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曲情報
「To the End」(トゥ・ジ・エンド)は、イギリスのオルタナティブ・ロックバンド、Blur(ブラー)の楽曲である。1994年のスタジオアルバム『Parklife』に収録され、同年5月にFood Recordsよりシングルとしてリリースされた。本楽曲は、関係の悪化を乗り越えようとするカップルの試みを描いており、フルオーケストラの伴奏と、Stereolabのレティシア・サディエによるフランス語のコーラスが特徴である。本楽曲のプロデュースは、アルバム『Parklife』の他の楽曲とは異なり、スティーヴン・ヘイグが手掛けた。
Blurは「To the End」の異なるバージョンをいくつか制作しており、その中には歌詞やアレンジが異なるものも含まれる。楽曲のミュージックビデオはデヴィッド・モウルドが監督を務め、チェコ共和国のプラハで撮影された。
歌詞の意味
この曲が描いているのは恋が壊れていく瞬間の「静かな終わり」。
激しい喧嘩や劇的な別れではなく、ふたりとも酔いすぎて、本心でない言葉をぶつけ合いながら、気づけば気持ちが崩れ落ちていた、という落ち着いた悲しみが流れている。
英語とフランス語の掛け合いは、情熱・混乱・倦怠が同時に存在する感じを強めていて、「Jusqu’à la fin(終わりまで)」「En plein soleil / En plein amour(真昼の光/真っ只中の愛)」という言葉の反復は、かつての強い気持ちと現在の冷めた現実のギャップを表している。
“collapsed in love” は「燃え上がって落ちる」ではなく、「壊れるように崩れ落ちた」両義的な表現で、
最後のコーラスは、達観したように淡々としていて、もう抗う力もなく「これで終わりだ」と受け入れている雰囲気。
過去の情熱が残響のように続きつつも、物語は静かに幕を閉じる、そんな曲になっている。


