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曲情報
Back for Good(バック・フォー・グッド)は、イギリスのバンド、テイク・ザットが1995年のアルバム『Nobody Else』に収録した楽曲である。バラードであり、リードボーカルのゲイリー・バーロウが作詞作曲した。1995年3月27日にリリースされ、イギリスを含む31か国で1位を記録した。1996年ブリット・アワードでは英国最優秀シングル賞を受賞し、1995年のSmash Hits Awardsでも最優秀シングル賞を獲得した。
背景
「Back for Good」は「人生、愛、そしてセカンドチャンスについて思索する勝利のバラード」と評される。作詞作曲とリードボーカルはゲイリー・バーロウが担当し、OMDのキーボード奏者フィル・コクソンがエンジニアリングを務めた。バーロウによれば、この曲は15分で書き上げたという。1995年のブリット・アワードで初披露され、強い需要を受けて発売日は前倒しされた。「Back for Good」は発売の6週間前という異例の早さでメディア向けに提供された。
「Back for Good」のリリース直前、テイク・ザットはデザイナーのジャンニ・ヴェルサーチとともに『Vogue Italia』の写真撮影を行っていた。ヴェルサーチからバンドに提供された衣装は、シングルのカバー写真にも使用されている。
歌詞の意味
この曲は別れを受け入れようとしながらも本音ではまったく諦めきれていない語り手が失敗の理由を振り返りつつ“戻ってきてほしい”という一点にすべてを収束させる内容になっている。部屋に残った痕跡や、思い出に触れたときに湧き上がる感情が、過去を片付けるどころかむしろ依存の強さを際立たせ、前に進めない状態が淡々と描かれる。
語り手は自分の言動が関係を壊したと理解しており、過ちの具体的な中身よりも「意味するつもりはなかった」という弁明と執着が中心にある。相手のほうが別れをうまく乗り越え、自由を楽しんでいる気配も語られ、それが語り手の未練と焦燥をより強調する。
“どんな歌でも歌う”という表現は、謝罪や再統合を儀式のように扱う姿勢を示し、自己主張より相手に合わせることを選ぶ態度を象徴している。再会後の未来像は理想化され、葛藤さえ“永遠に続く一体感”として語られ、未練の純度が非常に高い。
全体は、後悔と願望が循環し、分かっていながら同じ場所に立ち戻ってしまう心の癖をそのまま捉えている。過去への執着が止められず、理屈よりも感情の勢いが勝ってしまう恋の未練を、平坦な語り口で強く印象づける曲になっている。


