動画
ミュージックビデオ
オーディオ(2024リマスター)
歌詞&翻訳
Unos dos tres catorce!
1、2、3、14!
(Turn it up loud, captain)
(音をもっと大きくしてくれ、キャプテン)
Lights go down, it’s dark
光が消えて、闇が広がる
The jungle is your head
ジャングルのような君の頭の中
Can’t rule your heart
でも心は支配できない
A feeling is so much stronger than a thought
感情は思考よりもずっと強い
Your eyes are wide
君の瞳は大きく見開かれ
And though your soul
そして君の魂は
It can’t be bought
買えないけど
Your mind can wander
思考は迷い続ける
Hello hello (¡Hola!)
ハロー、ハロー(やあ!)
I’m at a place called Vertigo (¿Dónde está?)
俺はヴァーティゴって呼ばれる場所にいるんだ(どこだそれ?)
It’s everything I wish I didn’t know
知りたくもなかったことがすべてここにある
Except you give me something I can feel, feel
でも君だけが感じられるものをくれる、感じられるものを
The night is full of holes
夜空には無数の穴が空いている
As bullets rip the sky
弾丸が、インクのように黒い空を引き裂き
Of ink with gold
そこに金色の光が散らばる
They twinkle as the boys play rock and roll
それらはロックンロールを奏でる男たちとともにきらめく
They know they can’t dance
彼らは踊れない
At least they know.
少なくとも、それは自覚してる
I can’t stand the beats
このビートには耐えられない
I’m asking for the cheque
お会計を頼んでるところだ
The girl with crimson nails
深紅のネイルをしたあの子は
Has Jesus round her neck
首にイエスをかけて揺れてる
Swinging to the music
音楽に合わせて揺れながら
Swinging to the music
音楽に合わせて揺れながら
Oh oh oh oh
Hello hello (¡Hola!)
ハロー、ハロー(やあ!)
I’m at a place called Vertigo (¿Dónde está?)
俺はヴァーティゴって呼ばれる場所にいるんだ(どこだそれ?)
It’s everything I wish I didn’t know
知りたくもなかったことがすべてここにある
But you give me something I can feel, feel
でも君だけが感じられるものをくれる、感じられるものを
Checkmated!
チェックメイト!
Just fun!
ただの遊びさ!
She made it in, yeah!
彼女は目的を果たしたんだ!
All of this, all of this can be yours
このすべて、このすべてが君のものになるよ
All of this, all of this can be yours
このすべて、このすべてが君のものになるよ
All of this, all of this can be yours
このすべて、このすべてが君のものになるよ
Just give me what I want and no-one gets hurt.
俺の望むものを渡せば、誰も傷つかないですむ
Hello hello (¡Hola!)
ハロー、ハロー(やあ!)
We’re at a place called Vertigo (¿Dónde está?)
俺たちはヴァーティゴって呼ばれる場所にいるんだ(どこだそれ?)
Lights go down and all I know
光が消えて、俺がわかるのは
Is that you give me something
君が確かに何かをくれるってことだけ
I can feel your love teaching me how
君の愛が俺に教えてくれる
Your love is teaching me how, how to kneel
君の愛が俺に教えてくれる、跪くことを
Yeah yeah yeah yeah yeah yeah yeah (Yeah)
Yeah yeah yeah yeah yeah yeah yeah yeah
曲情報
U2の”Vertigo”(ヴァーティゴ)は、アイルランドのロックバンドU2の楽曲であり、2004年の11枚目のスタジオ・アルバム『How to Dismantle an Atomic Bomb』の冒頭を飾る曲である。2004年11月8日にアルバムのリードシングルとしてラジオで解禁され、大きな反響を呼んだ。発売初週だけで3万枚以上を売り上げ、AppleのiPodテレビコマーシャルで使用されたことも相まって国際的な成功を収めた。曲は2005年から2006年に行われたバンドのヴァーティゴ・ツアーの名称にもなっている。
アメリカではビルボードHot 100で31位、オルタナティブ・ソングス・チャートで1位を記録したほか、デンマーク、ギリシャ、アイルランド、イタリア、スペイン、イギリスのシングルチャートで1位となり、オーストラリア、オーストリア、ベルギー(ワロン地域)、カナダ、フィンランド、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スウェーデン、スイスのチャートでもトップ10入りを果たした。第47回グラミー賞では最優秀ロック・パフォーマンス(デュオまたはグループ)、最優秀ロック・ソング、最優秀ショートフォーム・ミュージックビデオの3部門を受賞している。
また、「Vertigo」はローリング・ストーン誌が選ぶ2000年代ベストソング100で64位にランクインした。
作詞・レコーディング
「Vertigo」は、ギタリストのエッジがマリブの自宅で簡易的なPro Toolsのセットを使って作ったデモをもとに生まれた。ドラマーのラリー・マレンJr.が録音したドラムループを流しながら「21世紀におけるロックンロールのギターとは何か」を探求している最中、いくつかのギターリフが生み出された。そのうちのひとつは、エッジが1957年製Fender Deluxeアンプを初めて使ってから20分ほどで完成したという。当初このデモには「Full Metal Jacket」という仮タイトルが付けられていた。
