- 動画
- 曲情報
- 歌詞の意味
- 歌詞はジョン自身が意味不明であることを認めている
- Shoot me の意味
- タイトル「Come together」の意味
- 「old flat-top」の意味
- 「ju-ju eyeball」「holy roller」の意味
- 髪は膝まで伸びている?
- 「Got to be a joker, he just do what he please」の意味
- 「He wear no shoeshine, he got toe-jam football」の意味
- 猿みたいな指でコカ・コーラを撃ち込む?
- 俺はお前を知ってるし、お前も俺を知ってる
- ただ一つ言えるのは、自由にならなきゃいけないってことさ
- 「bag production」「アザラシ」の意味
- 「Ono sideboard」「spinal cracker」の意味
- 彼の足は膝の下にある??
- 「Hold you in his armchair, you can feel his disease」の意味
- 「He roller-coaster, he got early warnin’」の意味
- 「muddy water」「mojo filter」の意味
- 「1たす1たす1は3」の意味
- 「Got to be good-lookin’, ‘cause he’s so hard to see」の意味
動画

Abbey Road
The Beatles
曲情報
“Come Together”(カム・トゥゲザー)は、イギリスのロックバンド、ビートルズの楽曲で、ジョン・レノンによって作詞・作曲され、レノン=マッカートニー名義でクレジットされている。この楽曲は、1969年のスタジオ・アルバム『Abbey Road』のオープニングトラックとして収録された。また、イギリスでは “Something” とのダブルA面シングルとしてリリースされ、UKチャートで4位を記録した。
この楽曲は、アイク&ティナ・ターナー、エアロスミス、ユーリズミックス、ジョー・コッカー、マイケル・ジャクソンなど、数多くのアーティストによってカバーされている。
背景とインスピレーション
1969年初頭、ジョン・レノンと妻のオノ・ヨーコは、ベトナム戦争に対する非暴力抗議活動「ベッド・イン・フォー・ピース」を行った。5月、モントリオールでのベッド・インの際、北米のカウンターカルチャーの著名人がレノンを訪れた。その中には、LSDの初期の推進者であり、レノンが敬愛していたアメリカの心理学者ティモシー・リアリーも含まれていた。
リアリーは翌年のカリフォルニア州知事選挙に立候補する予定であり、自身のキャンペーンスローガン「Come Together – Join the Party!」に基づいた楽曲をレノンに依頼した。その結果生まれたのは「Come together and join the party(集まってパーティーに参加しよう)」という1行のチャントだった。レノンは楽曲を完成させ録音することを約束し、リアリーもレノンから楽曲のデモテープを受け取ったと後に回想しているが、その後二人が再び交流することはなかった。
1969年7月、ビートルズのアルバム『Abbey Road』のレコーディングセッション中に、レノンはリアリーのキャンペーンソングから「Come Together」のフレーズを取り入れ、新たな楽曲を作曲した。この曲は、アメリカのギタリスト、チャック・ベリーの1956年のシングル “You Can’t Catch Me” に基づいており、元々はアップテンポのブルースナンバーだった。ベリーのオリジナルの歌詞 “Here come a flattop / He was movin’ up with me” をわずかに変え、”Here come ol’ flattop / He come groovin’ up slowly” とした。また、未発表の楽曲 “Watching Rainbows” の「shoot me」というフレーズも取り入れた。
レノンの新曲の歌詞は、オノ・ヨーコとの関係からインスピレーションを得ており、チャック・ベリーの楽曲と同様に、素早く歌詞を畳みかけるスタイルが特徴だった。作家のピーター・ドゲットは、「各フレーズは初めて聴いたときには意味を理解する間もなく流れていき、音そのものが意味と同じくらい重要である」と述べている。
レノンがバンドメンバーにこの楽曲を披露した際、ポール・マッカートニーは “You Can’t Catch Me” に酷似していることに気づき、テンポを落として類似性を減らすことを提案した。バンドの伝記作家ジョナサン・グールドは、この楽曲には単一の「異端者的な主人公」が存在し、レノンが皮肉な自画像を描いていると指摘している。
また、1987年12月に放送されたテレビ番組『West 57th Street』でのセリーナ・スコットのインタビューにおいて、ジョージ・ハリスンはこの楽曲の2行を自身が書いたと語っている。
歌詞の意味
歌詞はジョン自身が意味不明であることを認めている
