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The Police Collection
The Police
曲情報
「So Lonely」はイギリスのロックバンド、ポリスの楽曲で、デビューアルバム『Outlandos d’Amour』(1978年)からの3枚目にして最後のシングルとして、1978年11月24日に発売された。シングルは1980年2月にイギリスで再発され、全英シングルチャートで6位を記録した。楽曲はレゲエスタイルを取り入れており、リードボーカルはスティングが務めている。
この曲はリンベックやザ・ミリシア・グループをはじめ、複数のアーティストによってカバーされている。
背景
スティングはこの曲をボブ・マーリーの「No Woman, No Cry」に基づいて作ったと語っている。
「3つのコードをかき鳴らすだけでは音楽的に僕らの興味を引かなかった。レゲエはパンクシーンでも受け入れられていて、音楽的により洗練されていて、僕らは演奏できたからそちらへ進んだ。正直に言えば、『So Lonely』はマーリーの『No Woman, No Cry』から遠慮なく拝借したんだ。同じコーラスさ。僕らが発明したのは、スラッシュ・パンクとレゲエを行き来する手法だった。それが僕らのニッチを生んだんだ。」
— スティング(Revolver誌 2000年4月号)
歌詞の一部は、スティングの前身バンド「ラスト・イグジット」の曲「Fool in Love」から再利用されている。歌詞は失恋した孤独な人物について歌われており、多くの聴衆には「皮肉」と受け止められた。しかしスティングはそれを否定し、「全く皮肉ではない」と語っている。彼は、注目を浴びながらも孤独を感じ、その後すぐにその注目が消え去るという経験を説明した。
リリース
「So Lonely」は「Roxanne」「Can’t Stand Losing You」に続き、アルバム『Outlandos d’Amour』からの3枚目にして最後のシングルとして1978年11月に発売された。初回発売時にはチャート入りしなかったが、再発時には全英6位を記録した。アルバムからの他のシングルも1978年当時は低調だったが、再発で大きな成功を収めている。
ミュージックビデオ
この曲のビデオは1980年に撮影され、バンドが香港の街や東京の地下鉄を歩き回る様子が描かれている。バンドはトランシーバーに向かってリップシンクし、スチュワート・コープランドはバスや売り物などの物体をドラム代わりに叩いている。
B面
B面曲「No Time This Time」は元々アルバム未収録曲であったが、アルバム『Reggatta de Blanc』の収録時間を補うために後に収録された。
誤聴(モンデグリーン)
この曲は、タイトルの「So Lonely」が「Sue Lawley」と聞き間違えられることで有名である。スー・ローリーは当時BBCのニュースリーダーとして知られており、後にBBC Radio 4の『Desert Island Discs』の司会を務めた。2020年に行われたイギリスの調査では、この誤聴が「最もよく誤解される歌詞」として1位に選ばれている。
歌詞の意味
この曲は、愛を向けても受け取ってもらえず、その結果深い孤独に沈んでしまった主人公の心情を、淡々としつつも切実に描いている。相手の冷たいそぶりや無関心に直面し、自分だけが思いを抱えていたことを悟った彼は、誰にも寄りかかれないまま心の傷を抱え続ける。
相手を失ってからというもの、彼の世界には訪問者も変化もなく、ただ同じ孤独が繰り返される。外の世界から切り離されたような感覚の中で、彼は自分の心の奥を“劇場”にたとえ、そこで自分自身が主演として永遠に孤独な芝居を続けているのだと語る。この比喩が、孤独の長さと深さを強く印象づける。
何度も反復されるフレーズは、空虚さと苦しさが耐えず押し寄せる感覚そのもの。逃げ場も癒しも見つからない心の状態を、執拗なまでの“寂しさ”の反響として音楽に刻み込んでいる。
全体として、拒絶された愛の痛みと、その後に残る果てしない孤独を生々しく描いた曲。外の世界とは切り離された内面の暗がりを淡々と見つめることで、静かで深い孤独の重さが胸にのしかかってくる。


