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曲情報
「The Longest Time」(ザ・ロングエスト・タイム)は、ビリー・ジョエルが1984年にシングルとしてリリースした楽曲で、1983年のアルバム『An Innocent Man(アン・イノセント・マン)』からの4枚目のシングルにあたる。このアルバムがジョエルの音楽的影響へのオマージュであるというテーマに沿って、この曲はフランキー・ライモン&ザ・ティーンエイジャーズのスタイルを模したドゥーワップ調で構成されている。Billboard Hot 100で14位、Billboardアダルト・コンテンポラリー・チャートでは1位を記録した。イギリスではUKシングルチャートで25位に達した。
この曲では、ジョエルがリードボーカル、すべてのバックボーカル、指鳴らしや手拍子といった打楽的要素をすべて担当している。カバーされる際には、通常ベースパートも歌唱で再現される。プロデューサーのフィル・ラモーンとジョエルは当初、実際のボーカルグループを起用することを考えていたが、最終的にジョエルがすべてのパートを一人で録音した。
ミュージックビデオ
ミュージックビデオは、高校の同窓会から帰った男性(ジョエル)が体育館で思いにふける場面から始まる。周囲に掲げられた数々の表彰ポスターを見つめながら歌い出すと、彼のバンド、つまり高校時代の友人たちが体育館に現れる。彼らは歌いながら高校時代の姿と現在の姿を交互に見せ、最後には高校時代の彼らがトイレから出てきて、戸惑う清掃員(ニック・スチュワート)とやり取りする形で締めくくられる。撮影はすべてブルックリンのプラット・インスティテュートで行われ、監督はジェイ・デュビンが務めた。
歌詞の意味
この曲は、長いあいだ閉ざされていた心が、誰かとの出会いによって再び温かさを取り戻していく様子を、素直で柔らかい言葉で描いてる。恋を避け、純粋さを失ったと思い込んでいた主人公が、相手の存在に触れることでゆっくりと変わり、久しく感じていなかった幸福やときめきが胸に戻ってくる。その驚きと喜びが、控えめだけど確かな感情として流れていく。
相手が必要で、自分も必要とされているという実感は、主人公にとってほとんど奇跡のようで、それだけに胸が揺れる。未来に保証はないし、関係が長く続くかどうかもわからない。それでも、この気持ちを信じてみたいという前向きな覚悟がにじむ。恋に飛び込むのが怖くて慎重だった過去が語られながら、相手を知るほどに「もう迷わなくていい」と思えるようになっていく過程が丁寧に描かれている。
たとえ後悔が待っていたとしても、この想いを抱きしめて進みたいという強い意志が最後に立ち上がり、長い空白を埋めるように相手を大切にしたいという気持ちが繰り返される。全体として、やっと取り戻した恋の温度を素直に喜び、その瞬間を長く味わいたいと願う、温かくロマンチックな曲になってる。