1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで、ジョン・レノンはこう語っている。「この曲はスタジオで生まれたんだ。意味不明な曲さ。『Come Together』というフレーズはティム・リアリーが作ったもので、(たぶんレーガンに対抗してカリフォルニア州知事選に出馬するために)使っていたんだ。彼は俺にキャンペーンソングを書いてくれと頼んできた。何度も挑戦したけど、いいものが浮かばなかった。でも、結局『Come Together』ができたんだ。だけど彼には使えない曲だったよ。こんなのをキャンペーンソングにはできないだろ?」
Shoot me の意味
未発表の楽曲 “Watching Rainbows” の「shoot me」というフレーズを取り入れた。
「Shoot me」 はレコーディングでは「Shhhhoot me(シュッ・ミー)」のように発音されているため、「Shhhhhh」部分はシンコペーション的な要素として機能している。つまり、実際の歌詞としてよりも、曲のグルーヴを作るための音の一部と考えられる。
ちなみにジョンは「Come Together」がドラッグの歌ではないと言っているため、”shoot“は「注射する」という意味ではない。
タイトル「Come together」の意味
可能な解釈
- ビートルズの団結の呼びかけ
- ビートルズが「分裂しかけていた時期」に書かれた曲であり、「Come Together」=「もう一度団結しよう」 という意味が込められている可能性がある。
- ジョン・レノンはバンド内の緊張を感じており、彼自身が「みんなもう一度一緒にやろうぜ」と呼びかけていたとも解釈できる。
- ティモシー・リアリーの政治キャンペーンからの影響
- このフレーズの元ネタは、ジョンがティモシー・リアリー(LSDの推進者)のカリフォルニア州知事選のために書いた曲だった。
- リアリーのスローガン 「Come together, join the party」(団結して、パーティーに参加しよう)を基にしている。
- しかし、リアリーが選挙活動を中断したため、ジョンは歌詞を再構成し、新しい意味を持たせた。
- スピリチュアルなメッセージ
- 「Come together(団結しろ)」 はヨギ(マハリシ・マヘーシュ・ヨギなど)の思想と関連付ける解釈もある。
- ビートルズはインドで瞑想を学び、その影響を受けた楽曲をいくつか作っている。
- 「すべての人々はつながっており、究極的にはひとつの存在である」という考えが、このフレーズに反映されている可能性がある。
- 性的な意味合い
- 「Come」 は「絶頂に達する(イく)」という性的なスラングとしても使われる。
- 「Come together」は「一緒にイこうぜ」とも解釈できるが、これは後付け的な解釈とも言われる。
- 実際、ビートルズの曲にはダブル・ミーニング(複数の意味が込められた歌詞)が多いので、全く可能性がないとは言い切れない。
- 「Over me」の意味
- 「Over me(俺のもとに)」というフレーズは曖昧で、
- 「俺の上に集まれ」=「俺を中心に団結しよう」
- 「俺の上にいる=俺を超えていけ」
- 「俺を支配する」(overには「優勢な立場」という意味もある)
- どの解釈も可能だが、文脈的には「俺のもとに集まれ」が最も自然と考えられる。
- 「Over me(俺のもとに)」というフレーズは曖昧で、
「old flat-top」の意味
- “old flat-top” → Chuck Berryの曲「You Can’t Catch Me」からの引用。元々は角刈り(フラットトップ)の髪型を指すが、ジョン・レノンが曲の主人公の特徴として使った可能性がある。
- 「昔気質の男」「オールドスクールなスタイルの男」というニュアンスにも取れる。
- 一説には、リチャード・ニクソン(当時のアメリカ大統領)やRingo Starr を指しているとも言われる。
- “he come grooving up slowly” → 「ノリながらゆっくり近づいてくる」という意味。
- 直訳すると「グルーヴしながらゆっくりやってくる」
- 「ゆっくりとした態度で、余裕を持って登場する」とも解釈できる。
「ju-ju eyeball」「holy roller」の意味
- “ju-ju eyeball” → “ju-ju” はアフリカの呪術や魔法を指す言葉。
- 「魔力を持った目」「魅惑的な目」「いかれた目」といった解釈が可能。
- 1960年代のサイケデリック文化やドラッグの影響も連想される。
- “he one holy roller” → “holy roller” は、熱狂的な宗教家(特にペンテコステ派の信者)を指すスラング。
- 皮肉として使われている可能性が高く、「偽善的に宗教にハマっている奴」という意味も考えられる。
- ビートルズのメンバーは一時期インドのマハリシ・ヨギに傾倒していたが、それに対する皮肉とも解釈できる。
髪は膝まで伸びている?
