動画
曲情報
「Dschinghis Khan」(ジンギスカン)は、ドイツのディスコグループ「Dschinghis Khan」(ジンギスカン)が録音した楽曲であり、ラルフ・ジーゲルが作曲、ベルント・マイヌンガーが作詞を担当した。この曲は1979年にエルサレムで開催されたユーロビジョン・ソング・コンテスト1979で西ドイツを代表し、グループのデビューアルバム『Dschinghis Khan』からの最初のシングルとしてリリースされた。
この楽曲は西ドイツでナンバーワンヒットとなり、オーストリア、フィンランド、ノルウェー、スイスでもトップ10入りを果たした。オリジナルのドイツ語版に加え、グループは英語版も発表した。その後、多くのアーティストによるカバーがシングルやアルバム収録曲としてリリースされた。
背景
構想
この曲は作曲家ラルフ・ジーゲルと作詞家ベルント・マイヌンガーのコンビによって制作され、ディスコミュージック、特にBoney M.の影響を強く受けている。そのタイトルが示す通り、モンゴルの戦士チンギス・ハーンを称える内容になっており、歌詞には彼の軍事的な強さ(「彼は敵を笑い飛ばし、誰もその力には抗えなかった」)や性的な能力(「一晩で7人の子をもうけた」)が描かれている。さらに、彼の仲間たちもまた、酒豪であり、人生を楽しむ自由奔放な人物として称賛されている(「悪魔が我々を連れて行くのは、そう遠くない」)
ユーロビジョン
1979年3月17日、「Dschinghis Khan」は、バイエリッシャー・ルントフンク(BR)がARDのために開催したユーロビジョン・ソング・コンテスト1979の西ドイツ代表選考会「Vorentscheid 1979」に出場し、優勝を果たした。これにより、この曲が西ドイツ代表曲としてコンテストに出場することとなった。
1979年3月31日、エルサレムの国際コンベンションセンターでイスラエル放送協会(IBA)主催のユーロビジョン・ソング・コンテストが開催され、ヨーロッパ全域に生放送された。Dschinghis Khanは当夜9番目に登場し、スイス代表の「Trödler und Co」(ピーター・スー&マルク、プフリ・ゴルプス&クニリ)に続き、イスラエル代表の「Hallelujah」(ミルク&ハニー)の前にパフォーマンスを披露した。ドイツ代表曲の演奏はノルベルト・ダウムが指揮を務めた。最終的に「Dschinghis Khan」は86ポイントを獲得し、19か国中4位となった。
その後
この曲は日本で長く愛される楽曲となった。2014年にはデジタルダウンロードで10万件を達成し、ゴールド認定を受けた(2006年にデジタル配信が開始された)
2020年には、ヴォルフガング・ハイヒェルとシュテファン・トラックが率いるDschinghis Khanの新ラインナップがこの曲を再録音し、ミュージックビデオをモンゴルで撮影した。ビデオには、ハイヒェルがモンゴルの部族と交流するシーンが含まれている。
歌詞の意味
この曲はモンゴルの征服者を荒々しく誇張した姿で描き、疾走する騎馬軍団の勢いと宴会の熱気を混ぜ合わせた圧倒的なパワーの物語になっている。草原を駆け抜けながら各地に恐れをもたらす軍勢の迫力がリズムと掛け声で表現され、どんな障害も止められない勢いが全体を支配している。中央にいる人物は圧倒的な力と豪快さを持つ存在として語られ、戦でも酒宴でも周囲を圧倒する絶対的なカリスマとして描かれている。荒々しい歓声や笑い声が続くことで無敵の勢いと放埒なエネルギーが強調され、歴史的事実というより祝祭的で劇画的なイメージを楽しむための高揚感に満ちた曲になっている。
タイトル「ジンギスカン」の意味
タイトル「ジンギスカン」は、13世紀にモンゴル帝国を築いたチンギス・ハン(Genghis Khan)のドイツ語表記 Dschinghis Khan に由来する。


