「Do U Know Where You’re Coming From」で、これは同年にシングルとして発表されていた。2つ目のB面は「Bullet」である。
アルバム・バージョンの冒頭には、映画『エイリアン』(1979年)のSOS信号音がサンプリングされており、シングル版よりも長く、追加のボーカルやブリッジが含まれている。
ミュージックビデオ
「Virtual Insanity」のミュージックビデオは、イギリスの映画監督ジョナサン・グレイザーによって監督された。1996年8月12日にロンドンのアカデミー・フィルムズ・スタジオで撮影された。グレイザーは、レディオヘッドの「Street Spirit (Fade Out)」のビデオでの仕事が評価され、監督に選ばれた。1997年9月のMTVビデオ・ミュージック・アワードでは10部門にノミネートされ、「ブレイクスルー・ビデオ」「最優秀特殊効果」「最優秀撮影賞」「ビデオ・オブ・ザ・イヤー」の4部門を受賞した。2006年にはMTV視聴者による「ルールを打ち破ったビデオ」投票で9位に選ばれている。さらに同アワードでは、ジェイ・ケイがトラベレーター(動く歩道)を使ってステージ上でパフォーマンスを披露し、映像のコンセプトを再現した。
内容と発想
このビデオは、タダオ・アンドウのコンクリート建築に着想を得たセットで撮影された。白い部屋と灰色の床を舞台に、ジェイ・ケイが歌いながら踊る様子を中心に構成されている。部屋の中では革張りのソファや椅子が自動的に動き回り、ケイは衝突を避けながら複雑なダンスを披露する。この特殊効果が高く評価され、MTVビデオ・ミュージック・アワードの「最優秀特殊効果賞」を獲得した。
当初は床を動かす案だったが、機材費だけで28万ポンド(2023年換算で約66万ポンド、2024年換算で約81万ドル)かかると見積もられ、最終的に壁を動かす方式に変更された。この案は当初スタッフから笑われたものの、グレイザーが即座に採用を決定。家具やセット全体を車輪に乗せ、カメラを壁に固定して動かすことで、床が動いているかのような錯覚を生み出した。CGは使用されず、いわば手品のような仕掛けで実現された。
カメラの上下動で床や天井を映すたびにシーンが変わり、連続撮影のように見せているが、実際には4回のテイクを繋ぎ合わせている。ビデオ内ではカラスが飛び交い、ゴキブリが床を這い、ソファから血が流れるなどの演出も加えられている。ジェイ・ケイは即興で演技し、危うく壁や家具に衝突しかけたシーンもあった。
2021年9月には、4Kリマスター版がYouTubeで公開され、アルバム『Travelling Without Moving』の新しいアナログ盤の発売をプロモートした。
人気と評価
2011年、タイム誌の「史上最高のミュージックビデオ30選」に選ばれ、フォーブスの「史上最高のミュージックビデオ25選」にもランクインした。2006年にはMusic Week誌の「世界を変えた25のビデオ」にも含まれている。
ポピュラーカルチャーへの影響
このビデオは数多くの音楽ビデオ、テレビ番組、インターネットミームでパロディ化・参照されてきた。1997年のMTVビデオ・ミュージック・アワードでは、コメディアンのクリス・ロックがジェイ・ケイを真似たプロモが制作された。2007年にはグレイザー自身がビデオをパロディ化し、部屋をバスルームに改造した映像を発表した。
オースティン・マホーンとピットブルの「Mmm Yeah」(2014年)や、FIDLARの「40oz. on Repeat」(2015年)のビデオでも影響が見られる。『ファミリー・ガイ』第14シーズンのエピソードや『ロボット・チキン』第11シーズンでもパロディ化された。また、このビデオをもとに、プレイヤーが家具を避けながら進む「Jamiroquai Game」というゲームも制作された。
さらに、コム・デ・ギャルソンの渡辺淳弥は、2022年秋冬メンズのミニコレクションでこのビデオへのオマージュを発表している。
歌詞の意味
「Deeper Underground」との歌詞の共通点
Futures made of, now, virtual insanity
未来はヴァーチャルな狂気でできてる
Now we all, we seem to be governed by a love
そして今やその未来は、俺たちが持つこの愛によって常に支配されてるように思える
For these useless twisting of our new technology
新しいテクノロジーを無意味にねじ曲げて使うことへの愛に
And now there is no sound, for we all live underground
ああ、もう音なんて存在しない だって俺たちみんな、地下に生きてるから
「Virtual Insanity」のこの部分の歌詞は以下の「Deeper Underground」の歌詞と対応している。
Somebody tell me why does all mankind
誰か教えてくれ、なぜ人類は
Only tamper and touch?
中途半端にいじくり回すだけなんだ?
Have a habit where they
Bite off more than they can chew
それは、人類がいつも身の丈を超えたことに手を出す癖を持っているからさ
And now it’s too much
そして結局手に負えなくなってる
I’m going deeper underground
俺はもっと地下深くへと潜る