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曲情報
「A Taste of Honey」(ア・テイスト・オブ・ハニー)は、ボビー・スコットとリック・マーロウによって作詞・作曲されたポップ・スタンダード。もともとは1958年のイギリスの戯曲『A Taste of Honey』の1960年ブロードウェイ版のために書かれたインストゥルメンタル楽曲であり、1961年に映画化された際にも使用された。ハーブ・アルパートによる1965年のバージョンを含め、同曲はグラミー賞を4部門で受賞している。
歌詞付きのバージョンは、1962年半ばにレニー・ウェルチによって成功を収めた。
ビートルズは1962年にレニー・ウェルチ版をレパートリーに取り入れ、サビの歌詞をわずかに変更して演奏していた。当時、アッカー・ビルクによるインストゥルメンタル版がイギリスで人気だったことから、1963年のデビュー・アルバム『Please Please Me』に収録された。1962年のライブ音源は、1977年のアルバム『Live! at the Star-Club in Hamburg, Germany; 1962』に収録されている。
アメリカでは、Vee-Jayレコードのアルバム『Introducing… The Beatles』に初収録された。さらにBBCのラジオ番組『Here We Go』『Side by Side』『Easy Beat』などで7回演奏された記録がある。1967年には、この楽曲の脚本に出てくる一節に触発されて、マッカートニーが「Your Mother Should Know」を作曲したとされる。
歌詞の意味
この曲は忘れられない口づけの余韻を“蜜の味”になぞらえて甘く切ない恋の想いを描いている。ほんの一度の触れ合いが深く心に刻まれ、離れていてもその記憶が蘇るたび、恋しさが胸に広がっていく内容。距離があっても気持ちは消えず、必ず戻ると誓う姿には、甘さだけでなく強い決意も滲んでいる。恋の始まりの鮮烈な印象や、再会を願う切望が静かに響き、短い言葉の中に濃密な情感が詰まった曲になっている。

