動画
曲情報
「Shake It」(シェイク・イット)は、アメリカのポップ・ロックバンド、メトロ・ステーション(Metro Station)が2007年にリリースしたセルフタイトルのデビュー・スタジオ・アルバム『Metro Station』からの3枚目のシングル(イギリスではデビュー・シングル)である。
「Shake It」はバンドにとって初めてチャート入りした楽曲であり、アメリカのBillboard Hot 100で最高10位を記録した。アメリカ国外では、オーストラリア、オーストリア、カナダ、ドイツ、アイルランド、日本、ニュージーランド、イギリスのチャートでトップ10入りを果たした。2008年6月13日にRIAAよりゴールド認定を受け、その後同年にプラチナ認定、最終的には2009年1月末に2×プラチナ認定を獲得した。この曲はアメリカ国内で120万枚以上、全世界で400万枚以上の売上を記録している。
批評
「Shake It」は音楽評論家から概ね好意的な評価を受けた。Digital Spyのニック・レヴィンは、「このトラックのすべて – 平凡なヴァース、弱々しいボーカル、退屈な歌詞 – はせいぜい合格点といったところだ。しかし、決定的なのは、コーラスが大きく、掛け声のようで、まるで目の前にぶら下がるクリスピー・クリーム・ドーナツのように抗いがたい点だ」と述べた。About.comのビル・ラムは、「このトラックには80年代ポップの雰囲気がはっきりと感じられ、ベースとキーボードの基盤がThe Carsを強く思わせる。トレイス・サイラスのボーカルには妖艶な意図が漂っているが、歌詞自体は幼稚なナンパのフレーズばかりだ。それにもかかわらず、このサウンドは間違いなくダンスフロアへ誘う力を持っている」と指摘した。
Seventeen Magazineはこの曲を「完璧な夏の楽曲」と評した。AltSoundsは「この曲は驚くほど簡単に頭にこびりつく」とコメントした。この楽曲はSpotifyで1億1000万回以上のストリーミング再生を記録している。
ミュージック・ビデオ
「Shake It」のミュージック・ビデオは、ファンが制作したバージョンにインスパイアされており、バンドはそのうち63本をYouTubeの公式アカウントのプレイリストとして公開した。バンドによると、最終的な映像はカルト映画『ウォリアーズ』を基にしており、ギャングの代わりにライバルのダンス・クルーが登場する。MTVはこのビデオを「音楽版『スネーク・フライト』」と評している。
ビデオでは、ロサンゼルス・シアターに入るバンドの4人のメンバーが登場する。劇場内では、バンドが演奏する中、ダンサーたちが競い合うように踊る。オンライン・セレブリティのジェフリー・スターや、ボーカル兼ギタリストのトレイス・サイラスの元恋人であるハンナ・ベスが観客としてカメオ出演している。ビデオの終盤では、バンドと観客全員が警察によって劇場から退去させられるシーンで締めくくられる。
歌詞の意味
この曲は、クラブの熱気と身体的な近さの中で高まっていく衝動を、語り手がそのまま追いかけるように描いている。相手の仕草や動きが合図のように受け取られ、触れ方や動き方を互いに模倣し合うことで緊張と興奮が段階的に増幅していく構図になっている。言葉よりも身体の反応が主導権を握り、迷いを残しながらもその場の勢いに身を委ねていく感覚が中心にある。
視線や動きのやり取りが暗黙のコミュニケーションとして機能し、距離が縮まるほどに夜の展開を意識する雰囲気が強まる。語り手は相手の反応を読み取りながら、自分の思惑を重ねていき、相互の誘いがリズムと反復で強調されることで、場の高揚感が持続する。全体として、躍動するビートと肉体的な駆け引きを軸に、出会いの瞬間的な熱と衝動を描き出している。


