【曲解説】The Beatles – Twist and Shout

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エド・サリヴァン・ショーでのパフォーマンス

曲情報

「Twist and Shout」(ツイスト・アンド・シャウト)は、フィル・メドレーとバート・バーンズ(後に「バート・ラッセル」としてクレジット)が作詞・作曲した1961年の楽曲。最初に録音したのはザ・トップ・ノーツだったが、1962年にアイズレー・ブラザーズがアルバム『Twist & Shout』のために再構成して録音したことでチャート入りを果たした。その後、多くのアーティストがカバーしており、ビートルズ、ソルト・ン・ペパ、チャカ・デマス&プライヤーズなどのバージョンがヒットした。

ビートルズによる「Twist and Shout」のバージョンは、アイズレー・ブラザーズ版に触発され、1963年のイギリスでのデビューアルバム『Please Please Me』に収録された。ジョン・レノンがリードボーカルを担当し、録音時には声がかすれていたため、レノンは後に「もっと上手く歌えたはずで恥ずかしいと思っていた」と語っているが、今では気にならなくなったという。2テイク目も試みられたが、レノンの声が限界に達しており中断された。曲の最後では咳をするレノンの声が確認できる。このバージョンは「ロック史上最も有名なワンテイク」とも評されており、マーク・ルイソーンは「史上最も衝撃的なロックンロールのボーカルおよび演奏」と評価している。

アメリカでは1964年3月2日にシングルとして「There’s a Place」をB面にリリースされ、4月4日にはビルボード・シングルチャートで2位を記録した。この週、チャートの上位5曲すべてがビートルズの楽曲だった。また、この曲はアメリカでミリオンセラーとなった唯一のビートルズによるカバーソングであり、カバー曲として唯一、全米チャートのトップ10に入った作品でもある。1位を獲得できなかったのは、同じくビートルズの「Can’t Buy Me Love」が1位を保持していたためである。一方、キャッシュボックス誌では同週に1位を記録した。

イギリスではパーロフォンからEP『Twist and Shout』として「Do You Want to Know a Secret」「A Taste of Honey」「There’s a Place」とともにリリースされ、EPおよびアルバム『Please Please Me』の両方が1位を獲得した。カナダでは1964年2月3日にキャピトル・レコード・オブ・カナダからリリースされたビートルズの2作目のアルバムのタイトル曲となった。

1963年10月の『サンデー・ナイト・アット・ザ・ロンドン・パラディウム』や11月の『ロイヤル・バラエティ・パフォーマンス』での演奏により、ビートルズの代表的なライブナンバーとなった。後者のパフォーマンスは1995年の『Anthology 1』にも収録されている。1964年2月の『エド・サリヴァン・ショー』出演時にも演奏され、1965年のアメリカ・ツアー終了までライブ演奏を継続した。さらに、BBCのテレビやラジオ用に9回録音され、最も早いものは1962年11月27日の『Talent Spot』での録音だった。

1986年には映画『フェリスはある朝突然に』でマシュー・ブロデリックがこの曲に合わせて口パクを披露し、同年公開の『バック・トゥ・スクール』ではロドニー・デンジャーフィールドがビートルズ版に近いアレンジで歌唱した。これらの使用によって楽曲は再注目され、1986年9月27日付のビルボード・ホット100で23位に再浮上し、1980年代にビートルズがチャートインさせた2曲目のシングル(1曲目は1982年の「The Beatles’ Movie Medley」)となった。

2008年には、イギリスの音楽誌『Total Guitar』の読者投票で「史上最高のカバーソング」の第2位に選ばれた。

2010年11月、ビートルズの楽曲がiTunesで配信開始されたことをきっかけに再びチャート入りし、イギリスのシングルチャートで最高48位を記録した。

歌詞の意味

この曲は、ビートルズ初期の勢いとライブバンドとしての爆発力をそのまま詰め込んだ、純度100%のロックンロール賛歌。歌詞はとにかく「踊れ」「近くに来い」「もっと盛り上がれ」というシンプルで衝動的な呼びかけで構成されていて、ストーリーよりも熱量が前面に出てくるタイプの曲。

冒頭からひたすら相手を煽り続けて、ツイスト・ダンスのリズムに乗って身体を動かす楽しさを強調する。相手の女の子の見た目や雰囲気に惹かれ、近くに寄ってきてほしいと強く求めるニュアンスが続き、言葉のやり取りよりもダンスの高揚感が主役になっている。

繰り返される呼びかけは、恋のときめきというよりも身体的なノリの一体感に近く、ライブハウスで汗が飛ぶような空気がそのまま伝わる。ボーカルの荒々しいシャウトも手伝って、「好きだから踊れ」「もっと近くに来て」という勢いに任せた感情が最後まで突っ走る。

全体として、深い意味を探す曲ではなく、ただひたすら盛り上がり、相手と一緒に踊り倒す瞬間を楽しむためのロックンロールになっている。

ツイストとは?

▼以下の動画の0:19~0:30までの動きがツイスト

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