動画
歌詞&翻訳
I see trees of green, red roses too
緑の木々に、赤いバラも咲いている
I see them bloom for me and you
それらが僕と君のために咲くのを見ている
And I think to myself
そして僕は思う
What a wonderful world
なんて素晴らしい世界なんだろうって
I see skies of blue and clouds of white
青い空と白い雲
The bright blessed days, the dark sacred nights
祝福された明るい昼、神聖な暗い夜を見ている
And I think to myself
そして僕は思う
What a wonderful world
なんて素晴らしい世界なんだろうって
The colors of the rainbow
虹の色が
So pretty in the sky
空に美しくかかり
Are also on the faces
Of people going by
行き交う人々の表情にも現れている
I see friends shaking hands, saying, “How do you do?”
友人たちが握手を交わし「元気かい?」って声をかけ合っている
They’re really saying, “I love you”
本当は「愛してる」って言っているんだ
I hear babies cry, I watch them grow
赤ん坊の泣き声を聞き、成長していく姿を見守っている
They’ll learn much more
Than I’ll ever know
彼らは僕が知るよりもずっと多くのことを学ぶだろう
And I think to myself
そして僕は思う
What a wonderful world
なんて素晴らしい世界なんだろうって
Yes, I think to myself
そう、僕は思う
What a wonderful world
なんて素晴らしい世界なんだろうって
曲情報
概要
「What a Wonderful World」(邦題:この素晴らしき世界、読み:ワット・ア・ワンダフル・ワールド)は、ボブ・シール(”George Douglas”名義)とジョージ・デヴィッド・ワイスによって作詞・作曲された楽曲である。1967年8月16日にルイ・アームストロングが最初にレコーディングした。1968年4月にはイギリスのポップチャートで1位を獲得したが、アメリカではABCレコードの社長ラリー・ニュートンがこの曲を気に入らず、プロモーションを拒否したため、当初は振るわなかった。
しかし、映画『グッドモーニング, ベトナム』で使用されたことをきっかけに、1988年にシングルとして再リリースされ、ビルボード・ホット100で32位にランクインした。1999年には、アームストロングの録音がグラミーの殿堂入りを果たした。
作曲と制作
「What a Wonderful World」は、ボブ・シールが”George Douglas”というペンネームを使い、ジョージ・デヴィッド・ワイスと共同で作曲した。1988年以降は、作曲者クレジットにはシールの本名が使用されている。シールは、ケネディ暗殺、ベトナム戦争、人種対立など、1960年代半ばのアメリカ社会における混乱の最中に、「ルイ・アームストロングのために特別に書かれた『違った』曲を作ろう」と考えたと語っている。
ワイスもアームストロングを念頭に置いて作曲しており、彼の音楽が異なる人種の人々を結びつける力を持っていることに触発されたという。なお、一部の情報では、最初にトニー・ベネットにこの曲が持ちかけられたが、彼が断ったとされている。しかし、ルイ・アームストロングの伝記作家リッキー・リカルディはこれを否定している。
録音セッション
アームストロングは、ラスベガスのトロピカーナ・ホテルで公演中だったため、近くのビル・ポーターのユナイテッド・レコーディング・スタジオで録音を行うことにした。録音セッションは、深夜の公演後に予定されており、午前2時にはミュージシャンがスタジオに集まり、テープが回され始めた。
アレンジャーのアーティ・バトラー、作曲家のワイス、シールが立ち会う中、アームストロングはオーケストラと共に歌い始めた。しかし、この曲のスローテンポなスタイルが気に入らなかったABCレコードの社長ラリー・ニュートンが、録音を中止させようと試みた。ニュートンは、アームストロングの前作「Hello, Dolly!」のようなスウィング調のポップソングを期待していたため、バラード風の「What a Wonderful World」に強く反対した。その結果、ニュートンはスタジオから退去させられ、プロモーションを拒否することになった。
録音中には、もう一つの問題が発生した。近くを通る貨物列車の汽笛が2回鳴り、録音を中断させたのである。しかし、アームストロングはこのハプニングを笑い飛ばし、落ち着いてセッションを続けた。録音は当初の予定よりも長引き、午前6時に終了した。オーケストラのミュージシャンが時間外手当をもらえるようにするため、アームストロングは自身の報酬をミュージシャンズ・ユニオンの最低額である250ドルのみに抑えた。
影響と評価
「What a Wonderful World」は、ルイ・アームストロングの代表曲の一つとなり、長年にわたって世界中で愛され続けている。特に1988年の再リリース後には、新たな世代のリスナーにも広まり、感動を呼ぶ楽曲として数々の映画やCMで使用されている。1999年にはグラミーの殿堂入りを果たし、今日でも多くのアーティストによってカバーされ続けている。
この曲は、シンプルながらも希望に満ちたメッセージを持ち、戦争や社会の混乱が続く中で、音楽が人々を結びつけ、世界の美しさを再認識させる力を持つことを証明した作品である。