ビートルズの長髪文化への言及と考えられる。「ヒッピー文化の象徴」 → 1960年代の反体制運動では、長髪が自由や反抗の象徴だった。または、単に風変わりな外見の人物を描写している可能性もある。
「Got to be a joker, he just do what he please」の意味
“joker” → 「道化者」「ふざけた奴」「何をしでかすかわからない男」
- 文字通り「おどけた奴」という意味にも取れるが、ここでは「型破りな男」「気ままな男」というニュアンスが強い。
“he just do what he please” → 「彼は好き勝手にやる」
- ルールや常識に縛られず、自分の思うままに行動する人物像を描いている。
- 1960年代のカウンターカルチャー的な自由奔放な生き方を象徴している可能性もある。
「He wear no shoeshine, he got toe-jam football」の意味
“He wear no shoeshine”
- 「靴磨きをしない」→ つまり、小綺麗にしていない・洗練されていない という意味。
- 「身なりに無頓着な人物」を描写している可能性がある。
- 「靴磨き=社会的な見栄や外見を気にすること」 の暗喩とも考えられる。
“He got toe-jam football”
- “toe-jam” → 足の指の間にたまる垢やゴミのこと。
- “football” → 文字通りサッカーやアメフトのボール、またはそのスポーツ自体を指す。
- 一般的な解釈としては、「不衛生なスポーツ好きな男」ということになるが、これが”football“(サッカーやアメフト)をする男の特徴として使われているのか、単に風変わりな比喩表現なのかは不明。
- 一説には、「toe-jam football」=無骨なライフスタイルやストリート感覚を持つ男の象徴」とも言われる。
猿みたいな指でコカ・コーラを撃ち込む?
“He got monkey finger”
- “monkey”(猿)+ “finger”(指)
- 「猿のような指」というのは、
- 指が器用(楽器を演奏する能力の暗喩)
- 指が長い(特徴的な手の形)
- 落ち着きがなく、よく動く(せっかち、または神経質な性格)
- このラインはジョージ・ハリスンの器用さ(ギターのテクニック)を指している可能性もある(一部の解釈では、ビートルズ各メンバーを象徴する歌詞とされている)。
“He shoot Coca-Cola”
- 「コカ・コーラを撃ち込む」→ これが何を意味するかは諸説あり。
- 「shoot」 → 「注射する」「打つ」「放つ」などの意味で使われる。
- 「Coca-Cola」 →
- 文字通りのコカ・コーラ
- “Coca”(コカ)はコカインのことであり、ドラッグの暗喩であるとする説もあるが、ジョンによってこの曲がドラッグについての曲ではないと否定されている。
- 一部の解釈では、「shoot Coca-Cola」は単に「刺激的なものを摂取する」という比喩とも考えられる。
- しかし、このフレーズがBBCによる放送禁止の理由になったのは、当時「Coca-Cola」の商品名が広告とみなされたため(「Lola」の歌詞が「cherry cola」に変更されたのと同じ理由)。
俺はお前を知ってるし、お前も俺を知ってる
これはビートルズのファンや仲間に向けたメッセージとも取れる。
- 「俺たちは知り合いだろ?」=お互いのことは理解している
- ビートルズのファンやリスナーに対し、「俺たち(ビートルズ)のことをもうよく知ってるだろ?」 と語りかけるようなニュアンスもある。
- また、これはカルト宗教的な教えやスピリチュアルな指導者が信者に語りかける言葉にも似ている(ビートルズが一時期関わったマハリシ・ヨギの影響の可能性もある)。
ただ一つ言えるのは、自由にならなきゃいけないってことさ
ここで言う「自由」とは、単に「束縛のない状態」だけでなく、
- 精神的な自由(社会のルールに縛られない)
- 音楽的な自由(ビートルズの枠を超えた表現の可能性)
- 個人の自由(型にはまらない生き方)
など、さまざまな意味が込められている可能性がある。
これは曲全体のメッセージとも関係しており、「Come together, right now, over me」(集まれ、今すぐ、俺のもとに)というフレーズにも繋がる。
