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曲情報
「Nightswimming」(ナイトスウィミング)は、アメリカのオルタナティヴ・ロックバンドR.E.M.の楽曲で、1992年のアルバム『Automatic for the People』に収録され、1993年7月にシングルとしてワーナー・ブラザースからリリースされた。バラード曲であり、マイケル・スタイプの歌声を、マイク・ミルズのピアノ、元レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズによるストリングス、デボラ・ワークマンによるオーボエが支えている。作曲はミルズ、作詞はスタイプによるが、クレジットはバンド全体に与えられている。スタイプは歌詞で仲間たちが夜に裸泳ぎをする情景を描いており、これはバンド初期の体験に基づいている。ミュージックビデオはジェム・コーエンが監督した。
背景と録音
マイク・ミルズは、地元アセンズ(ジョージア州)のジョン・キーンのスタジオでピアノのリフを弾いていたときにスタイプの関心を引いたと回想している。ミルズは「ただ繰り返すだけの循環するメロディで、大したものにならないと思っていたが、マイケルを刺激した」と語っている。この曲は当初『Out of Time』には収録されなかったが、その時のデモが後に『Automatic for the People』で使用され、ジョン・ポール・ジョーンズのストリングスが加えられた。ピアノはマイアミのCriteria Studiosで録音され、デレク・アンド・ザ・ドミノスの「Layla」で使われたものと同じピアノが使用された。
ピーター・バックによれば、スタイプはこのメロディを一度聴いただけで歌詞を思いつき、2回目で完成版を歌ったという。
作曲と歌詞
バックは2003年に「Nightswimming」は歌詞が先に書かれた唯一のR.E.M.曲だと述べたが、スタイプは2019年に「唯一そうだったのは“E-Bow the Letter”だ」と回想している。
曲の基本構成はスタイプのボーカルとミルズのピアノで、ドラムのビル・ベリーとバックは不参加だった。これは『Automatic for the People』における多くの曲と同様、一部メンバーが参加しない形で制作された。
歌詞の由来についてはバンド内でも解釈が分かれている。スタイプは2001年のEsquire誌で、当初は「夜警(Night watchman)」について曲を書こうとし、実際に夜警を雇ったが、その男が被害妄想をこじらせて訴えると言い出したため、歌詞を「Night watchman」から「Nightswimming」に変えたと語っている。一方ミルズは、1980年代初頭にR.E.M.とその仲間たちが夜のクラブ後に裸泳ぎをした経験に基づいていると語っており、バックもこれに同意している。スタイプは後年、この曲について「必死にしがみつく無垢さ、あるいはすでに失われてしまった無垢さ」についての歌で、部分的に自伝的だと語っている。
ミュージックビデオ
シングルのプロモーションのため、ジェム・コーエンが監督したMVが制作された。2種類のバージョンが存在し、無修正版は1995年の映像集『Parallel』に収録された。イギリス版は2009年10月にYouTubeで公開され、2023年1月時点で1000万回以上再生されている。
歌詞の意味
ナイトスイミングとは?
ナイトスイミングとは、ナイトプールで泳ぐようなことではなく、夜に自然の水辺(湖・池・川・海など)で泳ぐことを指す。R.E.M.のメンバーがよく泳いでいたのはアメリカ南部ジョージア州アセンズ周辺の池や湖だった。この曲では、青春期の仲間たちと裸で夜に泳いだ記憶を思い出し、無邪気さと失われゆく純真さの象徴として描いている。


