動画
曲情報
「エヴリシング・シー・ウォンツ」はイギリスのポップデュオ、ワム!の曲で、1984年にエピック・レコードから「ラスト・クリスマス」との両A面でシングルとして最初にリリースされた。この曲はデュオのメンバーであるジョージ・マイケルによって作詞・作曲・プロデュースされ、アメリカで3曲連続のミリオンセラーナンバーワンヒットとなった。
この曲はアルバム『Make It Big』に収録された。
歌詞の意味
この曲は尽くしても尽くしても満たされず、何のためにここまで働き、支え、与えてきたのか分からなくなっていく心情を、明るいサウンドに乗せて吐き出してる。主人公は相手を愛していると思い込んで関係に飛び込んだものの、時間が経つほど相手の欲望だけが膨らみ、自分の努力は評価されず、どんなに頑張っても届かない虚しさばかりが増えていく。
相手は欲しがるばかりで、与える側に回ることはない。結婚とは支え合いだと言われても、現実には奪われるばかりで、ふたりの未来を語るはずの妊娠の知らせさえ、主人公にとってはさらなる重荷として響いてしまう。自分が限界まで働いてもまだ不十分だと言われる感覚が、骨の折れる疲れとして描かれている。
本気で愛しているのかどうかさえ分からなくなり、なぜ自分はこんなに頑張ってしまうのかという疑問が胸を締めつける。気づけば関係を維持するためだけに生きているような状態で、それが愛なのか惰性なのか、もはや判断もつかない。
軽快に聞こえるメロディの下に、搾取される側のやりきれなさと、やめたいのにやめられない関係の泥沼が潜んでいる。全体として、自分を見失っていく恋愛の不条理を鋭く描いた曲になっている。


