【歌詞和訳】The Beatles – Polythene Pam

動画

歌詞&翻訳

Well, you should see Polythene Pam
おい、ポリエチレン・パムを見てみなよ
She’s so good-looking, but she looks like a man
すごく美人なのに、まるで男みたいなんだ
Well, you should see her in drag dressed in her polythene bag
ポリエチレンの袋をまとったドラァグ姿は圧巻だよ
Yes, you should see Polythene Pam
そうさ、ポリエチレン・パムを見たほうがいい

Yeah, yeah, yeah

Get a dose of her in jackboots and kilt
ジャックブーツにキルト姿の彼女を味わってみなよ
She’s killer-diller when she’s dressed to the hilt
ド派手にキメた姿はマジでヤバいから
She’s the kind of a girl that makes The News of the World
彼女は「ニュース・オブ・ザ・ワールド」のネタになるような女さ
Yes, you could say she was attractively built
そう、魅力的な体つきだと言えるよ

Yeah, yeah, yeah

(Hey!) Great!
(おい!)かっこいいな!

曲情報

 ”Polythene Pam”(ポリシーン・パム)は、イギリスのロックバンド、ビートルズの楽曲で、1969年のアルバム『Abbey Road』に収録されている。ジョン・レノンが作詞・作曲し、レノン=マッカートニー名義でクレジットされている。アルバムB面のメドレーの4曲目に位置し、続く「She Came In Through the Bathroom Window」と連続した楽曲として録音された。

背景と作曲

 この楽曲は、ビートルズが1968年にインド滞在中にレノンによって書かれた。正式に録音されることはなかったが、セッション前にジョージ・ハリスンの自宅(イーシャー)でデモが録音されている。このデモは『Anthology 3』や『The Beatles(2018 Super Deluxe Edition)』に収録されている。レノンはこの曲を『Anthology』で「インドで書いたくだらない曲のひとつ」と述べている。

 1980年、レノンは「Polythene Pam」について「ジャージー島での出来事を思い出して書いたんだ。ある男がいて、彼はイギリス版アレン・ギンズバーグのような存在だった。その男が紹介してくれた女性がポリシーンの服を着ていたんだ。それを少し脚色して、ジャックブーツやキルトを身に着けた『ポリシーンの袋に包まれた変態的な女性』というキャラクターにした」と語っている。「イギリス版アレン・ギンズバーグ」とは、ビートルズがキャヴァーン・クラブ時代に知り合った作家ロイストン・エリスのことを指している。また、レノンはこの楽曲を「リバプールの神話的な売春婦」についての歌とも語っている。

 楽曲タイトルの由来は、キャヴァーン・クラブ時代の熱心なビートルズ・ファン、パット・ホジェット(現ダウソン)にある。彼女はポリシーンを食べることで知られ、「Polythene Pat」と呼ばれていた。彼女は後のインタビューで「私はいつもポリシーンを食べていたの。結んでから食べたり、燃やして冷えたら食べたりしていた」と述べている。

『Abbey Road』での配置

 この楽曲は前曲「Mean Mr. Mustard」と繋がっており、音楽的にも物語的にもリンクしている。「Mean Mr. Mustard」の歌詞では、「His sister Pam」という一節が登場するが、これは元々「His sister Shirley」だったものを、メドレーの繋がりを意識して変更したものである。当初、「Her Majesty」は「Mean Mr. Mustard」と「Polythene Pam」の間に配置されていたが、最終的にはアルバムの最後に移動された。

 この曲は、続く「She Came In Through the Bathroom Window」へとスムーズに繋がる構成になっている。

録音

 ビートルズは1969年7月25日にロンドンのEMIスタジオで「Polythene Pam」と「She Came in Through the Bathroom Window」の基本トラックを録音した。ラインナップはレノンが12弦アコースティックギター、ハリスンがリードギター、マッカートニーがベース、スターがドラムを担当した。レノンとマッカートニーはガイドボーカルを歌いながら録音を進めた。

 曲中のギターソロの際、レノンは「Fab! That’s great! Real good, that. Real good…」と叫んでおり、その一部は完成版にも残されている。音楽評論家イアン・マクドナルドは、本曲の冒頭の力強いアコースティックギターのコードが、当時シングルとしてリリースされていたザ・フーの「Pinball Wizard」に似ていると指摘している。

 7月28日にオーバーダブ作業が行われ、ピアノやエレクトリックピアノが追加されたが、最終的には多くのパートがカットされた。録音は7月30日に完了し、ボーカルやギター、パーカッションの追加録音が行われた。この中には、ハリスンが「She Came In Through the Bathroom Window」へと繋がる下降音を演奏するリードギターも含まれている。

メンバーと担当楽器

 Walter Everettによると、以下の通りである。

  • ジョン・レノン – リードボーカル、12弦アコースティックギター
  • ポール・マッカートニー – バッキングボーカル、ベースギター
  • ジョージ・ハリスン – バッキングボーカル、リードギター
  • リンゴ・スター – ドラムス
  • クレジットなし – タンバリン、マラカス、カウベル、ウィップクラップ・パーカッション

歌詞の意味

Polythene Pam(ポリシーン・パム)の意味

Well, you should see Polythene Pam
おい、ポリエチレン・パムを見てみなよ

 Polythene(ポリシーン)はポリエチレンのことで、ここではポリエチレンの袋をまとっていることを言っている。レノンによれば、実際にポリエチレンを好んで食べる女性ファン「Polythene Pat」という人物がモデルになっているが、歌詞の内容自体は創作を交えたもの。

 パムは女性名パメラの略称。この曲が収録されたアルバム『Abbey Road』に収録されている「Mean Mr. Mustard」(ケチなマスタードさん)のsister(姉か妹)として登場するのがパムである。

ドラァグとは?

 性別を超えた派手な衣装やメイクをしてパフォーマンスを行うことを指す。
「ドラァグ・クイーン(Drag Queen)」や「ドラァグ・キング(Drag King)」という言葉もあり、それぞれ男性が女性的な装いをするパフォーマー、女性が男性的な装いをするパフォーマーを指す。
 一般的に舞台パフォーマンスやエンターテイメント(キャバレー、クラブなど)でのスタイルを意味するが、時にはファッションとしての表現や自己表現の一形態としても使われる。

The News of the World とは?

She’s the kind of a girl that makes The News of the World
彼女は「ニュース・オブ・ザ・ワールド」のネタになるような女さ

 「News of the World」 は、イギリスの大衆新聞 『News of the World』(1843年創刊、2011年廃刊)のこと。

 クイーンのアルバム 『News of the World』(1977年) は、この新聞の名前から取られている。

 ビートルズの歌詞での意味は、「ゴシップ新聞に載るようなスキャンダラスな女」というニュアンスで使われている。

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