【曲解説】Judas Priest – Painkiller

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曲情報

「Painkiller」(ペインキラー)は、イングランドのヘヴィメタル・バンド、ジューダス・プリーストの楽曲であり、1990年にコロムビア・レコードからシングルとしてリリースされた。バンドの12作目のスタジオ・アルバム『Painkiller』のオープニング・トラックに収録されている。歌詞は、アルバムのカヴァーに描かれたキャラクター「ペインキラー」について描かれており、人類を破滅から救うサイボーグ・スーパーヒーローの物語となっている。

「Painkiller」はジューダス・プリーストの代表曲のひとつとなっている。

作曲

ドラマーのスコット・トラヴィスが、スタジオでドラムのマイクテスト中にウォームアップとして叩いていたリズムがきっかけとなり、楽曲冒頭のドラム・イントロが生まれたとされる。ギタリストのグレン・ティプトンは、本曲のソロをお気に入りのひとつに挙げており、もうひとつは「Beyond the Realms of Death」のソロだと語っている。

評価

PopMattersは「誰もこの曲が来るとは思っていなかった。新加入のドラマー、スコット・トラヴィスによる雷鳴のようなイントロは、技術的に限界のあったデイヴ・ホーランドを大きく上回るものであり、ハルフォードの狂気じみた歌唱とともに、プリーストは迎合することなく過激さを受け入れ、再び強力で、現代的で、そして何よりもかつてないほどパワフルに響いている」と評した。

2012年、Loudwireはジューダス・プリーストの楽曲ベスト10の中で2位にランク付けし、2019年にはLouder Soundがジューダス・プリーストの楽曲トップ50の1位に選出した。

歌詞の意味

この曲は 絶望した人類を救うために降臨する超越的な存在を描いてる。人と機械が融合したような英雄が、炎や轟音をまといながら破壊と救済の象徴として現れ、圧倒的な力で悪をねじ伏せていく物語になってる。

序盤では、怒りとパワーをまとった救世主が猛スピードで突進し、人々を脅かしていた脅威へと迫る姿が強調される。中盤では、荒廃した世界に希望を持ち込み、天からの雷や金属の閃光のような攻撃で敵を粉砕し、人類が膝をついた状況を一気に覆す展開が描かれる。

後半では、大災厄を乗り越えた人々が再び自由を取り戻し、救世主がその使命を果たしたあと天空へ帰還していく流れが示される。全体を通して、圧倒的なスピード・音・光のイメージで神話的なヒーロー像を描き出す、攻撃的で荘厳な世界観の曲になってる。

ペインキラーとは?

ペインキラーは直訳すると「痛み止め」「鎮痛剤」という意味だが、この曲では、人類を破滅から救うために天から降臨したメタル・ヒーローの名前としてこの単語が用いられている。「世界の痛みを殺す者=救世主」 という比喩的なネーミング。

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