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歌詞&翻訳
以下の歌詞(&台詞)構成と訳はミュージックビデオに基づいています。
‘His cerebrum has suffered massive and irreparable damage.’
「彼の大脳は甚大で回復不能な損傷を受けている」
‘He’ll never know what has happened to him.’
「彼は自分に何が起きたのかを知ることは決してないだろう」
‘If I had not been sure of this, I would not have permitted him to live.’
「もしそのことを確信していなかったなら、私は彼を生かしておかなかっただろう」
-Where am I?… Father?… What Happened… I need Help . . .
―ここはどこだ?…父さん?…何が起きたんだ…助けてくれ…
‘What is democracy? what is democracy?’
「民主主義って何?民主主義って何?」
‘It’s got something to do with young men killing each other, I believe.’
「若者同士が殺し合うことに関係しているんだと思うよ」
‘When it comes my turn, will you want me to go?’
「僕の番が来たとき、僕に行ってほしいって思う?」
‘For democracy, any man would give his only begotten son.’
「民主主義のためなら、人は一人息子でさえ差し出すんだ」
‘It is impossible for a de-cerebrated individual to experience pain, pleasure, memory, dreams or thought of any kind. This young man will be as unfeeling, as unthinking as the dead, until the day he joins them’
「大脳を失った者が苦痛、快楽、記憶、夢、または思考のいかなる形をも経験することはできません。この若者は死者と同じく、何も感じず、何も考えず、息絶えるその日までその状態で生き続けるのです」
-I don’t know whether I am alive and dreaming or dead and remembering-
―生きて夢を見てるのか、死んで記憶を彷徨ってるのか、もうわからない―
-How can you tell what’s a dream and what’s real when you can’t even tell when you’re awake and when you’re asleep?-
―目覚めてるのか眠ってるのかもわからないのに、どうやって現実と夢を区別すればいいんだ?―
-Where am I?-
―ここはどこなんだ?―
I can’t remember anything
何も思い出せない
Can’t tell if this is true or dream
これが現実か夢かもわからない
Deep down inside I feel the scream
心の奥底で叫び声が響いてる
This terrible silence stops me
この恐ろしい静けさが俺を閉じ込めてる
Now that the war is through with me
戦争が俺を用済みにした今
I’m waking up, I cannot see
目覚めても何も見えない
That there’s not much left of me
もう俺にはほとんど何も残っていない
Nothing is real but pain now
今や痛みだけが現実だ
Hold my breath as I wish for death
俺は息を止めて死を願う
Oh please god wake me
ああ、お願いだ神様、目覚めさせてくれ
【語り】
-They just went ahead and chopped off everything-
―やつらは全部切り落としたんだ―
-Oh god…please make them hear me-
―ああ、なんてこった…どうか俺の声を聞かせてくれ―
-They won’t listen…They won’t hear me-
―やつらは聞こうとしない…聞こえてないんだ―
-If you don’t wake me up I’ll be like this for years-
―目覚めさせてくれなきゃ、俺は何年もこのままだ―
-Hear me-
―俺の声を聞いてくれ―
Back in the womb it’s much too real
母胎に戻ったかのようだ、リアルすぎる
In pumps life that I must feel
俺に命を送り込むポンプ
But can’t look forward to reveal
でも未来なんて何も見えない
Look to the time when I live
また生きられる日を願ってるのに
Fed through the tube that sticks in me
チューブを通して栄養を送られる
Just like a war time novelty
まるで戦時中の面白話のように
Tied to machines that make me be
機械に繋がれて無理やり生かされてる
Cut this life off from me
この命を絶ってくれ
Hold my breath as I wish for death
俺は息を止めて死を願う
Oh please god wake me
ああ、お願いだ神様、目覚めさせてくれ
【語り】
-I’m just like a piece of meat, that keeps on living-
―俺はただ生き続ける肉の塊みたいなもんだ―
-It won’t always be like this, will it?-
―ずっとこのままじゃないよな?―
-I can’t live like this….I…I can’t….Please no, I ca…I can’t… Help me, help me, please help me, mother, where are you? help me mother I’m having a nightmare and I can’t wake up-
―こんな生き方なんて…無理…無理だ…頼む、やめてくれ、無理だ…助けてくれ、助けてくれ、お願いだ母さん、どこにいるんだ?助けて、母さん、悪夢を見てるのに目が覚めないんだ―
Now the world is gone I’m just one
もう世界は消え去って、俺はたったひとり
Oh god help me
ああ、神様、助けてくれ
Hold my breath as I wish for death
俺は息を止めて死を願う
Oh please god help me
ああ、お願いだ神様、助けてくれ
【語り】
-Me, lying here, like some…freak, at a carnival show-
―俺はこんなふうに横たわってる…まるで見世物小屋の化け物みたいに―
‘He is the armless, legless, wonder, of the 20th century!’
