【和訳】David Bowie – Drive In Saturday

動画

歌詞&翻訳

Let me put my arms around your head
君の頭に腕を回させて
Gee, it’s hot, let’s go to bed
ああ、暑いね、ベッドに行こう
Don’t forget to turn on the light
電気をつけるのを忘れないで
Don’t laugh, Babe, it’ll be alright
笑わないで、ベイビー、大丈夫だよ
Pour me out another phone
もう一杯注いで
I’ll ring and see if your friends are home
君の友達が家にいるか電話してみるよ
Perhaps the strange ones in the dome
たぶんドームにいる変わり者たちが
Can lend us a book, we can read up alone
本を貸してくれるかもね、二人で読める本を

And try to get it on like once before,
以前のように愛し合おうとする
When people stared in Jagger’s eyes and scored

人々がジャガーの目を見つめ、成功を収めていた時のように
Like the video films we saw

僕らが見たビデオ映画のように

His name was always Buddy
彼の名前はいつもバディだった
And he’d shrug and ask to stay

彼が肩をすくめて泊まってもいいかと尋ねると
She’d sigh like Twig the Wonder Kid

彼女はツイッグ・ザ・ワンダーキッドのようにため息をつき
And turn her face away

顔を背けた
She’s uncertain if she likes him

彼女は彼のことを好きかどうかはわからないけど
But she knows she really loves him

本当に愛していることはわかっている
It’s a crash course for the ravers

それはレイバーたちのためのクラッシュコースで
It’s a drive-in Saturday

それは土曜の夜のドライブイン・シアターなんだ

Jung the foreman prayed at work
That neither hands nor limbs would burst

作業現場で監督のユングは手足が爆発しないよう祈っていた
It’s hard enough to keep formation
Amid this fall out saturation

この放射能が降り注ぐ中でフォーメーションを維持するのは物凄く大変なんだ
Cursing at the Astronette
Who stands in steel by his cabinet

スチール製のキャビネットのそばに立つアストロネットを呪いながら
He’s crashing out with Sylvian

彼はシルヴィアンと共に疲れ果てて眠りに落ちそうになっている
(彼は幻覚に陥っている)
The bureau Supply for ageing men

高齢の男性たちのための補給局

With snorting head he gazes to the shore
彼は鼻息荒く海岸を見つめている
Where once had raged the sea that raged no more
かつて荒れ狂っていた海が、今はもう荒れ狂っていない
Like the video films we saw
僕らが見たビデオ映画のように

His name was always Buddy
彼の名前はいつもバディだった
And he’d shrug and ask to stay

彼が肩をすくめて泊まってもいいかと尋ねると
She’d sigh like Twig the Wonder Kid

彼女はツイッグ・ザ・ワンダーキッドのようにため息をつき
And turn her face away

顔を背けた
She’s uncertain if she likes him

彼女は彼のことを好きかどうかはわからないけど
But she knows she really loves him

本当に愛していることはわかっている
It’s a crash course for the ravers

それはレイバーたちのためのクラッシュコースで
It’s a drive-in Saturday, yeah

それは土曜の夜のドライブイン・シアターなんだ

His name was always Buddy
彼の名前はいつもバディだった
And he’d shrug and ask to stay

彼が肩をすくめて泊まってもいいかと尋ねると
She’d sigh like Twig the Wonder Kid

彼女はツイッグ・ザ・ワンダーキッドのようにため息をつき
And turn her face away

顔を背けた
She’s uncertain if she likes him

彼女は彼のことを好きかどうかはわからないけど
But she knows she really loves him

本当に愛していることはわかっている
It’s a crash course for the ravers

それはレイバーたちのためのクラッシュコースで
It’s a drive-in Saturday, yeah, yeah

それは土曜の夜のドライブイン・シアターなんだ

Drive-in Saturday
ドライブイン・サタデー
It’s a drive-in Saturday

それは土曜の夜のドライブイン・シアターなんだ
[繰り返し&フェードアウト]

曲情報

 「ドライブ・イン・サタデー」は、イギリスのミュージシャン、デヴィッド・ボウイの1973年のアルバム『アラジン・セイン』に収録されている曲。アルバムの1週間前にシングルとしてリリースされ、前作の「ジーン・ジニー」と同様にイギリスでトップ3ヒットとなった。

歌詞の意味

この曲はポストアポカリプスの時代を描いている

 デヴィッド・ボウイ自身が「Drive-In Saturday」について語ったインタビューで、この曲が未来の世界を描いていることを示唆している。例えば、1973年のNMEのインタビューで、ボウイはこの曲が「地球に戻った人々が、失われた性的アイデンティティを再発見しようとしている未来の社会」を描いていると説明している。

 ちなみにポストアポカリプスとはマッドマックスや北斗の拳、ウォーキング・デッドのような文明が崩壊した後の世界(終末後の社会)のこと。

タイトルの「Drive In」(ドライブイン)の意味は?

