【歌詞和訳】Eagles – Hotel California

動画

オフィシャルビデオ

オーディオ

歌詞&翻訳

On a dark desert highway
暗い砂漠のハイウェイを走り
Cool wind in my hair
冷たい風が髪をなびかせる
Warm smell of colitas
コリタスの暖かな香りが
Rising up through the air
空気の中に立ち上っていく

Up ahead in the distance
遠くの方に
I saw a shimmering light
きらめく光が見えた
My head grew heavy and my sight grew dim
頭が重くなり、視界がぼやけてきた
I had to stop for the night
だから、一晩ここで休むことにした

There she stood in the doorway
そこに彼女が立っていた
I heard the mission bell
ミッションベルの音が聞こえる
And I was thinkin’ to myself
そして自問する
“This could be Heaven or this could be Hell”
「ここは天国なのか、それとも地獄なのか」

Then she lit up a candle
彼女はロウソクに火を灯し
And she showed me the way
そして俺を導いた
There were voices down the corridor
廊下の奥から声が聞こえる
I thought I heard them say
そして、その声がこう言っているように思えた

“Welcome to the Hotel California
「ようこそ、ホテル・カリフォルニアへ」
Such a lovely place (Such a lovely place)
「なんて素敵な場所(なんて素敵な場所)」
Such a lovely face
「なんて美しい顔」

Plenty of room at the Hotel California
「ホテル・カリフォルニアには部屋がたくさんある」
Any time of year (Any time of year)
「どんな季節でも(どんな季節でも)」
You can find it here”
「ここで見つけられる」

Her mind is Tiffany-twisted
彼女の心はティファニーの輝きに狂わされ
She got the Mercedes Benz, uh
彼女はメルセデス・ベンツを手に入れた
She got a lot of pretty, pretty boys
彼女にはたくさんの美しい男たちがいて
That she calls friends
彼らを「友達」と呼んでいる

How they dance in the courtyard
中庭で踊る彼ら
Sweet summer sweat
甘い夏の汗を流しながら
Some dance to remember
思い出すために踊る者もいれば
Some dance to forget
忘れるために踊る者もいる

So I called up the Captain
だから、俺はキャプテンを呼んだ
“Please bring me my wine”
「俺のワインを持ってきてくれ」
He said, “We haven’t had that spirit here
彼は言った「その酒はもうここにはない」
Since 1969″
「1969年以来な」

And still those voices are callin’
それでも、遠くから声が響いてくる
From far away
遠く離れた場所から
Wake you up in the middle of the night
夜中に目を覚まさせ
Just to hear them say
ただこう言うために

“Welcome to the Hotel California
「ようこそ、ホテル・カリフォルニアへ」
Such a lovely place (Such a lovely place)
「なんて素敵な場所(なんて素敵な場所)」
Such a lovely face
「なんて美しい顔」

They livin’ it up at the Hotel California
「彼らはホテル・カリフォルニアで贅沢に生きている」
What a nice surprise (What a nice surprise)
「なんて素敵な驚き(なんて素敵な驚き)」
Bring your alibis”
「アリバイを持ってくるんだ」

Mirrors on the ceiling
天井には鏡があり
The pink champagne on ice, and she said
ピンクシャンパンが氷の上に置かれていた、そして彼女は言った
“We are all just prisoners here
「私たちはみんな、ここで囚われの身」
Of our own device”
「自らの選択によるね」

And in the master’s chambers
そして主人の間では
They gathered for the feast
彼らは宴のために集まり
They stab it with their steely knives
鋼のナイフでそれを突き刺すが
But they just can’t kill the beast
獣を殺すことはできなかった

Last thing I remember, I was
最後に覚えているのは
Running for the door
ドアへ向かって走っていたこと
I had to find the passage back
元いた場所へ戻る道を見つけなければならなかった
To the place I was before
かつていた場所へ

“Relax,” said the night man
「落ち着け」と夜番の男は言った
“We are programmed to receive
「俺たちは受け入れるようにプログラムされてる
You can check out any time you like
いつでもチェックアウトはできる
But you can never leave”
でも、決して出ることはできない」

曲情報

 「Hotel California」(ホテル・カリフォルニア)は、アメリカのロックバンド、イーグルスの楽曲で、1977年2月22日に同名アルバムのセカンドシングルとしてリリースされた。この曲の作曲はドン・フェルダー、作詞はドン・ヘンリーとグレン・フライが手がけ、ヘンリーがリードボーカルを担当している。曲の最後には、フェルダーとジョー・ウォルシュによる2分12秒に及ぶエレキギターのソロがあり、交互にリードを弾いた後、ハーモニーを奏でながらアルペジオを重ね、フェードアウトしていく。

