音源
この曲はジョニー・サンダースがニューヨーク・ドールズを脱退した後、結成したバンド、ハートブレイカーズのアルバム『L.A.M.F.』に収録された。
プライマル・スクリームの日本でのライブアルバム『Live in Japan』に収録されたカバー
曲情報
「Born To Lose」はアメリカのパンク・ロック・バンド、ハートブレイカーズ(The Heartbreakers)が残した唯一のスタジオ・アルバム『L.A.M.F.』(エル・エー・エム・エフ、Like a Motherfucker の略称)に収録された楽曲。このバンドのメンバーはジョニー・サンダース、ジェリー・ノーラン、ウォルター・ルーア、ビリー・ラスで構成され、アルバムは1977年10月3日にイギリスのインディペンデント・レーベル、トラック・レコードから発売された。アルバムの音楽性はパンクとロックンロールを融合させたものである。
歌詞の意味
この曲は、自分がどこにいても報われず、運命そのものが逆風のように感じられる主人公の虚無感と反骨心を吐き出している。冷たく無情な街で足並みが揃わないまま取り残されていくような感覚が冒頭から漂い、何をしても状況が変わらないという諦めが強く刻まれている。
それでも感情を押し殺すのではなく、むしろ自分は最初から負ける運命を背負って生まれたのだと開き直るように叫ぶ。その宣言には絶望だけでなく、どん底でも自分の存在を焼き付けようとする攻撃的な衝動が混ざり、破れかぶれの勢いが曲全体を支配する。
都会に生きることの息苦しさは、荒々しい環境よりも人の心をむしばむと描かれ、主人公が抱える孤独や苛立ちがむき出しになる。希望も救いも見えない世界で、それでも前へ突っ込んでいくしかないという、悲壮ながらも強烈な生きざまが迫ってくる。
全体として、挫折や喪失を抱えたまま走り続けるしかない人生を、激しいエネルギーとむきだしの感情で描いた曲。無敵ではなく、むしろ敗北に染まった存在だからこそ放てる強さと凄みが響いている。
Hit it! とは?
「Hit it!」は「ぶちかませ!」「やれ!」という掛け声。ライブ感を盛り上げるシャウト。


