音源
オーディオ
アルバム『My Songs』のデラックスエディションに収録されたライブバージョン

The Police Collection
The Police
曲情報
「Next to You(ネクスト・トゥ・ユー)」はスティングが作曲し、ポリスが1978年のデビューアルバム『Outlandos d’Amour』の冒頭曲として録音した楽曲である。
バンドは初期のツアーでこの曲を頻繁に演奏し、スティングも2005年から2006年にかけての「Broken Music」ツアーで取り上げた。2007年のポリス再結成ツアーではアンコール2曲目として演奏され、9月29日のパリ公演では元メンバーのヘンリー・パドゥヴァーニがステージに加わり、この曲を演奏した。「Next to You」はポリスがバンドとして最後にライブで演奏した曲でもある。
スティングがこの曲を初めてバンド仲間に提示したとき、彼らは当時のポリスの初期パンク的な感覚には攻撃性も政治性も足りないと感じた。アンディ・サマーズとスチュワート・コープランドは歌詞の差し替えを提案し、サマーズは「君に銃を突きつけてやる(I’m going to take a gun to you)」というフレーズを提示したが、スティングはこれを却下し、自身のオリジナルのラブソングの歌詞を残した。また、この曲にはスライドギターのソロが含まれており、コープランドはこれを「オールドウェイヴだ」と一蹴したが、サマーズは2000年に「今でもあの素晴らしいスライドギターソロについての手紙を受け取っている」と語っている。
歌詞の意味
この曲は、相手への強烈な執着と、そばにいたいという衝動だけで突き動かされる心の暴走を描いてる。距離が離れていることに耐えられず、日常のどんなものも価値を失い、持っていたものすべてを手放してでも相手のそばに行きたいという気持ちだけが残っている。理性や常識よりも感情が先に走り、自分でも制御できない状態に陥っている。
過去には多くの恋を経験してきたのに、今回だけはまったく違う感覚に呑み込まれ、何が自分をここまで変えたのか理解できないほど圧倒されている。単なる恋愛のはずなのに、心が壊れそうなほど深く刺さり、引き返すことも距離を置くこともできない。繰り返される叫びのような思いは、求めても届かない切実さと、どうしようもないほどの依存に近い渇望を表してる。
全体を通して、恋に飲み込まれた心が暴走し、理屈では説明できない衝動に揺さぶられている姿が、激しさと焦燥感の中でむき出しに描かれている曲。


