【曲解説】The Doors – Hello, I Love You

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「Hello, I Love You(ハロー・アイ・ラヴ・ユー)」は、アメリカのロックバンド、ドアーズが1968年のアルバム『Waiting for the Sun』のために録音した楽曲である。エレクトラ・レコードによって同年にシングルとしてリリースされ、アメリカとカナダのチャートで1位を記録した。楽曲の作詞作曲はドアーズにクレジットされているが、他のアーティストの楽曲が元になっている可能性が指摘されている。

一部のファンの間では、このシングルは商業的すぎてドアーズらしくないと否定的に捉えられており、歌詞の浅さからバンドのサウンドを代表するものではないとされる。ドアーズ自身も、エレクトラ・レコードからこの楽曲を3枚目のアルバムに収録するよう強く迫られた際に強く反対していた。というのも、この曲は彼らが最初期に演奏していた楽曲の1つであり、すでに進化を遂げた自分たちの音楽性にそぐわないと感じていたからである。

作曲

「Hello, I Love You」は1965年に作曲・初録音されており、当時はドアーズの前身バンドであるRick & the Ravensによって録音された6曲のうちの1つで、レコード契約を得るために制作された。歌詞は、ジム・モリソンがヴェニスビーチで見かけた若い黒人の女性にインスパイアされており、「Do you hope to pluck this dusky jewel?(このくすんだ宝石を摘み取るつもりか?)」というフレーズにそれが表れている。

シングルおよび『Waiting for the Sun』のライナーノーツではグループによる作曲とされているが、パフォーマンス権を管理するASCAPでは各メンバー個人が作詞作曲者として登録されている。楽曲の構成の大部分はイ長調で記譜されている。

盗作論争

『The Doors: Box Set』のライナーノーツにおいて、ロビー・クリーガーは、レイ・デイヴィスの作曲によるキンクスの「All Day and All of the Night」から楽曲の構造を盗用したという非難を否定している。代わりに、クリーガーはこの曲のドラムビートはクリームの「Sunshine of Your Love」から取ったものだと述べている。しかし、レイ・デイヴィスは2012年の『Mojo』誌のインタビューで次のように語っている。

「ツアー中、出版社の人間が来て、『ドアーズが”All Day and All of the Night”のリフを”Hello, I Love You”で使った』と言ったんだ。僕は『訴える代わりに、彼らに認めさせよう』と言ったら、彼は『もう認めてる。だから訴えるべきだ』と(笑)。ジム・モリソンはそれを認めたんだ。それが一番大事なことだった」

2014年の『Rolling Stone』誌のインタビューでは、デイヴィスはドアーズと裁判外で和解に至ったことを示唆している。キーボーディストのレイ・マンザレクも『Musician』誌のインタビューで「確かにキンクスの曲に似ている」と認めている。

歌詞の意味

この曲は街ですれ違った女性に一瞬で魅了された主人公が衝動的な欲望と憧れをそのまま言葉にして追いかける様子を描いている曲。女性は周囲に無関心で、気高さと神秘性を兼ね備えた存在として描写され、主人公はその圧倒的な雰囲気に飲み込まれていく。彼女の動きや佇まいは誇張された比喩で示され、手の届かない存在への熱狂が高まる。

全体として、出会いの瞬間に生じる衝動的な恋心と、相手に触れられないもどかしさを、大胆で幻想的なイメージによって表現した曲となっている。

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