【曲解説】NCT DREAM – CHILLER

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曲情報

「CHILLER」(チラー)はSMエンタテインメント所属の韓国のボーイズグループ、NCT DREAMの曲。この曲は7月14日に発売された5thフルアルバム『Go Back To The Future』のタイトル曲として収録されている。

歌詞の意味

この曲は、既存のルールや枠組みに縛られず、自在に空間と時間を飛び越える集団のエネルギーを描いている。語り手たちは、躊躇や不安を振り切り、感覚のままに動くことを肯定し、混沌をむしろ遊び場として受け止める姿勢を示す。時間すら手のひらで曲げるという比喩は、若さと創造性が生む自信の象徴として機能し、自分たちの世界が他者の基準から独立して成立しているという意識を支える。

反復される自己宣言は、未知の領域を切り開く存在であるという自負を強調し、混乱を恐れずに前へ進む態度を鮮明にする。雑多でつまらないものを捨て去るという描写は、制限の多い現実からの離脱や、不要な気負いの排除を示し、自由な状態での自己表現を中心に据える構造となっている。

終盤では、彼らが根底では愛によって結びついた仲間であると語られ、奔放さの裏に連帯感があることが示唆される。全体として、この曲は混沌を突破力に変え、束縛を拒む勢いを一つの美学として描く作品になっている。

「CHILLER」(チラー)とは?

CHILLER」(チラー)は、クールで余裕のある存在を意味するスラング。混乱や高揚の中でもブレずに落ち着いている人物像を指す。

マイケル・ジャクソンの「スリラー」では「ゾクっとさせるもの、寒気をかんじさせるもの」という意味で使われているが、この歌詞では「Cool out don’t panic(落ち着け、慌てるな)」「Chill out(冷静になれ、落ち着け)」など落ち着きを強調するフレーズとも呼応しているため、「自分はクールで余裕のある存在だ」というヒップホップによくあるセルフブランディング発言として解釈する方が自然である。

「juice」(ジュース)とは?

juice」(ジュース)は、バイブス・カリスマ性・勢い・性的魅力などを指すスラング。「酔わされるような空気」や「高まったエネルギー」の比喩として使われている。

「Jam」(ジャム)とは?

Jam」(ジャム)は、グルーヴ感のあるリズムやノリのこと。「Jam jam 마이클처럼」は、マイケル・ジャクソンのようなノリでムーンウォークしている様子を表している。

「Thriller」(スリラー)とは?

Thriller」(スリラー)は、1982年にリリースされたマイケル・ジャクソンの代表曲および同名アルバムのタイトル。ホラー映画風のMVや革新的なダンスで世界的に大ヒットし、80年代ポップカルチャーの象徴となった。原義は「スリルを引き起こすもの」。

「Footloose」(フットルース)とは?

Footloose」(フットルース)は、1984年公開のアメリカ映画のタイトルであり、同時に「自由気まま」「縛られない」という意味の形容詞でもある。映画ではダンス禁止の町にやってきた高校生が反発し、若者の自由や表現の解放を訴える物語が描かれる。主題歌「Footloose」(Kenny Loggins)は象徴的なダンス・ナンバーとして有名で、80年代カルチャーを象徴する存在となった。NCT DREAMの文脈では、この「Footloose」は、レトロな時代精神を引用しつつ、自由に踊る=縛られずに生きる姿勢を表現している。アルバムタイトル「GO BACK TO THE FUTURE」とも響き合う、ノスタルジーと前進の両立を象徴するキーワードとなっている。

멋대로 Footloose」は、「멋대로(勝手に/思うままに)」と「Footloose(縛られず自由に)」を組み合わせた表現。直訳すると「好き勝手に自由に踊れ」という意味で、命令というより状態やムードを煽る言い回しである。

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