「彼こそが手も足もない20世紀の驚異です!」
‘Death has a dignity, all it’s own’
「死には死それ自体に尊厳がある」
-Father, I need help…I’m in terrible trouble and I need help-
―父さん、助けてくれ…本当にひどいことになってるんだ、助けが必要なんだ―
‘Don’t you remember when you were little, how you and Bill Harper used to string a wire between the two houses, so you could telegraph to each other? Still remember the Morse Code?’
「君が小さい頃、ビル・ハーパーと二人で、二軒の家の間に糸を張ってモールス信号で通信してたの、覚えてるか?まだモールスコード覚えてるか?」
Darkness imprisoning me
闇が俺を閉じ込めてる
All that I see absolute horror
俺が見てるのは絶対的な恐怖だけ
I cannot live, I cannot die
生きることも死ぬこともできない
Trapped in myself body my holding cell
自分自身に閉じ込められて、身体が檻になってる
【語り】
‘It’s morse code’
「モールス信号だ」
‘For what?’
「なんて言ってる?」
‘SOS……..Help!’
「SOS……助けてくれ!」
Landmine has taken my sight
地雷が俺の視力を奪い
Taken my speech, taken my hearing
言葉を奪い、聴力を奪い
Taken my arms, taken my legs
腕を奪い、脚を奪い
Taken my soul, left me with a life in hell
魂を奪い、地獄の中に命だけを残した
【語り】
‘What’s he saying?’
「何て言ってる?」
‘He said kill me. Over and over again. Kill me.’
「『殺してくれ』って、何度も何度も『殺してくれ』って」
‘Don’t you have some message for him, Padre?’
「彼に何か言ってあげないのか、神父さん?」
‘He’s a product of your profession…not mine.’
「彼をこんなふうにしたのはあなたがたでしょう…私ではなくね」
-Kill me. I am asking you to kill me-
―殺してくれ、君にお願いしてるんだ、殺してくれ―
-Thank you…-
―ありがとう…―
-Pray for me, please-
―俺のために祈ってくれ―
-Father?-
―父さん?―
‘Each man faces death by himself. Alone.’
「誰もが死と向き合うときはひとりだ」
-Goodbye, father-
―さようなら、父さん―
-Inside me, I am screaming, but nobody pays any attention.-
―俺の中で叫んでるのに、誰も気づいてくれない―
-If I had arms, I could kill myself. If I had legs, I could run away. If I had a voice, I could talk, and be some kind of company for myself.-
―腕があれば自殺できる、脚があれば逃げられる、声があれば話して、自分のそばに誰かがいる気になれるのに―
-Why don’t they get it over with and kill me?-
―どうしてさっさと殺してくれないんだ?―
-I could yell for help, but nobody would help me-
―助けを叫んでも誰も助けてくれない―
-I’ve just got to do something-
―何かしなきゃ―
-I don’t see how I could… go on like this.
―でもどうすれば…こんなふうに生きていけるのか…―
-S..O..S…Help me….S..O..S…Help…me-
―S…O…S…助けてくれ…S…O…S…助けて…くれ―
Keep the Home Fires Burning,
家庭の灯を絶やさないで
While your hearts are yearning,
心が恋しさに震えていても
Though your lads are far away
若者たちが遠く離れていても
曲情報
「One(ワン)」は、アメリカのヘヴィメタルバンド、メタリカによる楽曲で、1988年の4作目のスタジオ・アルバム『…And Justice for All』からの3枚目にして最後のシングルとしてリリースされた。作詞はバンドのメンバーであるジェイムズ・ヘットフィールドとラーズ・ウルリッヒが担当しており、第一次世界大戦で重傷を負い、手足と顎を失って視覚・聴覚・発話能力を失った兵士が、神に命を終わらせてほしいと懇願する姿を描いている。ミュージックビデオでは、彼が病院のベッドでモールス信号でSOSを発信する様子が描かれている。プロデュースはフレミング・ラスムッセンとメタリカ自身によって行われた。
「One」はメタリカにとって初めて全米チャート入りを果たした曲で、「ビルボードHot 100」で最高35位を記録し、フィンランドでは1位を獲得した。
この楽曲のミュージックビデオは、1989年1月にMTVで初公開された。マイケル・サロモンが監督を務め、1971年の反戦映画『ジョニーは戦場へ行った』の映像が挿入されている。MTVでの放映権料が継続的に発生することから、メタリカは同映画の権利を購入した。このビデオはすぐにMTVで1位を記録した。
