動画
オフィシャルビデオ(1982年)
オーディオ(2024年リマスター)
曲情報
「Open Arms」はアメリカのロックバンドJourneyの楽曲である。この曲は映画『Heavy Metal』のサウンドトラックとしてリリースされ、1981年のアルバム『Escape』にも収録された。バンドメンバーのSteve PerryとJonathan Cainによって共作されたこの楽曲は、離れかけた人間関係を再生しようとするパワーバラードである。この曲はJourneyの一番知られているラジオヒットの一つであり、1982年の2月にUS Billboard Hot 100で最高で二位に到達し、6週間その位置を続けた。これは『Centerfold』(J. Geils Band)と『I Love Rock ‘n’ Roll』(Joan Jett and the Blackhearts)によって防がれたものであった。また、カナダでも2位に到達した。
「Open Arms」はさまざまな音楽アーティスによってカバーされており、1996年にアメリカのシンガーソングライターMariah Careyにより大きなヒットとなった。特に英国では、4位まで上り、この曲の最も知られたバージョンとなった。その他にも、Barry Manilow、Boyz II Men、Dolly Parton、Celine Dionなどのアーティスによってカバーされている。また、音楽オーディション主義の歌唱コンテストでも人気があり、アメリカのThe VoiceやAmerican Idol、英国のThe X Factorなどで演奏されている。
Journey版の「Open Arms」は「今までで最も美しいラブソンの一つ」と評されている。VH1はこの曲を「最大のパワーバラード」として選んだ。AllMusicのMike DeGagneは、この曲を「ロックの最も美しいバラードの一つ」とし、「Steve Perryだけが驚くほどの真実味と感じさせる感覚を持ち合わせる」と評した。
Journeyは「Open Arms」を7枚目のスタジオアルバム『Escape』のために録音し、プロデュースはKevin ElsonとMike Stoneが担当した。Jonathan CainはThe Babysに在籍していた頃にこの曲の作曲を始めたが、ボーカル兼ベーシストのJohn Waiteが「感傷的すぎる」として却下した。Cainは最終的にEscapeの作曲セッションでSteve Perryと曲を完成させ、キーをAからDに変更し、メロディーも若干変更した。しかし、ギタリストのNeal Schonは「Journeyがこれまで試みたことのないタイプの曲」としてこの曲に否定的であった。他のメンバーもバラードの演奏には消極的だった。
2005年、Perryは『Live in Houston 1981: The Escape Tour』のプロデュース中に、24年前のバンドの演奏を聞いて涙をこらえたと語っている。特に「wanting you near」のラインは、彼が特別にこだわった部分であった。
VH1の『Behind the Music』のJourneyエピソードでは、レコーディング中にSchonがPerryとCainをからかっていたことが語られている。しかし、1981年秋のEscapeツアーで初めてライブ演奏された際、観客の反応は圧倒的だった。Schon自身も驚き、「この曲は本当にすごい」とコメントし、Perryはそれに憤慨したと後に述べている。
「Open Arms」は、カナダのアニメ映画『Heavy Metal』のサウンドトラックにも使用され、1982年1月にアルバム『Escape』から3枚目のシングルとしてリリースされた。また、1982年の映画『The Last American Virgin』でも2度使用された。Billboard Hot 100で6週間2位を記録し、Adult Contemporaryチャートのトップ10にも入った。
この曲は、ロック史上有数のパワーバラードとして語り継がれ、VH1の「史上最高のパワーバラード25選」で1位に選ばれた。Billboardは「感傷的なバラードで、繊細なキーボードとSteve Perryの魅惑的なボーカルが特徴」と評した。この曲は1992年のボックスセット『Time3』および2001年のコンピレーションアルバム『The Essential Journey』にも収録されている。
歌詞の意味
この曲は失われかけた関係が再び結び直される瞬間の静かな切実さを描いている。語り手は、隣で眠る相手の鼓動に耳を澄ませながら、かつて互いがどれほど近くにいながらすれ違っていたかを痛感する。愛があるのに気づけず、同じ船に乗りながらも漂流してしまった時間への悔いが、冒頭の親密な描写ににじむ。
しかし再会の場面では、語り手が「もう隠しだてをしない」という姿勢をはっきりと示し、素直な気持ちを差し出す。過ちや迷いを抱えながらも、それを受け止め合える関係へ戻りたいという願いが、開いた腕という象徴的なイメージに集約される。
離れていた期間は空虚さとして描かれ、家の冷たさや孤独感が、相手の存在が自分にとってどれほど決定的だったかを示す。相手が戻ってきたことで夜が昼に変わるように世界が反転し、語り手はその明るさを失わないために「ここにいてほしい」と明確に求める。
全体として、愛の脆さと強さの両方を抱えながら、素直な再出発を願う気持ちをまっすぐに描いた内容になっている。



