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曲情報
「Can’t Fight This Feeling」(キャント・ファイト・ディス・フィーリング)は、アメリカのロックバンドREOスピードワゴンによるパワーバラードである。リードボーカルのケヴィン・クローニンが作詞・作曲し、1984年のアルバム『Wheels Are Turnin’』に収録された。シングルはBillboard Hot 100で1位を獲得し、1985年3月9日から3月23日まで3週連続でトップの座を維持した。この楽曲は、バンドにとって2曲目で最後の全米1位ヒットとなり、イギリスでは最高16位にランクインした。「Can’t Fight This Feeling」は、多くのオムニバスアルバムやREOスピードワゴンのベストアルバムにも収録されている。
REOスピードワゴンは1985年のLive Aidコンサートでこの楽曲を披露しており、その際に俳優のチェビー・チェイスによって紹介された。
背景
クローニンはこの楽曲のヴァース部分を数年前に作っており、1970年代半ばにREOスピードワゴンを一時的に離れていた際にデモを録音していた。最終的に楽曲を完成させたのは、1984年の『Wheels Are Turnin’』の制作中、ハワイで作曲作業の休暇を取っていた時だった。
バンドのドラマーであるアラン・グラッツァーによると、この曲はクローニンの実体験に基づいており、歌詞を書き上げるまでに数年を要した。クローニンはインスピレーションについて、「ある女性に惹かれたが、彼女は友人の恋人だったため、自分の気持ちを隠していた」と語っている。彼は「私たちは共通の友人グループの一員で、彼女もその中にいた。彼女と親しくなればなるほど、ますます好きになったが、何も言えなかった」と説明している。
最終的にクローニンは、「もうこの気持ちを抑えられない」と思い、思い切って告白した。その結果、二人は交際することになったが、関係は長続きせず、最終的には友人関係に戻ったという。彼は楽曲のテーマについて、「現状が苦しく、変化しなければならない瞬間」を描いていると述べている。
なお、当初はバンドメンバーの間で「Can’t Fight This Feeling」は「くだらないバラード」と呼ばれていたが、チャートでヒットしたことで評価が一変した。
歌詞の意味
ずっと抑えてきた想いが大きくなりすぎて、もう隠しておけないという歌。友情として始まった関係がいつの間にか恋へ変わり、自分でも驚くほど相手が心の支えになっている。迷いや恐れはあるものの、相手といると道がはっきり見えてくるように感じ、もう気持ちを押し殺す理由はないと悟っていく。
過去の自分はこの想いと必死に戦っていたが、今は「隠しても意味がない」と認め、どんな方法でも相手の元へたどり着きたいと思っている。恋に翻弄されながらも、ついに覚悟を決めて踏み出そうとする心情を描いている。


