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曲情報
「Can’t Buy Me Love」(キャント・バイ・ミー・ラヴ)は、イギリスのロックバンド、ビートルズの曲。シングルのAサイドとして、1964年3月に発表された。作詞作曲はポール・マッカートニーによるもので、レノン・マッカートニー名等でクレジットされている。この曲はアルバム『A Hard Day’s Night』に参加し、同名映画の中でも使用された。シングルはイギリス、アメリカ、オーストラリア、アイルランド、ニュージーランド、南アフリカ、オランダ、フランス、スウェーデンなどのチャートで順位1位を獲得した。イギリスにおいては1960年代で第4位の売上を記録した。
作曲
ビートルズはパリのジョージVホテルに泊まっていた際、スイート内に立てたアップライトピアノを用意して、曲作を続けられるようにした。このピアノでマッカートニーが「Can’t Buy Me Love」を書いたとされる。前作「I Want to Hold Your Hand」がアメリカで大ヒットになったことのプレッシャーもあった。プロデューサーのジョージ・マーチンは、初めてこの曲を聴いたとき、開始と終わりにタグが必要だと感じ、サビの初めの2行を書き換えて一線で結びつける方式を提案した。
この曲は12幅ブルース構造のバースを持ち、ビートルズのオリジナル曲としてはまれなパターンである。
1966年、アメリカの記者たちに「この曲の“本当の”意味」を問われた際、マッカートニーはこう答えた。「物事にはどんな解釈をしてもかまわないと思うけど、『Can’t Buy Me Love』が売春婦のことだなんて言われたら、それはさすがに一線を引くね」
そしてこう続けた「この曲のアイデアは、あらゆる物質的な所有物も結構だけど、僕が本当に望んでいるものはそれでは買えないってことだった」
しかし後年、彼はこうも述べている。「本当は『Can Buy Me Love(愛は金で買える)』だったかもね」と、金と名声がもたらした恩恵を振り返りながら語っている。
録音
録音は1964年1月29日、パリのEMIパテ・マルコーニ・スタジオにて行われた。この頃、ビートルズは同地でオリンピア劇場の公演を18日間行っていた。レコードは予定より早く終わり、近日作られた「Can’t Buy Me Love」のバッキングトラックを録音する時間が確保された。当初はコーラスにコーラスのハーモニーをあわせていたが、聴き返して見た結果、それらを掛けない方が良いとして抵御された。これによって「Can’t Buy Me Love」はビートルズのシングルとしては初めてバックグラウンド・ハーモニーなしの曲となった。
マッカートニーの最終ボーカルは、1964年2月25日、ロンドのEMIスタジオでなされた。その際、ジョージ・ハーリスンのギターソロも修正録音されたが、元のソロも微笑と聞こえる。
発売
「Can’t Buy Me Love」は、シングル「You Can’t Do That」をBサイドとして3月16日にアメリカで、4月20日にイギリスで発売された。アメリカではBillboard Hot 100で続けて5週間首位を獲得し、以下の記録を達成した。
- Billboardで首位に転ずる最大のジャンプ(27位から1位)
- 3曲連続の首位曲
- 1964年4月4日のチャートでは上位5曲をビートルズが独占
- Billboard Hot 100で同時に14曲もランクイン
イギリスでは4曲目の首位を獲得し、総売上は153万枚を超えた。
この曲は後にも複数のベストアルバムやコンピレーションに続々組み込まれており、『1962–1966』『Reel Music』『1』などで再発売された。Rolling Stoneは2010年の「全時代最高の500曲」でこの曲を295位に選んだ。
2015年7月にはPETAのCMで曲が使用され、マッカートニーは2022年のツアー「Got Back」の開幕曲としてこの曲を演奏した。
歌詞の意味
この曲はどれだけお金を使って豪華な物を贈ったとしても本当の愛はそれでは手に入らないというまっすぐな想いを力強く歌っている。主人公は自分にできる限りのものを差し出そうとするけれど、その根底にあるのは見返りではなく相手の気持ちそのものを求める心で、金銭よりも心のつながりを大事にしている姿が際立っている。華やかな贈り物よりも金では買えない感情や共感を求めるテーマが繰り返し強調され、そこに潔さや誠実さがにじむ。相手が物ではなく心を望んでくれることで満たされるという願いも込められていて、軽快なテンポの中に普遍的な愛の価値観がしっかりと刻まれている。全体として、シンプルな言葉の裏に強い信念が通っている、堂々とした愛のメッセージが響く曲になっている。