リード・シンガーのボノはこのリフを聴き、「ロックンロールのすべてが詰まったような曲」と高く評価し、「こんな曲があるならアルバムを作る価値がある」と強く感じたという。バンドはパンクロック的なエネルギーとメンバー同士の共同作業を期待し、クリス・トーマスをプロデューサーに起用してレコーディングを進めた。実際に長い時間をかけて曲のメロディやリズムのアイデアを模索していた当初は、「Native Son」というタイトルで完成されたバージョンまで作ったものの、最終的には納得がいかずに再構築が行われた。
2004年1月、スティーヴ・リリーホワイトがプロデューサーとして加わり、メンバーはスタジオ内の広いスペースで再録音を行った。ガイドボーカルの段階でボノは歌詞に違和感を覚え、フレーズの大部分が書き換えられることになった。いくつかの仮称を経て最終的に「Vertigo」というタイトルに落ち着き、サビの「Hello, hello」の部分は他者の意見も参考に採用されたという。エッジによれば、デモでのアイデアはほぼ最終形にも引き継がれており、ギター・トーンは1966年製Fender Telecaster、Line 6 DM4 Distortion Modeler、Korg SDD-3000デジタルディレイ、そしてFender Deluxeアンプという4つの機材によって生み出されている。
構成
曲の冒頭でボノがスペイン語で「Unos, dos, tres, catorce!」とカウントしている点が特徴的で、文字通り訳すと「1、2、3、14」となり、一見すると不思議な数え方になっている。これについてボノは、「お酒の影響があったかもしれない」と語った。サビでは「Hello, hello」というフレーズが印象的に繰り返されるが、背景でスペイン語の「¡Hola!」がかぶさる形で歌われたり、「¿Dónde está?」という言葉が歌詞に混ざっていたりする。ライブでは曲中に「Stories for Boys」(アルバム『Boy』収録)の一節を組み合わせることもある。
プロモーション
「Vertigo」はAppleのiPodコマーシャルに起用され、バンドもCM内でパフォーマンスを披露した。これはアルバムのプロモーションと、iPodやiTunesなどAppleの音楽関連製品の販促を兼ねた連携キャンペーンの一部である。
ライブ・パフォーマンス
「Vertigo」は2004年から2005年にかけていくつかのプロモーション出演で演奏されたあと、ヴァーティゴ・ツアー初日の公演で正式にツアー演奏が始まった。以降、2017年の『The Joshua Tree Tour 2017』序盤の数公演を除いて、ほぼすべてのフルコンサートで演奏されている。北米アリーナ公演や2006年のスタジアム公演では、通常2曲目に「City of Blinding Lights」の後に披露された。ヨーロッパのスタジアム公演などではオープニング曲としても使われ、時には2回演奏されることもあった。
U2 360°ツアーでは主にセット中盤、やはり「City of Blinding Lights」の後に演奏されることが多かった。Innocence & Experienceツアーでは3曲目に配置され、ステージ上で電球が揺れる演出が印象的だった。『The Joshua Tree Tour 2017』や2019年の公演ではアンコール曲として再び演奏され、エクステンデッドアウトロやヴァーティゴ・ツアー時のビジュアル演出が復活している。Experience + Innocenceツアーでは「Elevation」の後に続けて演奏され、ボノが「MacPhisto」というキャラクターで歌うスタイルが取り入れられた。
メディアでの使用
Redanka Powerによるリミックス版は、2006年にNine Networkの金曜ナイトAFL放送のBGMとして使用された。
チャート成績
「Vertigo」はリリースと同時にビルボードのモダン・ロック・トラックスで18位、Hot 100で46位に初登場し、短期間でそれぞれ1位やトップ10へと急上昇した。ディジタル配信の売上がビルボードHot 100の集計に反映されない時代であったため、もし反映されていればさらに上位に食い込んだだろうと推測されている。
イギリスでは、発売後すぐにチャート1位を獲得し、そのまま1週間トップを維持した。オーストラリアでは初登場5位を記録し、Triple Jの年間投票企画「Hottest 100 of 2004」では38位となった。オランダのMega Top 100では2位を獲得している。ブラジルでは5万件以上のダウンロードを達成し、ゴールドディスクに認定された。
ミュージックビデオ
ミュージックビデオでは、U2が何もない砂漠のような場所で演奏しており、各メンバーの背後から黒いジェットストリームのようなものが噴出している。地面にはアルバムのアートワークにも使われている大きな白い的(ターゲット)のシンボルが描かれている。バンドが演奏する円形のステージは螺旋状に上下しており、風がメンバーの顔に吹きつける。監督はAlex & Martinが務め、スペインのエブロ川デルタのプンタ・デル・ファンガールで撮影された。このビデオは2005年のグラミー賞で最優秀ショートフォーム・ミュージックビデオを受賞している。
歌詞の意味
タイトル「Vertigo」の意味
この曲の中の「Vertigo」には複数の意味が込められている可能性が高いため、無理に訳して限定的な意味にせずに、そのままカタカナ表記を訳として採用した。
1. めまい(Vertigo = めまい、錯乱、混乱)
- “Vertigo” は医学的には 「めまい」「平衡感覚の喪失」 を意味する。
- 歌詞では 「現実と非現実が混ざり合う、混乱した状態」 を指している可能性が高い。
- 「俺はヴァーティゴって呼ばれる場所にいる」= 「めまいがするような混沌の中にいる」 という比喩。
2. アルフレッド・ヒッチコックの映画『Vertigo』(邦題:『めまい』)
- 1958年のヒッチコックの映画『Vertigo』は、幻想と現実が入り混じる不安定な世界観を描いている。
- U2はよく映画や文学を歌詞の中に取り込むので、この映画の影響も考えられる。
- 現実と幻想の境目が曖昧になるような感覚を「Vertigo」として表現しているのかもしれない。
3. 精神的な混乱や堕落
- 曲全体のテーマとして「誘惑・狂気・混乱・麻薬・暴力」などの要素が含まれている。
- 「Vertigo(めまい)」のように「頭がクラクラする状態」=「誘惑や堕落に引き込まれる感覚」を指している可能性もある。