【曲解説】Red Hot Chili Peppers – Fire

音源

曲情報

「Fire」(ファイア)は、ジミ・ヘンドリックスによって作詞・作曲され、1967年初頭にジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスによって録音された楽曲である。AllMusicの批評家マシュー・グリーンウォルドはこの曲を「ソウル、サイケデリック・ロック、ポリリズム的なジャズ風ドラムが融合した練習曲」と評している。アメリカ版アルバムではステレオミックスが施され、1969年にはイギリスで「Let Me Light Your Fire」というタイトルでステレオ・シングルとしてリリースされた。

▼ジミ・ヘンドリックスの「Fire」

レッド・ホット・チリ・ペッパーズは1983年から「Fire」をライブで演奏し始め、1987年には「Fight Like a Brave」のシングルのB面としてレコーディングした。さらに1年後には『The Abbey Road E.P.』に収録され、1989年のアルバム『Mother’s Milk』にも収録された。この収録は、1988年に亡くなったバンドの創設メンバーでギタリストのヒレル・スロヴァクへの追悼の意を込めたものである。

チリ・ペッパーズによるこのバージョンでは、ボーカルのアンソニー・キーディスが一部の歌詞を変更している。たとえば「Move over, Rover, and let Jimi take over(どいてくれ、ローバー、ジミに任せろ)」という歌詞は、「Move over, Rover, and let Mr. Huckleberry take over(どいてくれ、ローバー、ハックルベリー氏に任せろ)」と歌われており、「Mr. Huckleberry」はスロヴァクのニックネームである。

この曲は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズが1999年のウッドストック・フェスティバル(Woodstock ’99)のセットリストの最後に演奏した曲でもあり、一部のメディアから批判を受けた。

歌詞の意味

この曲は相手への肉体的欲望を火のイメージに重ね、挑発的かつ奔放な態度で表現する内容とされる。語り手は相手の状況や周囲の制約を意に介さず、強い衝動に導かれて相手の「火」に近づこうとする。火は比喩的に情熱や危険、官能性を象徴しており、その熱に触れたいという語り手の欲望が反復されるフレーズによって強調される。

全体にはロック特有の荒々しさと遊び心が混在し、物語性よりもエネルギーと雰囲気が優先されている。警告と誘惑が同時に響く言葉遣いは、関係が危うい境界上にあることを示し、衝動性と無鉄砲さが曲の推進力となる。結果として、情熱の直接性と奔放な欲望を前面に押し出した内容になっている。

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