評価、チャート、実績

 この曲はバンドを代表する楽曲のひとつであり、1998年にはギタリスト誌の読者投票で、長いギターソロのエンディングが「史上最高のギターソロ」に選ばれた。1978年にはグラミー賞の「最優秀レコード賞」を受賞している。歌詞の意味についてはリリース当初からファンや評論家の間で議論が続いているが、イーグルスのメンバーはこの曲を「ロサンゼルスの華やかな生活の解釈」だと語っている。2013年のドキュメンタリー『History of the Eagles』では、ヘンリーが「この曲は純粋さから経験への旅について描いたもの、それだけさ」と説明している。

 「Hotel California」は、リリース以来、史上最高のロックソングのひとつとして広く評価され、多くのアーティストにカバーされてきた。ジュリア・フィリップスはこの曲を映画化することを提案したが、バンドのメンバーがそのアイデアを気に入らず、実現には至らなかった。商業的にも成功し、Billboard Hot 100で1位を獲得し、各国のチャートでもトップ10入りを果たしている。イーグルスはこの曲を1,000回以上ライブで演奏しており、「Desperado」と「Take It Easy」に次いで、彼らの楽曲の中で3番目に多く演奏されている。

背景

 フライとヘンリーは、デモを聴いた後にこのメロディーに興味を持ち、歌詞のコンセプトについて話し合った。2008年にフェルダーは歌詞の制作について次のように語っている。

 「ドン・ヘンリーとグレンがほとんどの歌詞を書いた。俺たちは皆、夜のロサンゼルスへ車で向かったんだ。誰もカリフォルニア出身じゃなかったし、夜にL.A.へ入ると[…] 地平線に光がぼんやりと輝いて見える。それを見てるとハリウッドや自分の夢が頭の中を駆け巡るんだ。だから、そういうことを描き始めたんだよ」

 ヘンリーは「ホテル・カリフォルニア」というテーマを決め、ビバリーヒルズ・ホテルが当時の彼らの人生にとって、文字通りそして象徴的な中心地になっていたと述べている。ヘンリーは、L.A.での個人的かつ仕事上の経験についてこう語った。
「俺たちは人生、愛、ビジネスについて徹底的に学んでいた。ビバリーヒルズは俺たちにとってまだ神話的な場所だった。そういう意味で、それは象徴のようなものになり、『ホテル』はL.A.が俺たちにとって何を意味するかの象徴になった。ひと言で言うなら、『純粋さの終焉』の第一幕だよ」

 フライは、この曲の構成をシネマティックなストーリーとして考案した。長い距離を走って疲れ果てた男が、休める場所を見つけて一晩泊まろうとする。しかし、そこは「奇妙な人物たちがいる異様な世界」で、彼はすぐに「閉塞感と、逃げ出せない不気味な罠に囚われた感覚」に襲われる。

 フライはキャメロン・クロウとのインタビューで、彼とヘンリーが「この曲を『トワイライト・ゾーン』のエピソードのように始めたかった」と語り、さらに「この男を『魔術師(The Magus)』のキャラクターみたいにしたかったんだ。彼がドアを開けるたびに、新しい現実が待っているような感じでね。まるで映画のような曲を書きたかった」と述べた。

 NBCのボブ・コスタスとのインタビューでは、この曲を「まるで映画のモンタージュみたいに、一つの場面から次の場面へと移っていくもの」と説明し、「ハイウェイを走る男、ホテルの外観、男が中に入り、ドアが開き、奇妙な人々が現れる——そんな場面の連続を作ろうとしたんだ」と語った。そして、「何か奇妙なものを作りたかった。ただ、それができるか試したかったんだよ」と付け加えた。

 フライのアイデアを基にヘンリーがほとんどの歌詞を書き、曲のインスピレーションを得るために砂漠へドライブに出たり、映画や演劇から着想を得たりした。

 歌詞の一部、「Her mind is Tiffany-twisted, she got the Mercedes bends / She got a lot of pretty pretty boys she calls friends(彼女の心はティファニーの輝きに狂わされ、メルセデス・ベンツに乗り / 彼女には『友達』と呼ぶ美しい男たちがたくさんいる)」は、ヘンリーが当時付き合っていた恋人、ロリー・ロドキンとの破局をもとにしている。