- 「個々の違いはあれど、みんな自由になって集まろう」 という意味にも解釈できる。
「bag production」「アザラシ」の意味
“He bag production” はジョンとオノ・ヨーコのPR会社 Bag Productions のこと。
“Walrus gumboot” はジョン・レノンによって書かれたビートルズの楽曲「I Am the Walrus」の「ウォルラス」への言及とも考えられている。
「Ono sideboard」「spinal cracker」の意味
“Ono sideboard” の意味は曖昧だが、「sideboard」は家具の一種なので、ヨーコとの関係を指す可能性があり、また「sideboard(脇へ寄せるもの)」が比喩的にバンドからの距離を示しているとも解釈できる。
“Spinal cracker” は「spine(背骨)」を「crack(砕く)」する人。日本のマッサージを指しているという説もあるが、「精神的にバンドを分断した」ことを暗喩している可能性もある。
彼の足は膝の下にある??
“Feet down below his knee” は言葉通り「足が膝の下にある」だが、皮肉・ジョークの可能性もある(そんなの当たり前だろというユーモア)。
「Hold you in his armchair, you can feel his disease」の意味
これはポピュラー音楽史上、最もよく聞き間違えられる歌詞のひとつである。
すべての出版された楽譜には「armchair」という歌詞が載っており、1967-1970年のコンピレーション・アルバムの内袋にもこの誤った歌詞が記載されていた。他にも「Strawberry Fields Forever」の歌詞など、さまざまなミスがあった。
ジョンは、公式の楽譜やフォリオに誤った歌詞が掲載されていると聞いた後、それを気に入り、結果的に「armchair」のままにすることに決めた。
この部分の歌詞はジョン自身のことを言っていると一般的にみなされている。
「He roller-coaster, he got early warnin’」の意味
“He roller-coaster” → ポールは感情や意見が激しく変わる性格だったとされ、”ジェットコースターみたい” という比喩が使われている可能性。
“He got early warnin'” → ポールはバンド内で早くから警戒されていた、もしくはバンドの経営面での問題を敏感に察知していたという解釈も。
「muddy water」「mojo filter」の意味
“He got muddy water” → これは2つの解釈があり、
- ブルースシンガーの Muddy Waters への言及(ポールはブルースに影響を受けた)。
- 「濁った水」の意味で、ポールがバンドの中で状況を複雑にしていたことを示唆している。
“He one mojo filter” → mojo は魔術や魅力を指す言葉で、filter は「ろ過するもの」。ポールがバンドの方向性を決める影響力を持ち、「バンドをフィルタリングしていた」とも解釈できる。
「1たす1たす1は3」の意味
“One and one and one is three” → 数学的には当然の式だが、「1人+1人+1人=3人」、つまりポール抜きのビートルズは成り立たない、または「3人でもバンドは続けられる」という皮肉とも取れる。
ポール・マッカートニーが死亡したという噂が広まっていたとき、一部のファンは「One and one and one is three(1たす1たす1は3)」という歌詞が、「ジョージ、ジョン、リンゴの3人だけが残った」という意味だと解釈した。
「Got to be good-lookin’, ‘cause he’s so hard to see」の意味
“Got to be good-lookin’, ‘cause he’s so hard to see” →
- ポールは「ビートルズの可愛い担当」とされていたので、「イケメンでないとダメ」という皮肉。
- 「見た目が良いはずなのに、実際の彼の本心は見えづらい」といった解釈も可能。
また、この歌詞はポール・マッカートニーが死亡したという噂が広まっていたとき、ポールが霊だから見にくいのではないかと考えられた。

