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「You Can’t Hurry Love」(ユー・キャント・ハリー・ラブ)は、The Supremes がモータウン・レーベルで最初に録音した曲。1966年7月25日に、スタジオ・アルバム『The Supremes A’ Go-Go』からの2枚目のシングルとしてリリースされた。女性のみのグループによるアルバムとしては初めて、アメリカのビルボード200アルバムチャートで1位を獲得した。
最も注目すべきカバーはフィル・コリンズによるもので、1982年10月にシングルとしてリリースされ、彼の2作目のソロアルバム『Hello, I Must Be Going!』に収録された。コリンズのバージョンは1983年1月にUKシングルチャートで2週間1位を獲得し(これが彼のソロアーティストとしてのUKシングルチャート初の1位となり、オリジナル曲より2つ上の順位を記録した)、アメリカではトップ10入り(最高10位)を果たした。シングルはイギリスでゴールド認定を受けた。また、1983年1月にはアイルランドのチャートでも1位を記録した。
この曲のオーケストラのストリングスは、1982年6月24日(木)の夜にロンドンW1のCBSレコーディング・スタジオ1で、録音エンジニアのマイク・ロス=トレヴァー(アシスタントのリチャード・ハリウッドが補助)によって録音された。コリンズのカバーは、彼の卓越した技術を示すものであると同時に、最も人気のあるパフォーマンスとなり、ソロアーティストとしての大きなブレイクスルーとなった。
コリンズは、「『You Can’t Hurry Love』をカバーするアイデアは、ヒュー・パジャムと私が60年代のサウンドを再現できるかどうかを試すためだった。今日の録音設備は当時よりはるかに洗練されているので、オリジナルのようにドラムをラフに聞かせるのは難しい。私たちはリメイクを目指していた。解釈ではなく、あくまでリメイクだ」と語っている。
1983年にはミュージックビデオが制作され、VHSおよびレーザーディスク(LD)で発売された『Phil Collins』に収録された。このビデオはグラミー賞のBest Video, Short Form部門にノミネートされた。また、この楽曲は、NOW That’s What I Call Musicの最初のコンピレーションアルバムに収録された最初の楽曲でもある。
歌詞の意味
この曲は愛に対する焦りと希望のあいだで揺れる語り手が、母から教わった「急いでも愛は手に入らない」という助言を心の支えにしながら、孤独と忍耐に向き合う姿を描く内容とされる。語り手は繰り返し訪れる失望に疲弊しつつも、いつか自分を包んでくれる相手と出会えるという信念だけを頼りに前へ進もうとしている。愛は努力や焦燥では手に入らず、与えることと受け取ることの均衡の中で自然に育つという考えが中心に据えられ、待つことのつらさと、それでも諦めない強さが対照的に示される。全体として、恋愛における成熟と忍耐の重要性を温かく語りかける内容になっている。