 また、「They stab it with their steely knives, but they just can’t kill the beast(鋼のナイフでそれを刺しても、獣を殺すことはできない)」という歌詞にある「steely」という単語は、バンド「スティーリー・ダン」への遊び心のあるオマージュであり、彼らの楽曲『Everything You Did』の中に「Turn up the Eagles, the neighbors are listening(イーグルスの音を上げろ、ご近所さんが聞いてるぜ)」という歌詞があることへの返答だった。

 フライはまた、「スティーリー・ダンの歌詞の大胆さや、常識を超えた表現に触発された」と語り、この曲が「完璧な曖昧さを達成した」と考えていた。

歌詞の意味

colitas(コリタス)とは?

Warm smell of colitas
コリタスの暖かな香りが

 「Hotel California」の歌詞に登場する “Warm smell of colitas rising up through the air”(コリタスの暖かな香りが空気に立ち上っていく)というフレーズにある “colitas” という単語の意味については、長年議論されてきた。


1. スペイン語での意味

 ”Colitas” はスペイン語の “colita”(小さな尾、末端の部分)の複数形。この単語が何を指すのかについては、いくつかの説がある。


2. マリファナの隠語説

 メキシコのスラングでは “colitas”マリファナの芽(つぼみ) を指すことがある。
「空気に漂うマリファナの甘い香り」という解釈が、最も一般的なものとして受け入れられている。

 ドン・フェルダー(Eaglesのメンバー)の証言

「”Colitas” はマリファナの芽のことを指している。アメリカ南西部のスラングだ。」

 この解釈は、歌詞全体の幻想的な雰囲気とも一致する。


3. 砂漠に咲く小さな花説

 ”Colitas” を「砂漠に咲く小さな花」と解釈する説もある。この場合、「温かな香り」は、砂漠の植物が夜間に発する香りを指している可能性がある。しかし、Eaglesのメンバーがこの解釈について言及したことはない。


結論

 ”Colitas” は マリファナのつぼみ を意味するという解釈が最も有力。ただし、曖昧な表現を意図的に用いることで、リスナーの想像力に委ねる狙いがあったとも考えられる。

mission bell(ミッションベル)とは?

I heard the mission bell
ミッションベルの音が聞こえる

 ”Hotel California” の歌詞に登場する “I heard the mission bell”(ミッションベルの音が聞こえた)というフレーズの “mission bell” には、いくつかの解釈がある。


1. カリフォルニアのミッション(伝道所)にある鐘

 Mission Bell は、カリフォルニア州に点在する スペインの伝道所(ミッション) に設置されていた鐘を指す可能性がある。18世紀後半から19世紀初頭にかけて、スペインのフランシスコ会修道士がカリフォルニア各地に 21の伝道所(ミッション) を設立した。

 この鐘は、礼拝や重要な出来事を知らせるため に使われたもので、カリフォルニアの歴史や文化を象徴するものとなっている。Eaglesが「カリフォルニアの光と影」をテーマにしていたことを考えると、この歴史的な背景を反映している可能性が高い。


2. 精神的な目覚めや警告の象徴

 ”Mission Bell” を 宗教的な象徴 として捉える解釈もある。この鐘の音が聞こえたことは、警告のサインや精神的な目覚めの瞬間 を示している可能性がある。

この曲の語り手は、「ホテル・カリフォルニア」に足を踏み入れたことで、未知の世界に引き込まれることになる。その直前に鳴る “mission bell” は、「この先に待つのは天国か地獄か?」という疑問を抱かせる要素となっている。


3. 実際の「ミッションベル・モーテル」説

 カリフォルニア州リバーサイドには、Mission Bell Motel(ミッションベル・モーテル) という実在の宿泊施設がある。このモーテルが歌詞のインスピレーションになったという説もあるが、Eaglesのメンバーがこのモーテルについて言及したことはない。


結論

 ”Mission Bell” は、カリフォルニアの歴史的なミッションの鐘 を指している可能性が高い。ただし、それだけでなく、警告のサインや精神的な目覚めの象徴 という解釈もできる。歌詞の流れから考えると、「ホテル・カリフォルニア」という幻想的な場所へ足を踏み入れる前に鳴る、不吉な前触れ として機能しているとも考えられる。

error: Content is protected !!