 おそらくドライブインシアターのこと。ドライブインシアターは大きな屋外スクリーンがあり、観客が車に乗ったまま映画を鑑賞することができる映画館である。1930年のアメリカで始まり、1940年代から1960年代に流行した。

 ドライブインシアターはカップルのデートスポットとしても人気だった。

ドームとは?

Perhaps the strange ones in the dome
たぶんドームにいる変わり者たちが

 続くフレーズが「本を貸してくれるかもね、二人で読める本を」と言っていることから図書館のことかもしれない。地球に戻った人々の中で知識に価値を置く人々が図書館を活動拠点とし、知識の探究・保護を目的として活動をしているのかもしれない。そして、性的なことに興味を持つ主人公にとって、彼らは変わり者なのかもしれない。

ジャガーの目を見つめ?

When people stared in Jagger’s eyes and scored
人々がジャガーの目を見つめ、成功を収めていた時のように

 この部分のジャガーはミック・ジャガー(Mick Jagger)を指している。この表現は「人々がミック・ジャガーのカリスマ性に影響され、自信を持って行動して成功を掴んでいた時のように」という意味。

主人公がアポカリプス以前の時代を知らなかった世代の可能性

 主人公がアポカリプス前の時代を直接知らないが、本や映画を通じてその時代の情報を得て、過去の時代のロマンチックな関係を模倣しようとしているという解釈ができる。

Like the video films we saw
僕らが見たビデオ映画のように

 このフレーズもその説を後押ししている。

And try to get it on like once before,
以前のように愛し合おうとする

 その説で行くと、このフレーズにおける「以前」は、語り手個人の人生の以前ではなく、人類の社会全体の以前だと言える。

ツイッグ・ザ・ワンダーキッドとは?

She’d sigh like Twig the Wonder Kid
彼女はツイッグ・ザ・ワンダーキッドのようにため息をつく

 60年代の世界的なファッションアイコンであるツイッギー・ローソンのこと。イギリス出身の彼女はモデル、女優、及び歌手であり、日本でも人気があった。

レイバーたちのためのクラッシュコース?

 1973年にリリースされたこの曲の歌詞に使われている「raver」という意味は、50年代から70年代のロンドンで使われていた「raver」という言葉の意味に近いと考えられる。つまり、この時期の「raver」は、ワイルドで解放された社交生活を送る人々や熱狂的なパーティー参加者を指していた。

 クラッシュコースとは短期学習コース、集中訓練のこと。

 つまり、このフレーズの意味は補足も加えると以下のようになる。

It’s a crash course for the ravers
それはワイルドで解放された社交生活を送る人々にとって、性のアイデンティティを再発見するための短期集中講座なんだ

ユング、アストロネット、シルヴィアン?

 オーストラリアのアーティストでデヴィット・ボウイの作品とカール・ユングの心理学を深く研究していることで知られているターニャ・スタークによると、このユングはカール・ユングへの言及で、彼の深層心理学の枠組みがボウイのキャリアに極めて重要な影響を与えたことを告げるものだという。

 アストロネット(Astronette)は宇宙飛行士(Astronaut)という単語に名前が似ており、アストロネットは女性的な名前であるため、女性の宇宙飛行士を連想させる名前になっている。

 ここでアストロネットが立っているキャビネットはオフィスや作業現場にある金属製の保管庫や書類棚のことか、特定の機械や装置の一部を指している可能性がある。例えば、操作パネルや制御装置を収納するキャビネットである。

 そしてアストロネットはスチール製のキャビネットのそばに立って、フォーメーションには加わらず、比較的安全でリスクを冒さないポジションにいるために恨まれていると解釈できる。

 登場人物の「シルヴィアン」(Sylvian)は、シルヴィウス裂(Sylvian fissure)を暗示している可能性がある。シルヴィウス裂は脳の幻覚やビジョンに関連する領域であるため、このフレーズは、脳内での幻覚体験を表現していると考えられる。

 つまり、バディ(ユングの可能性もあるが、歌詞の「he」はおそらくすべてバディのこと)はシルヴィアンと共に疲れ果てて眠りに落ちそうになっているという意味の他に、バディが幻覚体験をしているという意味もかかっていると解釈できる。

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