1989年、メタリカはロサンゼルスで開催された第31回グラミー賞授賞式で「One」を演奏。翌1990年にはこの楽曲で「最優秀メタルパフォーマンス賞」を受賞し、同部門初の受賞者となった。2014年の第56回グラミー賞授賞式では、ピアニストのラン・ランとの共演で披露されている。「One」はメタリカの中でも特に人気の高い曲のひとつであり、アルバム発売以降、ライブでの定番曲となっている。また、『…And Justice for All』収録曲の中で最も演奏回数が多い楽曲でもある。2023年3月には、ローリング・ストーン誌による「史上最も偉大なヘヴィメタルソング100曲」ランキングで第11位に選ばれた。
録音と構成
「One」は1987年11月にジェイムズ・ヘットフィールドとラーズ・ウルリッヒによって作曲され、1988年にシングルとしてリリースされた。冒頭20秒は戦場を思わせる砲撃音やヘリコプターの効果音が鳴り響き、その後ヘットフィールドによるクリーントーンのギターイントロへとつながる。カーク・ハメットがクリーントーンのギターソロを重ね、ラーズ・ウルリッヒのドラムが加わる。各サビではギターがヘヴィかつ歪んだ音になり、再びクリーンに戻る。楽曲中盤で2回目のギターソロが挿入され、歌詞が終わると共に次第にスピード感と重さが増していく。やがて「機関銃」セクションと呼ばれるギターとダブルベースドラムの高速リフが登場し、ハメットによるタッピングソロ、さらにハメットとヘットフィールドによるデュアルソロが展開される。楽曲は4/4拍子で始まり、途中から3/4や2/4拍子にも展開される。
1991年、ヘットフィールドは『ギター・ワールド』誌のインタビューで、曲の冒頭のBm–Gコード進行はヴェノムの「Buried Alive」にインスピレーションを受けたものだと語っている。また、終盤のキックドラムによる機関銃のようなパートは、戦争を意識して書いたものではなく自然に生まれたものだと述べている。
曲は穏やかなメロディから始まり、複数のセクションを経て、スピードメタル的な激しい展開へと移行していく。
コンセプト
この曲は、手足と顎を失い、視覚・聴覚・発話能力を奪われた兵士が、第一次世界大戦の中で生きることの意味を見失っていく様子を描いている。1989年のニュージーランドでのインタビューで、ウルリッヒは1971年の映画『ジョニーは戦場へ行った』が同様のテーマを扱っており、それがミュージックビデオに用いられた理由であると語っている。
ミュージックビデオ
「One」はメタリカにとって初めて制作されたミュージックビデオである。監督はビル・ポープとマイケル・サロモンで、1988年12月7日にカリフォルニア州ロングビーチで撮影され、1989年1月20日にMTVで初公開された。映像はほぼ白黒で構成されており、倉庫内でのバンド演奏シーンと、映画『ジョニーは戦場へ行った』のシーンが交錯する構成になっている。主演のティモシー・ボトムズが、原作小説『ジョニーは戦場へ行った』(著:ダルトン・トランボ、1939年発表)に基づくキャラクター、ジョー・ボーナムを演じている。
このビデオには3つのバージョンが存在する。最長のアルバム版(映画シーン入り)、その短縮版、そして映画シーンを含まない「ジャミング・バージョン」(最後のブリッジでフェードアウトする)である。
他のメタリカのビデオと同様に、バンドメンバーの演奏に焦点が当てられており、ヘットフィールド、ジェイソン・ニューステッド、ハメットの手元などが頻繁に映されている。彼らはラフなストリートウェア姿で、ラーズ・ウルリッヒのドラムキットを中心に倉庫内でタイトなフォーメーションを組み演奏している。
ビデオ内では、ヘットフィールドとハメットがESP製ギターを使用しており、ニューステッドは5弦のウォル製ベースを演奏している。曲の冒頭では指弾きで始まり、途中からピック弾きに切り替えている。
3つのうち2つのバージョンは、1990年7月1日発売のVHS『2 of One』に収録され、2006年のビデオコレクションDVDにも収録された。
このミュージックビデオは、「Rock on the Net: MTV: 100 Greatest Music Videos」で第38位、「Fuse’s No. 1 Countdown: Rock and Roll Hall of Fame Special Edition」で第1位に選ばれている。2025年1月時点で、YouTubeでの再生回数は3億4000万回を超えている。
歌詞の意味
冒頭の台詞の意味
‘His cerebrum has suffered massive and irreparable damage.’
「彼の大脳は甚大で回復不能な損傷を受けている」
‘He’ll never know what has happened to him.’
「彼は自分に何が起きたのかを知ることは決してないだろう」
‘If I had not been sure of this, I would not have permitted him to live.’
「もしそのことを確信していなかったなら、私は彼を生かしておかなかっただろう」
三行目の意味は、「私は彼が苦痛を感じることもできないと確信していたから、私は彼を生かしておいた」ということ。
最後の引用部分
Keep the Home Fires Burning,
家庭の灯を絶やさないで
While your hearts are yearning,
心が恋しさに震えていても
Though your lads are far away
若者たちが遠く離れていても
この部分は、第一次世界大戦中のイギリスの愛国歌「Keep the Home Fires Burning」の一節で、戦地にいる兵士たちを想いながら、故郷に残る人々に希望を持ち続けてほしいというメッセージが込められている。
▼上記の引用部分に続く歌詞
They dream of home.
彼らの夢はいつも故郷にある
There’s a silver lining
Through the dark clouds shining,
暗い雲の向こうには銀色の光が差している
Turn the dark cloud inside out
その暗い雲をひっくり返して
‘Til the boys come home
少年たちが帰ってくるその日まで